【川崎の歯医者】コバルトクロム床義歯のメリットとは?

歯科クリニックで作製される入れ歯は、大きく保険診療のものと自由診療のものに分かれます。

また自由診療の入れ歯には、口内に触れる床部分に金属が採用されるものがあり、その中でも一般的なのがコバルトクロム床義歯です。

今回は、コバルトクロム床義歯の概要やメリットなどについて解説します。

コバルトクロム床義歯の概要

コバルトクロム床義歯は、コバルトとクロムの金属合金であり、入れ歯以外ではインプラントでも採用されることがあります。

また医療分野だけでなく、工業分野でも使用されるケースが多いです。

航空宇宙工業では、ジェットエンジン内にある羽根のような部品のダービンブレードなどにも使用されています。

非常に高い硬度と優れた耐食性・耐摩耗性・耐熱性を誇り、過酷な環境下でもその性能を維持できるという特徴があります。

コバルトクロム床義歯のメリット

金属床義歯の中でももっとも古い歴史を持つコバルトクロム義歯には、以下のようなメリットがあります。

・違和感が少ない
・壊れにくい
・食事がしやすくなる
・清潔に保ちやすい

各メリットについて詳しく説明します。

違和感が少ない

コバルトクロム床義歯は頑丈であるため、レジン床義歯に比べて土台部分の厚みを1/3程度に薄くできます。

そのため、装着したときの違和感が少ないです。

口内は髪の毛が1本入っただけでも違和感を覚えるほど敏感です。

髪の毛の太さは0.1mm前後であり、レジン床義歯の土台部分は2~3mmであるため、いかにレジンの違和感が大きいかということがわかります。

一方、コバルトクロム床義歯はこの厚さが1/3程度になるため、比較的快適に利用できます。

壊れにくい

コバルトクロム床義歯は耐久性が高く、壊れにくいというメリットもあります。

レジンで作製した入れ歯は過剰な負荷や衝撃に弱く、強い力で咀嚼したり、落としたりすると割れてしまうことがあります。

これに対し、コバルトクロム床義歯は頑丈なため、破損などのリスクが少ないです。

一度破損した入れ歯は、基本的にそのまま使用することができないため、修理や再作製を行う必要があります。

つまりコバルトクロム床義歯は、修理や再作製の手間、費用を削減できる入れ歯だということです。

食事がしやすくなる

食事がしやすくなるという点も、コバルトクロム床義歯の大きなメリットです。

コバルトクロム床義歯は土台部分が薄いことから、口の中が広く感じます。

このことから舌を動かしやすく、食事の際の不便さは大幅に軽減されます。

また金属が使用されているコバルトクロム床義歯は、熱伝導率が高いです。

熱伝導率が高ければ、熱いものを熱く、冷たいものを冷たく感じやすくなるため、必然的に食事の美味しさはアップします。

ちなみに熱伝導率の高さは、熱さを正確に感知し、火傷を防止することにもつながります。

清潔に保ちやすい

コバルトクロム床義歯は、レジン床義歯と比較すると清潔に保ちやすいです。

なぜなら、ブラッシングや洗浄がしやすいからです。

レジンはプラスチックであるため、ある程度汚れや細菌が付着しやすく、毎日メンテナンスしていても徐々に劣化は大きくなります。

一方、コバルトクロム床義歯は金属であり、レジンよりも汚れが付着しにくいです。

そのため、毎日欠かさずメンテナンスを継続していれば、大きな劣化が見られる心配は少ないです。

ちなみに最低限のメンテナンスで清潔さを保てるということは、入れ歯を使用する方の手間を減らすことにもつながります。

コバルトクロム床義歯の注意点

コバルトクロム床義歯は、原則保険の対象外になります。

こちらは製作するのに熟練した技術が必要なこと、高価な材料を使用していることなどが理由です。

さらに作製の難易度が高いことから、万が一破損してしまった場合は修理が難しくなります。

破損の程度がひどい場合、一から作製し直さなければいけないこともあります。

またコバルトクロム床義歯には、レジン床義歯にはない金属アレルギーのリスクがあります。

金属アレルギーを発症すると、入れ歯が接触する粘膜や舌が白く変色したり、違和感を覚えたりします。

場合によっては、舌に激しい痛みや灼熱感をおぼえることも考えられます。

そのため、コバルトクロム床義歯を作製する前には、事前に皮膚科でパッチテストなどの検査を受けることをおすすめします。

ちなみに、コバルトクロム床義歯のバネ部分は小さく目立ちにくいですが、全体的な目立ちやすさはレジン床義歯より高いと言えます。

目立ちにくいような設計で金属を使用するため、極端に見た目が悪くなることはありませんが、ピンク色をした入れ歯よりは目立ちやすいです。

まとめ

入れ歯を選ぶ際には保険が適用されるかどうか、部分入れ歯か総入れ歯かなど、さまざまな点を種類ごとに比較する必要があります。

そうしなければ、オーダーメイドだったとしても患者さん自身が求める入れ歯はなかなか手に入りません。

またレジンやコバルトクロム、チタンなど、いくつかある素材のメリットやデメリットを把握し、比較検討することも大切です。

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