インプラント治療は、18歳以上でなければ受けられないとされているものの、上限はないため何歳になっても受けることができます。
しかし、高齢になると治療を受ける際のリスクが大きくなってしまうため、高齢者になると受けづらくなるでしょう。
高齢者はインプラント治療が可能かどうか、解説します。
高齢者のインプラント治療で注意する点
高齢者になってからインプラント治療を受けようと思えば、いくつかのリスクがあるため、リスクへの対策も講じる必要があるでしょう。
まず、インプラント治療には外科治療が伴うのですが、手術には年齢に関係なく感染リスクが伴います。
対策は歯科医院が行うもので、衛生管理を厳格に行い、感染予防対策を徹底的に講じて患者の安全性を優先して考えているのです。
また、高齢者は治療後にも回復が遅れることがあるというリスクがあり、特に埋入されたインプラントが骨と癒合するまでの期間が長引いてしまうリスクがあります。
癒合するまでの期間が長くなるとトラブルが起こる可能性も高くなるため、状態を細かく観察して、必要なら追加の治療なども行う必要があるでしょう。
高齢になると、骨密度が低下することも多いため、インプラントを埋入してもなかなか固定できないケースがあります。
骨密度が不足していたり、顎の骨がやせてしまったりしている場合などは、骨造成という治療を受けて骨の量を増やす必要があるでしょう。
骨が少なければインプラント治療ができないので、成功率を高めるためにも十分な量の骨を確保しましょう。
持病があると、インプラントの手術を受ける際にリスクが高くなるケースがあり、特に糖尿病や心臓病を患っている場合は注意が必要です。
手術の際に出血が増えるリスクが高くなり、手術を終えても回復期間が長引くなどの影響が表れてしまいます。
治療を受ける前に健康状態をしっかりとチェックして、注意が必要な点があればかかりつけの医師や他の医師と連携しつつ、安全性を重視して治療計画を考えるのです。
インプラントは、骨と上手く癒合しなければ無駄になってしまうというリスクがあり、返品することはできません。
癒合しない原因には、骨密度の不足や手術後の回復の遅れ、持病などがあり、実際に治療を受けてからでは治療をしても間に合わないでしょう。
インプラント治療の成功率を高めるには、手術前に綿密な計画を立てて実行し、手術を終えた後は適切にフォローしなくてはいけません。
高齢者がインプラント治療を受けるメリット
高齢者は、インプラント治療を受けるにあたって多くのリスクがあるのですが、以降の生活を考えると治療を受けることには大きなメリットがあるのです。
メリットとして、まずは食事の質が向上するという点があり、インプラントになると硬いものも気にせず食べられるようになります。
入れ歯やブリッジは噛む力が弱くなるため、肉よりも魚、野菜は柔らかく煮たものなど、食生活に制限がかかってしまうことも多いのです。
しかし、しっかりと噛むことができるようになれば、栄養価が高い物を食べてバランスのいい食事ができるようになります。
噛む力が弱ければ、大きな塊のまま飲み込んで胃腸に負担がかかることもあるのですが、インプラントになればしっかりと噛むことができ、質も改善されるのです。
インプラントは見た目が天然歯に近いセラミックでできているため、気にせず笑顔になることができ、日常を明るく過ごすことができます。
他の人とも積極的に交流できるようになり、交流の輪が広がって気持ちの面での満足度も高くなるでしょう。
歯を失っていると、はっきりと発音できなくなってしまい他の人と話すのに遠慮が生まれることがあります。
歯を補うことでハッキリと発音できるようになるため、円滑にコミュニケーションをとることができるようになるでしょう。
噛み合わせが良好であれば、食べ物をしっかりと噛んで消化しやすくなり、栄養を吸収しやすくなります。
口内の健康状態も改善されるため、口から全身に影響を及ぼすことが少なくなり、健康を保つことにもつながるでしょう。
高齢になるとインプラント治療を受けるリスクが高いため、治療を躊躇してしまう人も多いのですが、治療を受けることで以降の生活の質が向上します。
きちんと対策をしたうえで治療をすることで、リスクは最小限に抑えることができるため、まずは相談してみてはいかがでしょうか?
まとめ
インプラント治療を受ける年齢に上限はないため、高齢になっても治療を受けることはできますが、リスクが高くなってしまいます。
骨の量が足りなくなって治療が難しくなったり、持病があると治療の妨げになってしまったりするのですが、しっかりと対策をすればリスクも最小限にできるでしょう。
インプラント治療を受けることで高齢者には大きなメリットがあるため、リスクに対する対策ができるのか、まず相談してみましょう。