世の中には、普段積極的に自炊を行っている方もいれば、ほとんど自炊をせず外食で過ごしているという方もいます。
自炊は外食よりもコストを節約しやすい上に、虫歯予防の観点から見ても、ある程度良い影響を与えるケースがあります。
今回は、自炊による虫歯予防のメリット・デメリットについて解説します。
自炊による虫歯予防のメリット3選
自炊をすることによる虫歯予防のメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。
・糖質の摂取量をコントロールできる
・咀嚼回数を増やせる
・ダラダラ食べを予防しやすい
各メリットについて詳しく説明します。
糖質の摂取量をコントロールできる
虫歯の最大の原因は、口腔内の細菌が糖分を分解して生成する酸です。
市販の加工食品や外食のメニューには、消費者の満足度を高めるために、想像以上に多くの砂糖や果糖ブドウ糖液糖が使用されています。
自炊の最大のメリットは、これらの隠れた糖質を徹底的に排除できる点にあります。
例えば煮物や照り焼きといった和食を作る際、市販のタレや惣菜では大量の砂糖が使われます。
一方自炊であればエリスリトールやキシリトールといった、虫歯菌のエサにならない代用甘味料に置き換えることが可能です。
これにより、食後の口腔内が酸性に傾く程度を最小限に抑え、歯の表面からミネラルが溶け出す脱灰を防ぐことができます。
咀嚼回数を増やせる
唾液は“天然の歯磨き液”と呼ばれるほど強力な虫歯予防効果を持っています。
唾液に含まれる成分は、酸性に傾いた口腔内を中和し、溶け出したミネラルを歯に戻す再石灰化を助けます。
この唾液を分泌させるもっとも効率的な方法が“よく噛むこと”です。
現代の市販食品は、効率化や嗜好性の観点から柔らかく調理された軟食が中心ですが、自炊であれば咀嚼回数を増やす工夫が自由自在です。
例えば、ゴボウやレンコンといった食物繊維の豊富な根菜類をメニューに加えたり、肉や野菜をあえて大きめにカットして調理したりすることで、噛む回数を増やすことができます。
また玄米や雑穀米など、精製度の低い穀物を選ぶことも自炊ならではの利点です。
これらは白米に比べて噛み応えがあるだけでなく、ビタミンやミネラルも豊富で、歯周組織の健康維持にも寄与します。
ダラダラ食べを予防しやすい
虫歯の発生リスクは“何を食べるか”と同じくらい“いつ食べるか”に左右されます。
食事や間食の回数が多い、あるいは長時間にわたって食べ続ける“ダラダラ食べ”は、口腔内を常に酸性の状態にし、歯が修復される時間を奪います。
自炊を習慣化することは、一日の生活リズムを整えることに直結し、結果としてこの悪習慣を打破するきっかけになります。
自炊を前提とした生活では、買い出しや下準備、調理といった工程がスケジュールに組み込まれるため、食事の時間が明確に固定されやすくなります。
これにより、空腹を紛らわすための無意識な間食や、甘い清涼飲料水への依存が自然と抑えられます。
さらに、自炊した食事は満足感が高いため、食後のデザートを欲する欲求も抑制されやすい傾向にあります。
自炊による虫歯予防のデメリット3選
一方、自炊による虫歯予防には以下のようなデメリットもあります。
・ブラッシングまでのタイムラグ
・味付けの偏り
・心理的ストレス
各デメリットについて詳しく説明します。
ブラッシングまでのタイムラグ
自炊は食材の調達から調理、盛り付け、そして食後の後片付けに至るまで、多大な時間とエネルギーを消費します。
この工程の多さが、虫歯予防の最後の砦である就寝前の丁寧なセルフケアを脅かす要因となります。
特に仕事や学業で疲れ果てて帰宅した際、一生懸命に自炊をして食事を済ませた後、山のような洗い物を前にして力尽きてしまうケースは少なくありません。
食器を洗っているうちに睡魔に襲われ、肝心の歯磨きやフロスがおろそかになったり、最悪の場合磨かずに寝てしまったりというリスクが生じます。
睡眠中は唾液の分泌量が極端に減少するため、口の中の細菌がもっとも活発に活動し、歯を溶かす時間帯です。
自炊による疲労が原因で、一日の最後に最も重要な口腔ケアを怠ってしまうことは、食事内容で糖質を抑えたメリットを相殺するどころか、大きなマイナス要因となり得ます。
味付けの偏り
個人の好みや特定の健康法に偏った自炊メニューは、時に酸蝕症の原因となります。
これは虫歯菌ではなく、飲食物に含まれる酸によって直接歯のエナメル質が溶かされる症状です。
例えば、康意識が高い人が自炊で積極的に取り入れがちな自家製ドレッシング、スムージー、健康のために飲む黒酢などは、口腔内を非常に強い酸性に傾けます。
特にちびちびと時間をかけて飲んだり、毎食後に摂取したりする習慣は、歯の表面を柔らかくし、摩耗しやすくします。
また、自炊では味付けが濃くなりがちな点も注意が必要です。
塩分やスパイスが強い料理は、喉や口内を乾かせます。
心理的ストレス
完璧な虫歯予防を目指して、砂糖を一切使わない、あるいは特定の食材のみを使い続けるといったストイックな自炊を追求しすぎると、心理的なストレスが蓄積します。
食事は本来、楽しみやリラックスの時間であるべきですが、それが制限や義務に変わると、精神的な疲弊を招きます。
このストレスが臨界点を超えると、反動として高糖質な菓子パンやスイーツ、スナック菓子などを一気に食べてしまうドカ食いや、夜食の習慣を誘発するおそれがあります。
まとめ
虫歯予防のために自炊を行うべきなのかというと、実のところイエスともノーとも言いにくいというのが正しいです。
やはり自炊をしている方でも、作り方や食べ方などが不適切だと、虫歯を発症するリスクは高まります。
逆に、外食中心の方でも食べる内容やブラッシングなどを徹底していれば、十分に虫歯のリスクは抑えられます。