虫歯予防を行う際は、歯磨き粉やマウスウォッシュといったデンタルケア製品について、慎重に選ばなければいけません。
またこれらの製品を購入する際は、成分表を確認し、どのような虫歯予防成分が含まれているのかを確認することが望ましいです。
今回は、注目すべき虫歯予防成分をいくつか紹介します。
注目すべき虫歯予防成分15選
以下の成分は、歯磨き粉などを購入する際、含まれているかどうか確認すべきだと言えます。
・フッ素
・薬用ハイドロキシアパタイト
・リン酸カルシウム
・塩化セチルピリジニウム
・イソプロピルメチルフェノール
・トリクロサン
・キシリトール
・エリスリトール
・L8020乳酸菌
・緑茶カテキン
・プロポリス
・重曹
・ポリアスパラギン酸ナトリウム
・リンゴ酸、クエン酸、
・グルコシルトランスフェラーゼ阻害物質
各項目について詳しく説明します。
フッ素
フッ素はもっとも一般的で効果的な虫歯予防成分です。
歯のエナメル質に取り込まれ、フルオロアパタイトを形成し、歯質を酸に溶けにくい強い構造にします。
また食事などによる脱灰で溶け出したカルシウムやリン酸を歯に戻す再石灰化を促進したり、虫歯菌の活動を抑制したりする役割もあります。
薬用ハイドロキシアパタイト
薬用ハイドロキシアパタイトは、歯の主成分と同じ成分です。
歯の表面の目に見えないミクロの傷を埋めて修復し、歯垢や着色汚れの付着を防いだり、初期虫歯の再石灰化を促進したりします。
フッ素とは異なるアプローチで歯を強化するため、併用も効果的とされています。
リン酸カルシウム
リン酸カルシウムは、カルシウムイオンとリン酸イオンが結合した化合物です。
歯の再石灰化に必要なミネラルを供給し、フッ素の効果を助ける働きも期待されます。
塩化セチルピリジニウム
塩化セチルピリジニウムは、口腔内の細菌を殺菌・抑制する効果がある成分です。
歯磨き粉やマウスウォッシュの多くに配合されています。
イソプロピルメチルフェノール
イソプロピルメチルフェノールは、プラーク内部に浸透し、虫歯菌をはじめとする細菌を殺菌する効果があります。
トリクロサン
トリクロサンは、フェノール系の抗菌剤の一種です。
歯磨き粉以外で言うと、石鹸や化粧品などにも使用されています。
またこちらは、虫歯菌を含む広範囲の細菌に対し抗菌作用を示します。
キシリトール
キシリトールは天然由来の甘味料で、虫歯菌が代謝しても酸を作らないため、虫歯の原因になりません。
こちらはガムなどの食品にも多く含まれています。
もちろん、果物など天然の食材から摂取することもできます。
エリスリトール
エリスリトールもキシリトール同様、虫歯菌に利用されにくい糖アルコールで、酸の生成を抑えます。
L8020乳酸菌
L8020乳酸菌は、虫歯菌や歯周病菌の発育を阻止する効果があることが発見された乳酸菌です。
主にタブレットやマウスウォッシュなどに使用されています。
緑茶カテキン
緑茶カテキンは、抗菌作用や抗酸化作用があり、虫歯菌の活動を抑制する効果が期待されます。
もちろん、こちらは緑茶を飲むことでも摂取可能です。
プロポリス
プロポリスは、ミツバチが植物の芽や樹皮から集めた樹脂に自身の分泌物を混ぜてつくる、粘り気のある天然物質です。
こちらは天然の抗菌物質として知られ、虫歯菌や歯周病菌の増殖を抑える効果があります。
のど飴などの成分として使用されることもあります。
重曹
重曹は正式には炭酸水素ナトリウムというもので、弱アルカリ性の白い粉末です。
アルカリ性で酸を中和し、口腔内環境を虫歯になりにくい状態に整えます。
また、重曹には研磨剤としての一面もあります。
ポリアスパラギン酸ナトリウム
ポリアスパラギン酸ナトリウムは、アスパラギン酸というアミノ酸が重合した高分子化合物です。
保湿剤やヘアコンディショニング剤として、主に化粧品や医薬部外品に配合されています。
またポリアスパラギン酸ナトリウムは、カルシウムイオンと結合し、歯石の沈着を防ぐ効果が期待されます。
リンゴ酸、クエン酸
リンゴ酸とクエン酸は、どちらも果実などに含まれる有機酸です。
摂取することで、乳酸の分解や疲労回復に寄与します。
またこれらの成分自体は酸性ですが、唾液の分泌を促すことで、唾液本来の自浄作用や再石灰化作用を高める効果があります。
グルコシルトランスフェラーゼ阻害物質
グルコシルトランスフェラーゼは、口内のショ糖を基質とし、ネバネバした不溶性グルカンを生み出す成分です。
またこれらを阻害し、ネバネバした物質が歯に付着するのを防ぐのは、グルコシルトランスフェラーゼ阻害物質です。
主にポリフェノール類や植物抽出物(ナツメ葉など)、ペプチドなどが該当します。
まとめ
今後歯磨き粉やマウスウォッシュ、予防歯科用のガムやタブレットなどを購入する際は、前述した成分が含まれているかどうか確認しましょう。
含まれているものが多ければ多いほど、当然虫歯予防効果は高まります。
また前述したような成分は、食事から摂取できる可能性もあるため、虫歯予防をするにあたって食生活の改善は必須です。
