【川崎の歯医者で虫歯治療】虫歯が引き起こす蜂窩織炎とは?

虫歯は歯の痛みや変色、変形や穴の形成といった症状を伴うものです。
これらの症状については多くの方に知られていますが、虫歯から引き起こされる疾患に関しては、あまりご存知ではない方も多いかと思います。
今回は、虫歯が原因で発症する可能性のある蜂窩織炎という疾患について解説します。

蜂窩織炎の概要

蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌といった組織が皮膚や皮下の組織に侵入して起こる急性感染症です。

一般的には手足のキズや水虫、切り傷や火傷などにより、皮膚のバリア機能が壊れて細菌が侵入しやすくなることが主な原因です。

また免疫力の低下や、猫・犬といった動物に噛まれた際に発症することもあります。

一見そこまで虫歯と関係のなさそうな疾患ですが、実は虫歯が進行すると蜂窩織炎のリスクが高まります。

虫歯が蜂窩織炎につながる仕組み

虫歯には段階があり、初期段階ではそれほど症状がなく、中程度くらいから歯に痛みを感じるようになります。
これが重度にまで進行すると、歯の根の奥にまで感染が広がります。

またこの感染時には、細菌が顎の周囲や皮膚、皮下組織にまで波及することがあります。
つまり、虫歯菌は口内だけで活動する細菌ではないということです。

他の組織にまで虫歯菌が波及した場合、急性の化膿性炎症である蜂窩織炎を引き起こす可能性があります。

ちなみに、虫歯と蜂窩織炎の関係は、歯科業界では有名です。
虫歯や歯周病、抜歯後の感染などによって起こるため、歯性感染症というものの一つに数えられています。

蜂窩織炎のデメリット

虫歯が重度にまで悪化し、蜂窩織炎を発症してしまった場合、以下のようなデメリットにつながります。

・重症化のおそれがある
・再発の可能性がある
・後遺症の可能性がある

各デメリットについて詳しく説明します。

重症化のおそれがある

蜂窩織炎は、重症化する可能性のある疾患です。

一度発症すると、細菌が血流に乗って全身に広がり、臓器に機能不全を引き起こすことも考えられます。
このような状況は敗血症といって、命を落とす危険性もあります。

また皮膚や脂肪、筋膜にまで感染が広がった場合、壊死性筋膜炎を発症することもあります。
こちらは上記の各組織が急速に壊死する危険な疾患で、進行すると四肢の切断が必要になることもあります。

再発の可能性がある

虫歯によって発症した蜂窩織炎は、一度治っても再発する可能性があります。

また蜂窩織炎が繰り返し発生し、同じ部位のリンパ管が傷つくことで、組織が慢性的に腫れたままになることがあります。
こちらは、特に脚で見られることの多い症状です。

ちなみに水虫や肥満、静脈不全といった危険因子を持っている方は、蜂窩織炎を再発しやすいとされています。

後遺症の可能性がある

後遺症の可能性があることも、蜂窩織炎の大きなデメリットです。

先ほど少し触れたように、蜂窩織炎は繰り返し発生し、組織を慢性的に腫れさせてしまうことがあります。
こちらは慢性リンパ浮腫というもので、後遺症の一つとして挙げられます。

また蜂窩織炎の治療を行った後、一時的に皮膚が乾燥したり、硬く感じたりすることもああります。

蜂窩織炎の主な症状

蜂窩織炎の症状としては、患部の急激な赤みや痛み、熱感などが挙げられます。
赤みは虫刺されのように赤くブツブツが広がるケースや、急に紅斑が広がるケースなどがあります。

その他腫れやむくみなども現れるため、普段よく目にする部位であれば、発症していることにまったく気付かないということは考えにくいです。
腫れている場合は患部を中心に症状が出現し、太くなったり水ぶくれや点状出血が出たりすることもあります。

また発熱や悪寒、倦怠感など、風邪と似たような全身症状が現れるのも特徴です。
倦怠感を覚えるのは、身体が細菌が戦うことによって疲労しているからです。

口内に悪影響を及ぼすことも

虫歯を原因とする蜂窩織炎では、主に顔や首、口腔底といった部分に前述したような症状が出ます。

また口腔底にまで炎症が及んだ場合、舌が腫れて口を開けにくくなったり、物が飲み込みにくくなったり、言葉をうまく話せなくなったりすることも考えられます。

さらに炎症が喉の奥に進むと気道が狭くなり、呼吸困難を引き起こすこともあります。

虫歯の治療が遅れると、感染が広がって重症化するリスクが高まります。
虫歯も蜂窩織炎も、放置して治るようなものではないため、少しでも痛みや違和感があったらすぐに歯科クリニックを受診しましょう。

ちなみに症状が重い場合は、口腔外科の専門医が在籍する歯科クリニックでの治療が必要な場合もあります。

まとめ

蜂窩織炎はとても重い疾患であり、さまざまな身体の不調を引き起こすものです。
また蜂窩織炎を発症している場合、虫歯もかなり深刻な状態にまで発展していることがわかります。
そのため、虫歯を放置している方は、命の危険が訪れる前に勇気を出して歯科クリニックに通院しましょう。
もちろん、虫歯そのものを発症させないために、セルフケアやプロフェッショナルケアを怠らないのも大切です。

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