虫歯は非常に厄介な疾患です。
こちらは口内の痛みなどにとどまらず、全身疾患を引き起こす可能性がるからです。
そのため、現時点で虫歯を治療せず放置している方などは、早急に歯科クリニックに通院することをおすすめします。
今回は、虫歯と全身症状に関することをあれこれ解説します。
虫歯と全身症状の関係は?
虫歯を放置すると、虫歯菌が血流に入り込み、全身のさまざまな臓器に運ばれて悪影響を及ぼすことがあります。
なぜ虫歯菌が全身に広がる?
虫歯が進行すると歯茎や歯の根の組織が破壊され、血管が露出します。
そこから、細菌が容易に血流に侵入します。
虫歯が原因の全身疾患にはどのようなものがある?
虫歯はさまざまな全身疾患を引き起こします。
例えば肺炎、副鼻腔炎、顎骨骨髄炎などのリスクが高まります。
また心筋梗塞や脳梗塞、感染性心内膜炎敗血症など、命の危険がある疾患につながることもあります。
虫歯菌と歯周病菌、どちらが全身への影響が大きい?
虫歯菌と歯周病菌は、どちらも全身への影響があります。
一般的に、成人の約8割がかかっているとされる歯周病の方が、慢性的な炎症という点で全身疾患との関連が強く研究されています。
虫歯と心臓病の関係は?
虫歯菌が心臓の弁に付着し、感染性心内膜炎という重篤な心臓病を引き起こす可能性があります。
虫歯と脳卒中の関係は?
虫歯菌が血流に乗って脳の血管に到達すると、血栓の形成を促進し、脳梗塞などを引き起こすリスクを高めることが示唆されています。
虫歯と糖尿病の関係は?
虫歯と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼします。
糖尿病患者の方は虫歯や歯周病になりやすく、逆に口腔内の炎症を治療することで、血糖コントロールが改善されることがあります。
虫歯と肺炎の関係は?
特に高齢の方や免疫力が低下している方の場合、虫歯菌などの口腔内細菌が誤嚥によって肺に入り、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。
誤嚥性肺炎は、高齢の方の死亡理由として上位にランキングする疾患です。
虫歯が原因で頭痛や肩こりは起こる?
虫歯による痛みを避けるために無意識に噛み合わせが変わると、顎関節症やそれに伴う頭痛や肩こり、めまいなどの慢性的な体調不良を引き起こすことがあります。
虫歯は妊娠に影響する?
虫歯や歯周病は、早産や低体重児出産の合併症リスクを高めることが知られています。
しかし、妊娠中は歯科クリニックで行える治療が制限されるため、いかに妊娠中の虫歯を予防するかがポイントになります。
虫歯で発熱することはある?
虫歯が神経まで達して炎症が広がると、歯茎や顎の骨に膿がたまり、腫れや発熱などの全身症状が出ることがあります。
虫歯と副鼻腔炎の関係は?
上顎の奥歯の虫歯が進行すると、歯の根の先と副鼻腔が近いため、炎症が波及して副鼻腔炎を引き起こすことがあります。
こちらは歯性上顎洞炎とも呼ばれるものです。
虫歯が引き起こす顎骨骨髄炎とは?
虫歯が引き起こす顎骨骨髄炎は、虫歯菌が顎の骨にまで感染して起こる炎症です。
骨の破壊や変形、重症化すると敗血症を引き起こす危険な病気です。
虫歯を治療すれば全身への影響はなくなる?
適切な治療によって原因となる細菌や炎症を取り除けば、全身疾患のリスクは軽減されます。
ただし、破壊された組織は元に戻らない場合もあります。
どのような虫歯が全身症状を引き起こしやすい?
長期間放置され、歯の神経や根の周りの骨にまで炎症が及んでいる重度の虫歯は特に危険です。
このような虫歯は、命を脅かすような重篤な疾患のリスクも高いです。
虫歯と全身症状を引き起こしやすい年齢は?
虫歯とそれに伴う全身症状のリスクは、30代で急激に上昇します。
これは仕事や育児のストレス、生活習慣の変化(不規則な食生活、間食の増加)、歯科クリニックの定期検診の受診機会減少などが背景にあります。
虫歯を早めに治すことのメリットは?
症状が軽いうちに治療すれば、治療回数も費用も抑えられます。
逆に放置して全身の病気になると、さらに高額な医療費がかかる可能性があります。
虫歯治療の場合、多くの治療は保険適用で受けられるため、安心してください。
虫歯は自然に治癒する?
エナメル質の初期虫歯であれば、フッ素塗布や丁寧なケアで再石灰化が期待できます。
一方、穴が開いてしまった虫歯や、全身症状を併発しているような虫歯は、残念ながら自然には治りません。
必ず歯科クリニックでの治療が必要です。
虫歯と全身症状を防ぐためにできることは?
虫歯と全身症状を防ぐためには、毎日の丁寧なブラッシングやデンタルフロス、歯間ブラシの使用、バランスの取れた食生活、間食を減らすことなどが効果的です。
まとめ
虫歯の本当の恐怖は、歯に強い痛みが出ることや、歯科クリニックで歯を削らなければいけないことなどではありません。
虫歯菌が全身に広がり、全身症状が出ることや、おそろしい疾患に悩まされることです。
現在虫歯を放置していて、特に全身症状が出ていない方でも、症状が出るのは時間の問題です。
そのため、口内の症状で済んでいる間に歯科クリニックを訪れることを強くおすすめします。
