これは誰しもに言えることですが、虫歯を発症すると確実に生活の質は低下します。
なぜなら、痛みなどの症状によって集中力が途切れたり、十分な睡眠を取れなかったりするからです。
また職業によっては、さらに虫歯の影響を受けやすくなることも考えられます。
今回は、虫歯の影響を受けやすい職業をいくつか紹介します。
虫歯の影響を受けやすい職業6選
以下の職業に就く方は、虫歯の影響を特に受けやすく、発症している場合は早急に治療すべきだと言えます。
・パイロット
・宇宙飛行士
・潜水士
・医療従事者
・料理人
・ドライバー
各項目について詳しく説明します。
パイロット
虫歯の影響を受けやすい代表的な職業の一つに、パイロットが挙げられます。
パイロットは、飛行機や貨物機、ヘリコプターなどの航空機を操縦する専門職です。
一般的には、飛行機の操縦士を指すことが多いです。
またパイロットは、虫歯を発症していると痛みがかなり強くなることがあります。
飛行機は上空で気圧が低下するため、虫歯があると歯の内部にできた空洞の空気が膨張し、歯の神経を刺激して激しい痛みを引き起こします。
こちらは航空性歯痛と呼ばれるものです。
もし航空性歯痛が起こったら、パイロットの集中力が低下し、判断ミスを招いて重大な事故につながるかもしれません。
その場合、もちろん乗客の命も危険にさらすことになります。
ちなみに、パイロットは航空法において“口腔および歯牙に航空業務に支障をきたすおそれのある疾患または機能障害がないこと”が求められています。
つまり、そもそも虫歯を発症している時点で、パイロットの仕事はできないということです。
宇宙飛行士
宇宙飛行士も、虫歯の影響を受けやすい職業だと言えます。
宇宙飛行士は、宇宙船や国際宇宙ステーションに搭乗し、宇宙空間での実験や観測、ISSの保守や修理、船外活動などを行う職業です。
地上では宇宙飛行士のサポート、実験装置の開発、そして宇宙活動の魅力を伝える役割も担います。
非常にスケールの大きい職業ですが、宇宙飛行士もパイロットと同じように虫歯の影響を大きく受けます。
宇宙服の中は減圧されているため、虫歯の空洞があると内部の空気が膨張し、歯を内側から圧迫して激しい痛みを引き起こす可能性があります。
また宇宙空間では、歯を削るなどの治療ができる設備がなく、水分や削った粉が飛び散るため、治療は極めて困難です。
そのため、宇宙飛行士は打ち上げ前に必ず歯科クリニックを訪れ、外れそうな詰め物や進行しそうな虫歯がないかを確認しなければいけません。
潜水士
潜水士は、潜水機を身に付けての水中での工事や調査、災害救助や船舶の修理などを行う職業です。
こちらの職業に就くには、国家資格である潜水士免許が必要です。
また潜水士は立派な職業ではありますが、こちらも虫歯の影響を受けやすいです。
潜水士は水の深いところに潜ることも多いですが、潜降時には水圧の上昇により、虫歯の部分にある空洞内の空気が圧縮され、歯の神経を刺激して痛みが出ます。
仕組みとしては、航空性歯痛とほぼ同じです。
また潜水士は、水中でレギュレーターという装置を使用します。
レギュレーターは、水中のタンクに入った圧縮空気を、ダイバーが呼吸できる圧力まで減圧する装置です。
こちらがないと水中で息ができませんが、虫歯の痛みがある場合はレギュレーターをしっかり咥えられず、口が緩んで水が入ってくる可能性があります。
医療従事者
医療従事者の方は、慢性的な人手不足の環境で働いていることが多いです。
これによる疲労から、口腔ケアの頻度が低下したり、食事が不規則になったりする傾向があります。
そのため、虫歯を発症している場合は悪化しやすくなります。
ちなみにここでいう医療従事者には、介護士なども含まれます。
料理人
料理人の方も、虫歯の影響を受けやすい傾向にあります。
料理人は普段試食をする機会が多く、常に口内が酸性に傾いている可能性があります。
酸性の口内は、虫歯菌が活発に動いてしまうため、虫歯のリスクを高めますし、すでに発症している虫歯も痛みやすくなります。
ドライバー
虫歯の影響を受けやすい職業としては、ドライバーも挙げられます。
ここでいうドライバーには、トラックなどの長距離ドライバー、タクシードライバーなどが含まれます。
これらの職業に就いている方は、長時間の運転や拘束時間により、食事が不規則になりやすく、口腔ケアの時間も不足しやすいです。
またパイロットのように制限はありませんが、虫歯が痛む場合の長距離運転は非常に危険であり、事故につながる可能性が高いです。
まとめ
職業によって、虫歯の影響を受けやすいかどうかは変わってきます。
しかし、前述した職業に該当しないからといって、治療を受けなくても良いと考えるのは間違っています。
たとえどのような職業であっても、少なからず影響を及ぼすのが虫歯です。
また虫歯は放置していても基本的には治らないため、取り返しのつかないことになる前に、早い段階で治療を受けるのが鉄則です。