虫歯があるにもかかわらず、なかなか通院する気が起きないという方の中には、「痛みが怖い」という方もいるかと思います。
つまり治療の痛みについてわからないことが多く、腰が上がらないということです。
今回はそのような方に向けて、虫歯治療で痛みを感じるタイミングを中心に解説します。
虫歯治療で痛みを感じるタイミング3選
虫歯治療は、患者さんの負担が軽減されるよう、最大限に配慮されています。
しかし、一切痛みがないのかというと、残念ながらそういうわけではありません。
特に以下のタイミングでは、虫歯の痛みが出やすくなることがあります。
・歯を削るとき
・麻酔が効きにくいとき
・虫歯治療後
各項目について詳しく説明します。
歯を削るとき
人によってもちろん個人差はありますが、虫歯治療の痛みが出やすいのは、やはり歯を削るときです。
天然歯の歯冠や表面に近い部分については、神経が近くないため、削ってもほとんど痛みは出ません。
逆に虫歯が神経に近づいている場合、削るときの振動や刺激が神経に伝わりやすく、痛みが出やすくなることがあります。
虫歯治療に使用するタービンという器具は、超高速回転をしながら歯を削っていくものです。
硬い器具と硬い歯が高速で擦れ合うことにより、少しずつ歯は削られますが、このとき歯にかかる負担は決して小さくありません。
その負担は、器具と歯の摩擦により、歯の温度が熱くなるほどです。
ちなみに、タービンによって歯が高温になるという問題は、治療中に口内を水で冷やすことによって改善されています。
麻酔が効きにくいとき
虫歯治療が苦手な患者さんにとって、痛みを軽減できる麻酔はとてもありがたいものだと思います。
しかし、麻酔をしているからといって100%痛みを感じないというわけではありません。
世の中には、人より痛みを感じやすい方が大勢います。
このようなケースでは、麻酔が効きにくく、治療中の痛みが強くなってしまうことがあります。
また虫歯の進行具合によっても、麻酔が効くかどうかは変わってきます。
虫歯の症状がひどいと、歯茎など歯周組織の炎症も強くなります。
もちろん歯の内部の侵蝕具合も重度になっているため、麻酔を使用していても痛みが上回ることがあります。
虫歯治療後
虫歯治療中の痛みさえ乗り切れば問題ないと考えている方もいるかもしれませんが、実際は虫歯治療が完了した後のタイミングで痛みが出ることもあります。
虫歯治療を受けてから数日間は、歯がいつもより敏感になっています。
そのため、冷たいものや熱いものがしみる知覚過敏の症状が出やすくなります。
また知覚過敏の症状は、単純に歯と歯が噛み合ったときにも見られることがあります。
さらにブラッシングなど、口内に刺激が加わる行動については、すべて知覚過敏の症状を引き起こす可能性があります。
虫歯治療の痛みを軽減させる方法
上記のような虫歯治療の痛みを軽減させるには、以下の対策が必要です。
・虫歯を悪化させない
・麻酔をしっかり効かせる
・刺激の強い食べ物を避ける
各項目について詳しく説明します。
虫歯を悪化させない
治療の痛みを感じにくくするには、とにかく虫歯を悪化させる前に歯科クリニックに通うことが大切です。
例えばまだ初期段階の虫歯の場合、歯を削らなくても治療できます。
初期虫歯はわずかに変色が見られる程度であるため、きちんとブラッシングで対応すれば完治します。
また穴が開いた虫歯であっても、そこまで重度でなければ、治療時に神経にまで振動や刺激が届きにくくなります。
麻酔をしっかり効かせる
虫歯治療を行うにあたって、麻酔があまり効いていないというのは重大な問題です。
そのため、自覚がある患者さんの場合、前もって麻酔が効きにくいことを歯科医師に伝えておきましょう。
また自覚がない方は、治療を開始した後でも構わないため、遠慮なく痛みがあることを伝えるべきです。
歯科クリニックは、患者さんの多くが虫歯治療の痛みをおそれていることを熟知しています。
このように要望を伝えれば、麻酔を追加したり、炎症を抑える処置を優先したりといった対策を取ってくれます。
刺激の強い食べ物を避ける
虫歯治療を受けた後の痛みについては、数日間安静にしていれば自然になくなります。
しかし辛いものや酸っぱいもの、熱いものや冷たいものといった刺激の強いものを食べると、症状が長引いてしまうことが考えられます。
ちなみに虫歯治療後安静にしていたにもかかわらず、いつまで経っても痛むという場合、詰め物の高さが合っていないなどの問題が疑われます。
そのため、早急に歯科クリニックに相談しましょう。
まとめ
結論からいうと、虫歯治療を受けることで、トラウマになってしまうほど強い痛みが出る可能性は低いです。
しかし、前述の通り痛みが出やすいタイミングというものは確かに存在し、人によってはそれが強い痛みに感じるかもしれません。
かといって虫歯を発症している以上、治療を受けないわけにはいかないため、患者さん自身で痛みを軽減できるよう対策を取るのも大切です。