虫歯治療は決して危険なものではありませんが、恐怖心や不安を抱く方はとても多いです。
そのため、前もって多くの方が抱える虫歯治療の悩みや注意点などについて把握しておき、対策を取っておくことが望ましいです。
今回は、特に知っておくべき悩みとその対策を解説します。
虫歯治療の意外な悩みとその対策4選
虫歯治療中は、以下のようなことに悩まされるケースがあります。
・治療後の舌の置き場所
・スタッフへの気遣い
・会計時のトラブル
・治療後の油断
各項目について詳しく説明します。
治療後の舌の置き場所
詰め物や被せ物が入ると、口の中の形状は数ミクロン単位で変化します。
人間の舌は非常に敏感な感覚器であり、髪の毛一本分の違和感も察知するため、このわずかな形状の変化が舌の置き場所の喪失という奇妙な悩みを生み出します。
それまで無意識に舌を置いていたスペースに新しい構造物が現れることで、舌が常にその場所に触れてしまい、気になって仕方がなくなるのです。
この違和感は、集中力を著しく低下させます。
無意識に舌で詰め物のエッジをなぞってしまったり、噛み合わせの感触を確かめてしまったりすることで、舌の側面に歯型がついたり、舌に炎症ができたりすることもあります。
この悩みを解消するためには、まず脳が形状を認識するまでには1〜2週間かかるという事実を知り、焦らずに見守ることが大切です。
この期間、無意識に舌で触ってしまうのを防ぐために、キシリトールガムを噛むなどして、顎と舌をリズミカルに動かす練習をすると、新しい形状に早く馴染むことがあります。
スタッフへの気遣い
歯科治療は歯科医師一人で行うことは稀で、多くの場合、スタッフがサポートに入ります。
この現場で、患者さん側がスタッフ間の空気感を読みすぎてしまい、精神的に疲弊するという意外な悩みがあります。
例えば先生が助手に対して厳しい指示を出していたり、連携がスムーズでなかったりすると、口を開けたままの患者さんは「自分のせいかも」と不必要な罪悪感を抱いてしまいます。
また水が顔に飛んできても「一生懸命やってくれているから文句を言うのは失礼かな」と遠慮してしまい、苦しさを我慢し続けてしまうこともあります。
リラックスすべき治療台の上で、周囲のスタッフに嫌われないように良い患者さんを演じ続けることは、肉体的な痛み以上にエネルギーを消耗させる作業です。
こうした精神的負担を減らすには、歯科治療をプロフェッショナルの業務と割り切る心理的スタンスが重要です。
スタッフ間の厳格なやり取りは安全管理の一環であり、患者さんの責任ではありません。
もし医院の雰囲気がどうしても落ち着かないと感じるなら、カウンセリングに時間をかける担当衛生士制の歯科クリニックを選ぶのがおすすめです。
一人の担当者と深い信頼関係を築ければ、周囲の雑音を気にせず治療に集中できるようになります。
会計時のトラブル
虫歯治療の隠れた悩みは、実は診察室を出た後の受付にあります。
麻酔がしっかり効いていると、唇の感覚が完全に麻痺し、自分の意思で口角を動かすことができなくなります。
この状態で待ち構えているのが、会計と次回の予約相談です。
自分では普通に話しているつもりでも、言葉が漏れてフガフガとした不明瞭な発音になり、受付の方に聞き返されることに強い羞恥心を感じます。
また顔半分が垂れ下がったような表情になっているため、対面で接する際に「変な顔に見られていないか」という自意識過剰な不安に襲われます。
この屈辱的な状況をスマートに回避するには、非対面・非音声のコミュニケーションを積極的に活用しましょう。
あらかじめスマホのメモ帳に「麻酔が効いていて喋りにくいので、予約はネットで取ります」と書いておき、受付で見せるだけで、精神的なハードルは一気に下がります。
またキャッシュレス決済を導入している医院を選べば、麻痺した指先で小銭を扱うもどかしさもありません。
治療後の油断
無事に治療が終わり、痛みから解放されたはずが、今度は「他の歯は本当に大丈夫なのか」という疑心暗鬼に陥ることがあります。
一度虫歯の痛みや治療の苦痛を経験すると、口腔内の感覚が異常に過敏になります。
場合よっては冷たい水がわずかにしみる感覚や、古い詰め物の変色がすべて新たな虫歯のサインに感じてしまい、必要以上に口内をチェックしてしまいます。
わかりやすく言うと、治ったはずなのに心は常に次の虫歯を恐れているという、終わりのない精神的束縛です。
これを“歯科ノイローゼ”と呼ぶこともあり、大好きな甘いものを食べる際にも罪悪感が先立ち、心から食事を楽しめなくなってしまうという深刻な生活の質の低下を招きます。
この不安から解放されるには、主観的な疑いを客観的なデータで上書きする習慣をつけることが重要です。
定期検診でレントゲンや染め出し検査を行い、プロの目で“今は異常がない”という確証をもらうサイクルを確立しましょう。
不安を歯科医師に打ち明け、予防プログラムをしっかり組んでもらうことで、判断の責任を自分からプロへと委ねることが大切です。
そして“自分で口の状態をチェックするのは1日1回、ブラッシング時のみ”とルールを決めます。
まとめ
虫歯治療には、あまり知られていない悩みや注意点が数多くあります。
しかし、実際受けてみないとわからない悩みについては、対策のしようがありません。
そのため、本記事で解説したような内容については、虫歯治療が苦手な方は特に知っておくことをおすすめします。
そうすれば、虫歯治療に対する恐怖心や不安はある程度解消されます。