普段嗜好品として、よくコーヒーを飲むという方は多いかと思います。
一方、コーヒーの苦味が苦手な方は、紅茶を飲んでリラックスするというケースもあるでしょう。
では紅茶と虫歯予防、または虫歯の発症には、一体どのような関係性があるのでしょうか?
今回はこちらの点について解説したいと思います。
紅茶における虫歯予防効果3選
紅茶を習慣的に飲むことにより、以下のような虫歯予防効果が期待できます。
・フッ素の働き
・ポリフェノールの働き
・殺菌作用
各項目について詳しく説明します。
フッ素の働き
紅茶にはフッ素が含まれていて、こちらが虫歯予防効果を発揮してくれます。
具体的には、歯の表面にある硬い層であるエナメル質を強くし、虫歯菌に侵食されにくい歯を形成します。
また食事などによって歯の成分が溶け出してしまうことを脱灰といいますが、フッ素にはこちらを元に戻す再石灰化の促進作用があります。
そのため、摂取することで、完全に歯が溶ける前に元に戻してくれます。
ポリフェノールの働き
紅茶に含まれるポリフェノールも、虫歯予防効果を持っている成分です。
ポリフェノールは、植物が生成する成分の総称で、紅茶以外にもワインなどに含まれています。
また紅茶に含まれるテアフラビン、テアルビジンといったポリフェノールには抗菌作用があり、虫歯菌の増殖抑制やプラークの形成抑制につながります。
プラークは口内に残存するとやがて歯石に変わり、ブラッシングでは取り除けなくなるため、未然に形成を抑えることが求められます。
殺菌作用
殺菌作用があることも、紅茶が虫歯予防に効果的な理由です。
先ほど紅茶にはポリフェノールが含まれているという話をしましたが、その一つにタンニンがあります。
タンニンは、植物が自身を守るために生成する渋み成分です。
またタンニンには殺菌作用があり、虫歯菌や歯周病菌など、口内の疾患を引き起こす細菌の増殖を抑えてくれます。
紅茶が虫歯のリスクを高める原因
紅茶にはさまざまな虫歯予防成分が含まれていますが、以下の理由により逆に虫歯のリスクを高めてしまうことも考えられます。
・糖分の添加
・酸性であること
各項目について詳しく説明します。
糖分の添加
紅茶が虫歯を発症しやすくさせる原因としては、まず糖分の添加が挙げられます。
紅茶はコーヒーなどと同じように、飲むときに砂糖が入れられることがあります。
砂糖は虫歯菌の大好物であるため、摂取することで細菌の活動が活発になり、酸が生成されて歯が溶けやすくなります。
また紅茶にミルクを入れてミルクティーにする方もいますが、このときは砂糖とミルクが添加されます。
ミルクそのものはそこまで甘いものではありませんが、糖分を含んでいるため、より虫歯のリスクを高めてしまいます。
酸性であること
紅茶が酸性の飲み物であることも、虫歯のリスクを高める原因です。
紅茶はタンニンや有機酸などを含むことから、一般的にpH4.9~5.5程度の弱酸性であることが多いです。
人の歯は、pH5.5を下回ると溶け始めるため、紅茶を頻繁に飲みすぎると徐々に歯のエナメル質が溶けていきます。
このような症状は酸蝕症と呼ばれるもので、酸蝕症が進行した場合、エナメル質が侵されて薄くなった部分については、虫歯菌が定着しやすくなります。
さらに酸蝕症によって歯が脆くなり、同時に虫歯菌の酸によって歯が溶けるという悪循環が生まれることもあります。
虫歯を予防するための紅茶の飲み方
紅茶の虫歯リスクを減らし、逆に虫歯予防効果を得るためには、まず無糖で飲むことが大切です。
具体的には、砂糖もミルクも一切含んでいないストレートティーがおすすめです。
これはもちろん、ホットで飲むときもアイスで飲むときも同じです。
またミルクティーは砂糖とミルクが入っているため、虫歯のリスクが高まりやすいという話をしました。
それだけでなく、レモンティーも酸性が強いため、できれば避けるのが無難です。
もしどうしても甘いミルクティー、レモンティーなどを飲みたいのであれば、そのときはアイスティーをストローで飲むようにしましょう。
ストローを深めにくわえ込み、歯に当たる部分を減らすように飲むことで、多少は虫歯のリスクが軽減されます。
さらに虫歯予防として紅茶を飲むのであれば、食後や就寝前がおすすめです。
なぜなら、このタイミングは虫歯菌が活発になる時間帯であり、紅茶が持つ虫歯予防効果が発揮されやすいからです。
ちなみに、紅茶には歯の着色を引き起こすというデメリットもあります。
虫歯予防だけでなく、口元の審美性もキープしたいというのであれば、紅茶を飲んだ後はすぐに水で口内をすすぐことが大切です。
まとめ
普段何気なく紅茶を飲んでいる方は、知らない間に虫歯予防効果を得ています。
逆に、いつの間にか虫歯のリスクを高めていることも考えられます。
もちろん、紅茶以外にも虫歯の原因になる飲食物は数多くありますが、まずは身近なものにどのようなメリット・デメリットがあるのかを把握することが大切です。
また問題がある飲み方をしている場合は、可能な限り改善しましょう。