虫歯を予防するために意識したいことは、ブラッシングだけでなく食事の食べ方にも注意しなければいけません。
ここでいう食べ方とは、主に1回の食事にかかる時間のことを指していて、いわゆる“ダラダラ食べ”と呼ばれるものは虫歯のリスクを高めます。
今回は、虫歯につながるダラダラ食べの原因を中心に解説します。
ダラダラ食べが虫歯につながりやすい理由
ダラダラ食べをしている方は、口内が酸性の時間が長くなります。
酸性の口内は、虫歯菌の働きを活発にしてしまい、歯が溶けやすくなる環境をつくります。
また唾液には酸を中和し、歯を修復する再石灰化の働きがありますが、ダラダラ食べをしているとそのスピードを超えてしまうため、歯が修復されない状態になります。
さらに、ダラダラ食べは口内に食べカスや糖分が残りやすくなり、プラークが増殖して酸の発生源をつくり出します。
ダラダラ食べをしてしまう原因6選
ダラダラ食べをしてしまう原因としては、主に以下のことが挙げられます。
・エモーショナルイーティング
・口さみしさ
・ながら食べ
・早食い
・朝食を抜く
・身体的な原因
各項目について詳しく説明します。
エモーショナルイーティング
ダラダラ食べの原因の一つに、エモーショナルイーティングと呼ばれるものがあります。
こちらは感情的摂食とも呼ばれるもので、空腹ではないにもかかわらずストレスや不安、孤独や退屈といった理由から食事を摂ってしまうことをいいます。
ストレス食い、やけ食いなどとも呼ばれます。
食べることによって一時的に感情的な苦痛を紛らわせたり、気分転換を図ったりすることができますが、根本的な問題は解決されません。
むしろ、過食による罪悪感や後悔の念が、さらなるエモーショナルイーティングを誘発する悪循環に陥ることも考えられます。
またエモーショナルイーティングに陥っている方は、心を満たすために食べるため、満腹になっても食欲が止まらないことがあります。
そのため、必然的にダラダラと長時間食事をしている時間が長くなり、虫歯を引き起こしやすくなります。
口さみしさ
先ほど解説したエモーショナルイーティングと少し似ていますが、口さみしさがダラダラ食べにつながることもあります。
そこまでストレスが溜まっていたり、不安を感じていたりしなくても、口がさみしくなるということはあります。
この場合も、お腹が空いているわけではないにもかかわらず、お菓子などを口に入れてしまいます。
またそこまでお腹が空いているわけではないため、食事が短時間で終わらず、無駄に時間をかけて食べてしまうケースが多く見られます。
ながら食べ
ダラダラ食べの原因として、現代人にとても多く見られるのがながら食べです。
ながら食べはテレビを見ながら、スマートフォンを見ながらなど、別のことに集中しながら食事をすることです。
特に一人暮らしの方などは、このような食べ方をしてしまいがちですが、こちらは食べた量や満腹感に意識が向きにくくなります。
その結果、無意識に食べすぎてしまい、食事時間も長くなってダラダラ食べや虫歯の発症につながります。
早食い
早食いとダラダラ食べは対極にあるように思えますが、実際は深い関係性があります。
食事のときよく噛まずに早食いをしてしまうと、満腹中枢が刺激される前に食べ終わってしまい、食べ足りないと感じやすくなります。
また血糖値の急上昇・急降下(血糖値スパイク)を招き、再び空腹感を覚えやすくなることにもつながります。
その結果、何度も食事を摂ってしまい、最終的にはそこまで空腹ではない状態でダラダラと食べてしまうことが考えられます。
朝食を抜く
普段朝食を抜く機会が多いという方は、ダラダラ食べをしやすくなるため、注意が必要です。
朝ある程度お腹を満たしていなければ、昼食時に強い空腹感を覚えてしまい、その反動で一気に昼食を食べすぎてしまうことがあります。
また昼食を摂る量が多ければ多いほど、口内が酸性に傾く時間は長くなります。
もちろん、昼食を抜いてしまったときも同様です。
夕食の時間の食事量が多くなり、ダラダラ食べや虫歯につながりやすくなります。
身体的な原因
睡眠不足に陥ると、食欲を増進させるグレリンというホルモンが増殖し、食欲を抑えるレプチンというホルモンが減少します。
そのため、食欲がコントロールしにくくなり、ダラダラ食べのリスクが高まります。
また女性の場合は月経前など、ホルモンバランスの乱れによって食欲が増し、ダラダラ食べをしやすくなることもあります。
ちなみに菓子パンや清涼飲料水など糖質の多いものを一気に食べると、早食いのときと同様に血糖値スパイクが起こりやすく、ダラダラ食べにつながりやすくなります。
まとめ
ダラダラ食べは、あらゆる原因で行ってしまうものであり、虫歯予防をするにあたっては特に注意しなければいけない習慣です。
もし周りに「食べるのが遅い」と言われたことがあるのであれば、一度食事の摂り方について見直してみましょう。
また一人暮らしの方は、ながら食べなど虫歯のリスクが高まる行動を控えるように努力してください。