世の中には、さまざまな辛いものがあります。
例えば中華料理や韓国料理、タイやインドなどのアジア料理には辛い料理が多いですし、日本食にも辛いものは存在します。
しかし、辛いものは口内環境にさまざまな悪影響を及ぼします。
今回はこちらの内容を中心に解説します。
辛いものが口内環境に与えるデメリット6選
辛いものばかり食べていると、口内環境には以下のようなデメリットを与えることになります。
・粘膜や歯茎の炎症
・味覚の機能低下
・虫歯、酸蝕症のリスク
・知覚過敏の悪化
・口内炎の発生
・口臭の悪化
各デメリットについて詳しく説明します。
粘膜や歯茎の炎症
辛いものばかりを頻繁に食べていると、口内の粘膜や歯茎の炎症を引き起こします。
こちらは主に、唐辛子に含まれる辛味成分であるカプサイシンの効果です。
口内の粘膜は敏感であり、辛いものが触れる機会が多いと、ヒリヒリとした痛みや炎症を引き起こす可能性が高まります。
特に元々歯周病などで歯茎に炎症がある場合、症状が悪化しやすくなるため、注意しなければいけません。
味覚の機能低下
辛いものを食べることにより、味覚の機能低下につながるケースもあります。
辛いものの過剰な摂取は、舌にある味を感じる器官である味蕾を傷つける可能性があります。
これにより、味覚の機能が低下し、味を感じにくくなることが考えられます。
また味を感じにくくなった場合、食事の美味しさが半減するだけでなく、塩分を摂りすぎてしまうリスクも高まります。
塩分の摂取量が多い場合、口内が乾きやすくなり、さらに口内環境は悪化します。
虫歯、酸蝕症のリスク
虫歯や酸蝕症のリスクが高まることも、辛いものを食べすぎることによる口内環境のデメリットです。
辛い料理の中には、お酢やトマト、タバスコなど酸性の調味料が含まれていることも多いです。
特にアジア料理の中には、辛みと酸味の両方が味わえるものが数多くあります。
これらの酸は、歯の表面のエナメル質を溶かす酸蝕症の原因となり、虫歯を悪化させるリスクを高めます。
また辛いものが原因で胃酸が逆流する逆流性食道炎が起こりやすい方は、口内が酸性に傾きやすくなります。
つまり、食べ物の酸が原因で起こる酸蝕症と同じようなことが起こりやすいと言えます。
知覚過敏の悪化
辛いものが口内環境に与えるデメリットとしては、知覚過敏の悪化も挙げられます。
知覚過敏は、口内の組織に冷たいものや熱いものなどが触れたとき、ズキッとした痛みを感じるようになる状態です。
場合によっては、ブラッシングによる刺激が知覚過敏の痛みを引き起こすこともあります。
また知覚過敏を発症する主な原因は、歯周病などで歯茎が下がることです。
歯周病によって歯茎が下がっている場合、象牙質という組織が露出します。
この部分に辛いものが触れると、非常に強い痛みを引き起こしたり、知覚過敏の症状を悪化させたりすることがあります。
口内炎の発生
辛いものを過剰に摂取することは、口内炎の発生にもつながります。
口内への強い刺激は口内の粘膜を傷つけるだけでなく、口内炎を形成する原因にもなります。
口内炎は、一度発症するとすぐに治るケースが少なく、主に食事のときに痛みを出現させます。
もちろん、すでに口内炎ができている場合、辛みによって痛みが強くなるため、辛いものは控えるべきです。
口臭の悪化
ニンニクやタマネギといった辛味成分のあるものを頻繁に食べると、口臭が悪化することも考えられます。
ニンニクやタマネギ、ネギなどに含まれるアリシンや硫黄化合物といった成分は、体内で分解されると悪臭を放つ揮発性有機化合物になります。
こちらは消化吸収され、血液に乗って肺に運ばれた後、息として排出されます。
そのため、必然的に口臭は強くなります。
ちなみに、加熱するとこれらの成分のニオイが緩和されることがありますが、体内に吸収されたニオイは食後数時間から半日以上続くことが考えられます。
つまり、食べるときのニオイを軽減できても、口内から発するニオイはなかなか軽減できないということです。
辛いものを食べるときのポイント
辛いものを食べる場合、適量を守ることが大切です。
唐辛子などの香辛料には食欲増進などのメリットがありますが、あくまで食べすぎないようにしましょう。
また辛いものを食べているときは、カプサイシンを洗い流すためにこまめな水分補給を心掛けましょう。
牛乳やヨーグルトなどの乳製品は、辛さを和らげるのに効果的です。
さらに、食後は丁寧なブラッシングを行い、口内の刺激物や細菌をキレイに除去することが望ましいです。
まとめ
辛いものが好きな方は、毎日のように唐辛子を摂取したり、味がわからなくなるくらい大量に香辛料をかけたりすることもあるかと思います。
しかし、これらは口内環境にとって良くない習慣であり、全身の健康を損なうことにもつながります。
もちろん一切食べない方が良いとまでは言いませんが、少しの刺激を楽しむ程度にしておかなければ、知らず知らずのうちに摂取量が増えるおそれがあります。