歯周病治療では、歯の隅々まで歯石を除去したり、ブラッシング指導を受けたりすることができます。
これにより、ある程度症状が進行している方であっても改善が見込めます。
では、歯周病治療を受けた方が良い方とは、どのような方を指すのでしょうか?
今回はこちらの点を中心に解説します。
歯周病治療を受けた方が良い人10選
以下に該当する方は、歯科クリニックで歯周病治療を受けることをおすすめします。
・ブラッシングで出血する
・朝起きたとき口の中がネバネバする
・口臭が気になる
・歯茎が腫れている
・歯茎が下がっている
・歯がグラグラする
・硬いものが噛みにくい
・口呼吸をしている
・糖尿病を患っていたり、妊娠したりしている
・喫煙習慣がある
各項目について詳しく説明します。
ブラッシングで出血する
歯周病の初期サインとして、ブラッシングや硬いものを噛んだ際に出血が見られます。
これは歯周病の初期症状である可能性が高いため、歯科クリニックで治療を受けるべきです。
朝起きたとき口の中がネバネバする
就寝中に唾液の分泌が減ることで細菌が増殖しやすくなり、口の中のネバつきや不快感を引き起こします。
こちらも歯周病が進行しているサインの一つであり、歯周病治療を受けることが望ましいです。
口臭が気になる
歯周病菌が発生させる揮発性硫黄化合物は、口臭の原因となります。
また、歯周病が進行するにつれて口臭が強くなる傾向があります。
そのため、以前より明らかに口臭が強くなったという方は、歯科クリニックに相談することをおすすめします。
歯茎が腫れている
歯茎の腫れや押すと膿が出る状態は、歯周ポケットの奥で炎症が起きている証拠であり、中等度から重度の歯周病が疑われます。
こちらは、歯周病治療を受けなければ改善することはありません。
歯茎が下がっている
歯周病によって歯を支える骨が破壊されると、歯茎が下がって歯根が露出します。
これにより、歯が長くなったように見え、歯と歯の間に隙間ができてきます。
このような症状に悩んでいる方も、歯周病治療を受けるべきだと言えます。
歯がグラグラする
歯周病の末期症状として、歯を支える骨が大きく失われ、歯が動揺するようになります。
こちらの症状は、一般的な歯周基本治療では改善させるのが難しく、抜歯が必要になる可能性が高いです。
硬いものが噛みにくい
歯のぐらつきがひどくなると、食べ物をしっかりと噛むことが困難になります。
そのため、以前と比べて噛めるものに制限が出てきたという自覚がある方は、できる限り早急に歯科クリニックを訪れなければいけません。
口呼吸をしている
口呼吸は口の中を乾燥させ、白血球の防御機能を低下させるため、歯周病にかかりやすい環境を作ってしまいます。
そのため普段から口呼吸の癖がある方は、歯周病の症状の有無に限らず、一度歯科クリニックを訪れることをおすすめします。
糖尿病を患っていたり、妊娠したりしている
糖尿病は歯周病を悪化させる危険因子であり、また歯周病は血糖コントロールを難しくする相互関係があります。
また、妊娠中はホルモンバランスの変化により歯周病が進行しやすくなるため、安定期を見計らって歯科クリニックで歯周病治療を受けるべきです。
喫煙習慣がある
喫煙は歯周病の最大のリスク因子の一つです。
ニコチンが血流を悪くするため、歯茎の炎症のサインが現れにくく、気づかないうちに重症化しやすい特徴があります。
実際歯周病が重症化している方の中には、いわゆるヘビースモーカーも多いため、早めの治療が必要です。
歯周病治療を受ける際に注意したい人
出血が止まりにくい病気がある場合、歯石除去や外科処置などによって出血のリスクが高まります。
また血糖コントロールが不良な場合、感染に対する抵抗力が低下していて、歯周病治療後の治癒が遅れる可能性があります。
さらに特定の心臓病や、その治療のための薬(抗凝固薬など)を服用している場合、治療の時期や方法を調整する必要があります。
そのため、発症後一定期間は、歯周病治療を含む一般歯科治療を延期することが推奨される場合もあります。
その他、一部の骨吸収抑制薬は、顎の骨の治癒を妨げる可能性があり、抜歯などの外科処置時に注意が必要です。
免疫抑制剤の使用や、特定の疾患により免疫力が低下している場合も、感染管理に特に注意しなければいけません。
ちなみにがんの既往歴がある場合、歯周組織再生療法(リグロスなど)の一部治療法は組織再生作用が強いため、癌細胞を活性化させる可能性があるとして禁忌とされています。
まとめ
歯周病治療は決して危険なものではありません。
むしろ歯周病治療を受けない方が、口内環境の悪化が進み、口内だけでなく全身まで危険な状態になってしまいます。
そのため、前述したような症状や状況の方は、早めに治療してもらいましょう。
ただし全身疾患などがある方は、歯科医師だけでなくかかりつけの内科医などにも相談しなければいけません。
場合によっては、すぐに歯周病治療を受けられないこともあります。
