【鶴見・川崎の歯医者】歯周病が目に与える影響について

歯周病は主に歯茎の症状を引き起こす疾患ですが、全身のさまざまな部位、器官などに悪影響を及ぼすことでも知られています。
またあまりイメージはないかもしれませんが、歯周病が目に影響を与えてしまうケースもあります。
今回は、歯周病を発症することで目に影響が出る原因を中心に解説します。

歯周病が目に影響を与える原因4選

歯周病を発症すると、以下のような疾患を併発し、目に影響が及ぶ可能性があります。

・緑内障
・根尖性歯周炎
・眼精疲労
・加齢黄斑変性

各項目について詳しく説明します。

緑内障

歯周病を発症すると緑内障のリスクが上昇し、目に影響が及ぶ可能性があります。

緑内障は、眼圧の上昇などによって視神経が障害され、視野が徐々に狭くなる疾患です。
初期の自覚症状はほとんどなく、進行するまで気付かないケースが多く見られます。

歯周病菌や炎症物質は、血流に乗って全身に広がっていくことがあります。
このとき、眼圧上昇や視神経へのダメージを引き起こすことが考えられます。

特に日本人に多い正常眼圧緑内障のリスクは、歯周病患者の場合1.45~1.85倍も増加すると言われています。

根尖性歯周炎

歯周病が原因で根尖性歯周炎を引き起こした場合も、目に影響が出ることが考えられます。

根尖性歯周炎は、歯の神経が壊死してしまい、歯の根の先端部分に細菌が繁殖して炎症を起こす疾患です。
歯周病を発症している方は、口内のケアが不十分なことが多く、虫歯によって根尖性歯周炎を引き起こすリスクも高いです。

また根尖性歯周炎は、上顎の奥歯に発生した場合、炎症が目の下や目の周囲に影響を及ぼすことがあります。
これは上顎の奥歯の根と、目の下にある上顎洞が非常に近接しているからです。

根尖性歯周炎が悪化すると、薄い骨の壁を越えて、すぐ上にある上顎洞に炎症を広げます。
これにより、歯が原因の副鼻腔炎である歯性上顎洞炎を発症します。

歯性上顎洞炎が進行すると、上顎洞に膿が溜まり、その結果として目の下が重く感じたり、目の奥が痛んだりすることが考えられます。

眼精疲労

眼精疲労も、歯周病が引き起こす目への影響の一つです。

眼精疲労は、主に目を酷使したことにより、十分な休息を取っても回復しないほどの疲労が蓄積した状態です。
単なる目の疲れとは異なり、身体全体の不調を伴うというところに特徴があります。

また歯周病が進行すると、慢性的な炎症や痛み、ストレスなどが生じ、自律神経のバランスを崩すことがあります。
自律神経の乱れは、涙の分泌を減らしてドライアイを招いたり、血行不良を引き起こしたりすることで眼精疲労を悪化させます。

加齢黄斑変性

歯周病を発症している方は、加齢黄斑変性という疾患のリスクが高くなり、こちらが目に影響を及ぼすこともあります。

加齢黄斑変性は、加齢によって目の網膜にある黄斑という部分に障害が起き、視野の中心部が見えにくくなる疾患です。
日本では、失明の原因の第4位とされていて、50代以上の発症リスクが高いです。

主な症状としては、直線が波打って見えるなどの変視症、視野の中心が暗くなるなどの中心暗転があります。
場合によっては、視界全体がぼやけてかすんだり、色の区別がつきにくくなったりすることもあります。

歯周病を発症した場合、口内の菌が血流に乗って網膜に到達し、網膜の土台となる細胞を傷つけ、加齢黄斑変性の発症リスクを高める可能性があります。

目の健康を守るために

歯周病に伴う目の健康悪化を防ぐためには、やはり定期的な歯科クリニックでの検診が必要不可欠です。

定期的な歯科クリニックへの通院は、歯周病の早期発見と治療につながります。
これにより、前述したような目への悪影響のリスクも軽減されます。
歯周病は特に自覚症状が少ない疾患であるため、定期的に歯科クリニックに通っていなければ、初期段階で発見するのがとても難しいです。

またすでに目の異常が生じているという場合は、眼科を受診しましょう。
緑内障などのリスクがあるケースでは、歯科クリニックと同じように眼科でも定期的な診察・検査を受けることが重要です。

ちなみに、喫煙と適度な運動についても、歯周病や目の疾患を予防するためには必要なことです。

喫煙は眼精疲労や加齢黄斑変性など、目の異常につながるリスクが高いです。
またタバコの有害物質は、歯茎の血行を悪化させたり、免疫力を低下させたりすることで、歯周病菌の増殖を促します。
つまり、歯周病にとっても目の疾患にとっても、喫煙は大敵だということです。

適度な運動については、眼圧を下げる効果が期待できるため、歯周病が原因で緑内障を発症するリスクを軽減できます。

まとめ

歯周病は非常に厄介な疾患であり、歯茎を中心とした口内組織だけに影響を与える疾患だと思っていたら大間違いです。
今回解説したような目の疾患を引き起こすこともありますし、臓器に影響が及ぶと命の危険もある全身疾患につながることも考えられます。
そのため、日頃から歯周病を予防できるように正しいブラッシングを実践し、歯科クリニックで歯石除去などの施術も受けなければいけません。

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