虫歯が痛むものの、なかなか歯科クリニックに通えない場合、その間痛みを我慢しなければいけません。
強い痛みが出ている場合、この時間はとても苦痛ですが、応急処置を行うことで改善されることがあります。
今回は、虫歯が痛むときに行うべき塩水うがいについて解説します。
塩水うがいのメリット4選
塩水うがいには、主に以下のようなメリットがあります。
・虫歯の痛みが緩和される
・虫歯の進行を抑える
・口臭が軽減される
・歯茎の炎症が軽減される
各メリットについて詳しく説明します。
虫歯の痛みが緩和される
冒頭でも触れたように、塩水うがいは虫歯の痛みを緩和してくれる効果があります。
歯科クリニックを訪れたとき、治療後の仕上げとして、塩水で口内を洗浄された経験がある方は多いかと思います。
こちらは、塩に殺菌作用があるからです。
虫歯の痛みを引き起こしている原因は、ミュータンス菌をはじめとする細菌です。
塩水によって細菌の活動を弱めることにより、痛みもある程度弱くなるという仕組みです。
虫歯の進行を抑える
実は塩水うがいには、虫歯の進行を抑える効果もあります。
先ほど、塩には殺菌作用があるという話をしました。
こちらは虫歯菌の数を減らすだけでなく、虫歯菌の増殖を抑制する効果でもあります。
口内の虫歯菌が多ければ多いほど活発に動き、虫歯の痛みが強くなります。
そのため、完全に治るというわけではありませんが、歯科クリニックに通うまでのわずかな期間であれば、塩水うがいは十分な虫歯の進行予防になります。
口臭が軽減される
虫歯の痛みが出ているということは、それとあわせて口臭が出ている可能性も高いです。
塩水うがいには、このような口臭を軽減する効果もあります。
虫歯が引き起こす口臭は、腐った卵や血生臭さ、ドブのニオイなどに例えられることがあります。
そのため、わずかに生じている程度でも、かなりの悪臭になる可能性が高いです。
また口臭は細菌が原因で発生するものであるため、塩の効果によって細菌の数が減少すれば、必然的にニオイも軽減されます。
歯茎の炎症が軽減される
塩水うがいは、虫歯だけでなく歯周病の症状に対しても効果を発揮します。
具体的には、歯茎の炎症を抑える作用があります。
歯周病は歯周病菌が原因であり、虫歯菌が引き起こすものではありませんが、どちらも細菌という意味では同じものです。
塩が持つ殺菌効果は、いずれの細菌にも発揮できるため、歯周病で歯茎が炎症を起こしている場合は痛みや赤みが多少マシになります。
歯茎が腫れている方は、特に効果を実感しやすくなります。
塩水うがいのデメリット
塩水うがいは虫歯の応急処置として効果的ですが、以下のようなデメリットもあります。
・効果が一時的
・刺激が強い場合がある
各デメリットについて詳しく説明します。
効果が一時的
何度も言うように、塩水うがいは虫歯が痛むときの応急処置として行うものです。
つまり、一時的な効果しか期待できないということです。
虫歯がまだ重度にまで進行していない場合、少しの痛みを軽減するため、何度も塩水うがいで乗り切ろうとする方がいます。
しかし、痛むたびに塩水うがいをしていても、虫歯を根本から治すことはできません。
またこのような習慣は、歯科クリニックに通わない原因になってしまうため、「痛みが出れば塩水うがいをすれば良い」と考えるのは良くありません。
刺激が強い場合がある
正しい方法については後述しますが、塩水うがいの方法を間違えると、患部への刺激が強くなってしまうおそれがあります。
こちらは当然、かえって痛みを増幅させてしまうことにつながります。
塩水うがいには塩と水を使用しますが、このとき配分を間違えて塩分濃度が高くなると、殺菌作用よりも刺激の方が強くなります。
場合によっては激痛になり、歯科クリニックに通うまで我慢するのが難しくなることも考えられます。
塩水うがいの方法
虫歯や歯周病の応急処置として行う塩水うがいは、まずコップに水を入れるところから始まります。
このとき使用するのは、冷たい水でもお湯でもなく、ぬるま湯です。
その後、ぬるま湯に小さじ1/3程度の塩を入れ、スプーンなどを使ってよく溶かします。
そして口内に塩水を含んだら、歯茎を優しく刺激するように、口内全体を数回に分けてすすぎます。
塩分濃度が丁度良くても、うがいの勢いが強すぎると痛みを悪化させてしまうため、慎重に行いましょう。
塩水うがいをした後は、口内の塩分を完全に洗い流します。
ちなみに、塩水うがいと市販の痛み止めを併用すれば、虫歯の痛みはかなりマシになります。
まとめ
夜中や大型連休中など、歯科クリニックが開いていないタイミングで虫歯が痛むと、患者さんはとても困ります。
しかしそのまま過ごしていると、治療を受けるまでの間にも症状が悪化する危険性があります。
そのため、塩水うがいを行ったり、頬の外側から患部を冷やしたりといった応急処置は必須です。
もちろん応急処置は、その後歯科クリニックで本格的な治療を受けることが前提の対処法です。