虫歯を発症している歯は、ある程度症状が進行している場合、穴が開いたり色が黒くなったりします。
また場合によっては、本来歯の上部が平らになっているものが、ギザギザになってしまうことも考えられます。
今回は、虫歯で歯がギザギザになることのデメリットを中心に解説します。
虫歯で歯がギザギザになる仕組み
虫歯菌は、食べカスに含まれる糖分を分解して酸をつくり出します。
このときつくられた酸が歯のエナメル質を溶かし、歯の表面をザラザラにしたり、歯の上部をギザギザにしたりします。
ちなみに虫歯以外でいうと、酸蝕症でも歯がギザギザになることがあります。
レモンや梅干し、スポーツドリンクや炭酸飲料など酸性の飲食物を頻繁に摂取すると、歯のエナメル質が溶かされ、同じように歯がギザギザになってしまいます。
虫歯で歯がギザギザになることのデメリット6選
虫歯の発症によって歯の平らな部分がギザギザになると、以下のようなデメリットが生じます。
・見た目の問題
・知覚過敏
・虫歯の進行
・噛み合わせの問題
・歯の健康寿命の低下
・唇や粘膜へのダメージ
各デメリットについて詳しく説明します。
見た目の問題
歯がギザギザになってしまうと、真っ先に気になるのはやはり見た目の問題です。
特に前歯がギザギザになってしまった場合、笑顔のときや会話をするときなどに見えやすくなります。
また歯列にギザギザの部分がある場合、お世辞にも良い歯並びには見えません。
むしろ虫歯によって歯の色も変わってしまっている場合、不潔なイメージを与えます。
そのため、人前で笑顔をつくったり、大きく口を開けて話したりするのをためらうようになります。
こちらはコミュニケーションの減少につながり、職場や私生活において悪影響を及ぼすものです。
知覚過敏
虫歯で歯がギザギザになることのデメリットとしては、知覚過敏のリスクが高まることも挙げられます。
知覚過敏は、冷たいものや甘いものを食べたとき、一時的に歯がズキッと痛む症状です。
歯がギザギザということは、ある程度歯の表面のエナメル質が削られている状態であるため、その下の象牙質が露出する可能性があります。
また象牙質は非常に敏感な組織であり、露出したり歯の表面から近くなったりすると、知覚過敏を発症するリスクは極めて高くなります。
もちろん、知覚過敏は食事だけでなく、ブラッシングなど歯に刺激が加わる習慣全般を不便なものにします。
虫歯の進行
虫歯が進行しやすくなることも、歯がギザギザになることで生じるデメリットです。
虫歯がそこまで進行していない場合、状況によって歯を削らなくても治療できる可能性があります。
しかしギザギザになっている場合は、ある程度進行していることが考えられます。
またギザギザの部分には、食べカスやプラークが溜まりやすくなるため、必然的に虫歯の発症リスクも高まります。
噛み合わせの問題
虫歯で歯にギザギザの部分ができると、噛み合わせの問題にもつながります。
理想的な噛み合わせは、口を閉じたとき上下の歯の間にほとんど隙間がなく、境界線が横に真っ直ぐになっている状態です。
一方、虫歯でギザギザになった歯は、エナメル質が溶けている分他の歯よりも背が低くなります。
その結果、上下を噛み合わせたときにうまく噛み合わず、他の歯に負担がかかったり、顎の関節にダメージが及んで顎関節症になったりすることがあります。
歯の健康寿命の低下
虫歯でギザギザになった歯でも、一切治療できないというわけではありません。
ギザギザになってしまった歯の上部については、歯科クリニックで削って平らにすることが可能です。
しかし、ギザギザの部分を削ってしまうと、天然歯の部分が少なくなってしまいます。
こちらはセラミック治療などにも言えることですが、天然歯は削れば削るほど強度が落ちてしまいます。
そのため、将来的に歯の寿命が短くなる可能性があります。
唇や粘膜へのダメージ
歯の上部が虫歯でギザギザになっている方は、唇や粘膜にダメージを与えてしまうことも考えられます。
例えば上下の歯を噛み合わせたとき、誤って唇を噛んでしまったり、頬の内側の粘膜が挟まってしまったりすることがあります。
このとき歯の上部が平らであれば、まだダメージは少なくて済みますが、ギザギザの場合はかなりのダメージを受ける可能性があります。
場合によっては、大量に出血することもあります。
また口内の粘膜を噛んでしまった部分については、口内炎が形成されることも珍しくありません。
口内炎は、歯のギザギザと同じく食事を不便にするものであり、症状がひどいと何もしていなくても痛みが出ることがあります。
まとめ
一度虫歯でギザギザになってしまった歯は、歯科クリニックで治療を受けなければ元に戻ることはありません。
また治療を受けるといっても、天然歯の修復は将来的な歯の健康寿命を低下させるため、できれば受けない方が良いです。
つまり、虫歯が進行した状態を放置せず、歯がギザギザになることを防がなければいけないということです。