虫歯予防を行うにあたっては、どのような食べ物を摂取するかがとても大切です。
また寿司については、基本的にはヘルシーな食材を使用するものであり、それほど虫歯リスクが高いイメージもないかもしれません。
今回は、虫歯予防の観点から、寿司のメリット・デメリットについて解説します。
虫歯予防の観点から見た寿司のメリット
虫歯予防の観点から見た寿司のメリットは、主に以下の通りです。
・咀嚼回数の増加と唾液の分泌
・フッ素やリン、カルシウムの摂取
・緑茶による抗菌作用
各メリットについて詳しく説明します。
咀嚼回数の増加と唾液の分泌
寿司は、一口で食べるには比較的ボリュームがあります。
特にタコやイカ、貝類や赤身の魚などは、適度な弾力を持っています。
これらをしっかり噛むことで、口腔内では大量の唾液が分泌されます。
唾液には、食べカスを洗い流す自浄作用や酸性に傾いた口内を中和する緩衝能、溶け出した歯のエナメル質を修復する再石灰化という3つの重要な機能が備わっています。
やわらかいパンや麺類に比べ、寿司は自然と噛む回数が増えるため、この唾液の効果を最大限に引き出すことができます。
フッ素やリン、カルシウムの摂取
海産魚類には、歯を強くするフッ素が微量ながら含まれています。
特に魚の皮や骨に近い部分には、ミネラルが豊富です。
また、魚肉に多く含まれるリンは、骨や歯の主成分となるミネラルであり、歯の再石灰化をサポートします。
さらにお供として定番の海苔も、実はカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富で、歯の健康維持に寄与する食材です。
つまり、ネタとして魚介類を使用し、なおかつ海苔を巻いている軍艦巻きは、使用する具材によってはかなり虫歯予防効果が高まりやすいということです。
緑茶による殺菌作用
寿司屋で提供される“あがり(緑茶)”は、カテキンが含まれています。
カテキンには強力な殺菌・抗菌作用があり、虫歯菌であるミュータンス菌の増殖を抑制したり、プラークが歯に付着するのを防いだりする効果が期待できます。
また、お茶に含まれる天然のフッ素も、歯のエナメル質を耐酸性の高い状態へと導いてくれます。
そのため、自宅で寿司を食べるときも、飲み物は可能であればお茶にすることが望ましいです。
虫歯予防の観点から見た寿司のデメリット
一方で、虫歯予防の観点から見た場合、寿司には以下のようなデメリットもあります。
・酢飯に含まれる大量の砂糖と塩分
・酸によるエナメル質の軟化
・甘いネタや調味料の付着
各デメリットについて詳しく説明します。
酢飯に含まれる大量の砂糖と塩分
寿司の最大の特徴である酢飯には、味を整えるためにかなりの量の砂糖が使われています。
家庭で作る際や回転寿司などのレシピを見ると分かりますが、ご飯1合に対して大さじ1〜2杯程度の砂糖が入ることも珍しくありません。
米自体の炭水化物に加え、精製された砂糖が加わることで、虫歯菌にとっては絶好のエネルギー源となります。
特に、酢飯は冷えているため甘みを感じにくく、知らず知らずのうちに大量の糖分を摂取してしまう傾向があります。
だからといって、自宅で作る際に酢飯を温かい状態にしても、美味しさは半減してしまいます。
酸によるエナメルの軟化
お酢は健康に良いイメージがありますが、歯の健康という観点では注意が必要です。
お酢は強い酸性であり、歯の表面にある硬いエナメル質を一時的にやわらかくする性質を持っています。
こちらは酸蝕と呼ばれるものです。
エナメル質が酸で緩んだ状態で、さらに酢飯の砂糖が口内に停滞すると、虫歯菌が酸を出しやすくなり、通常よりも早く歯が溶け始めてしまうリスクが生じます。
もちろん、自宅で寿司を作る際は、お酢を抜いた白米を使用することも可能です。
しかし、白米と魚などのネタだけでは、寿司特有の美味しさがなかなか生まれません。
甘いネタや調味料の付着
寿司屋では、マグロなどの魚を使用したネタ以外にも、さまざまなネタが提供されます。
例えば玉子焼きや穴子、かんぴょう巻きやいなり寿司などは、調理工程で非常に多くの砂糖やみりんが使われています。
これらのネタは粘着性が高く、歯の溝や歯間に残りやすいため、食後に適切なケアをしないと長時間虫歯菌に栄養を供給し続けることになります。
特に回転寿司などでは、ハンバーグやミートボール、マヨネーズ系の寿司など、味が濃く子ども向けに甘い味付けにされているものが多く見られます。
さらにガリも砂糖漬けであるため、口直しに食べる際も糖分を摂取しているという意識が必要です。
まとめ
寿司は日本人にとってご馳走ですが、昔と比べるとかなり手軽に食べられるものでもあります。
そのため、口にする機会も多くなりがちですが、食べるときは虫歯予防のことを念頭に置いておきましょう。
少しでも虫歯になりにくいネタ選びや食べ方を心掛けることで、寿司の虫歯リスクは大幅に低下します。
逆に言えば、何も考えずに食べていると虫歯のリスクはかなり上がるということになります。