虫歯予防につながるアイテムの一つに、ストローが挙げられます。
ストローは直接甘いジュースなどが歯に触れることを防止できるため、子どものうちからでも使用しておくべきだと言えます。
しかし、ストローの使用時にはいくつかの注意点があります。
今回はこちらの点について解説します。
虫歯予防としてストローを使用する場合の注意点4選
虫歯予防の一環としてストローを使用する場合は、以下の点に注意すべきです。
・ストローを置く位置と角度
・ダラダラ飲みの回避
・水による中和の徹底
・ストローの材質と衛生面
各項目について詳しく説明します。
ストローを置く位置と角度
虫歯予防のためにストローを使用する際、もっとも重要なのが差し込み位置です。
多くの方は無意識にストローの先を前歯のすぐ後ろや、舌の上付近に置いて飲み物を吸い込んでいます。
しかし、この位置では液体が口の中に広がってしまい、結局は前歯の裏側や奥歯の噛み合わせ部分、さらには歯と歯の隙間に糖分や酸が入り込んでしまいます。
これではコップで直接飲むのと大きな差がなく、虫歯予防としての効果は限定的になってしまいます。
効果を最大化するためには、ストローの先端を舌の中ほどから、やや喉に近い位置に配置することを意識してください。
こうすることで、飲み物が歯の表面に触れる面積を物理的に最小限に抑え、直接喉へと流し込むことが可能になります。
特に前歯はエナメル質が薄い部分もあり、酸性度の高い炭酸飲料やスポーツドリンクが繰り返し触れると、歯が溶ける酸蝕症のリスクが高まります。
ダラダラ飲みの回避
ストローを使用すると、デスクワークや勉強、スマートフォンの操作をしながらダラダラと時間をかけて飲む習慣がつきやすくなります。
しかし、このダラダラ飲みこそが、虫歯リスクを跳ね上げる最大の要因です。
通常、私たちの口の中は唾液の働きによって中性に保たれています。
ところが糖分や酸を含んだ飲料が口に入ると、わずか数分で酸性へと傾き、歯の表面からミネラルが溶け出す脱灰が始まります。
唾液には、酸性に傾いたお口を中性に戻し、溶け出したミネラルを修復する再石灰化という素晴らしい能力がありますが、これには時間がかかります。
ストローで少しずつ飲み続けると、口の中が常に酸性の状態にさらされ、唾液が修復作業を行う余裕を失ってしまいます。
たとえストローで歯への接触を減らしていても、口の中に糖分のミストや残留成分があれば、虫歯菌はそれを餌にして酸を出し続けます。
そのためストローを使う場合でも、飲み物は楽しむ時間を決め、短時間で飲み終えるようにしましょう。
水による中和の徹底
ストローを使ってどれほど慎重に飲んだとしても、目に見えない微量な糖分や酸の成分は必ず口腔内に残留します。
特に粘り気のある甘い飲み物は、口の粘膜や歯の隙間に停滞しやすい性質があります。
これが長時間放置されると、虫歯菌の格好の温床となります。
理想は飲んだ直後のブラッシングですが、外出先や仕事中では現実的ではありません。
そこで実践していただきたいのが、ストローで飲み終えた直後に水を一口飲む、あるいは軽く口をゆすぐというステップです。
この水による仕上げには二つの大きなメリットがあります。
一つは、歯の表面や装置の周りに付着した残留物を物理的に洗い流すことです。
もう一つは、酸性に傾いた口内のpH値を素早く中性側へ引き戻す手助けをすることです。
ストローを使っているからといって歯が汚れていないと過信するのは禁物です。
ストローで接触を減らし、最後は水でリセットすることで、虫歯のリスクはさらに低減します。
ストローの材質と衛生面
昨今の環境意識の高まりにより、紙ストローや、繰り返し洗って使えるマイストローが普及しています。
しかし虫歯予防の観点からは、これらの材質特性と衛生管理にも注意を払う必要があります。
例えば、紙ストローは長時間水分に浸かると先端がふやけてしまい、吸い込みにくくなることがあります。
そうなると無意識に液体を口の中に溜め込むホールドの状態になりやすく、歯への接触時間が増えてしまうおそれがあります。
また再利用可能なマイストローを使用する場合、もっとも懸念されるのが内部の細菌繁殖です。
ストローの細い管の内部は湿気がこもりやすく、専用の極細ブラシで徹底的に洗浄し、完全に乾燥させないとバイオフィルムが形成されます。
不衛生なストローを使用すると、飲み物と一緒に大量の雑菌を口に運ぶことになり、虫歯菌だけでなく歯周病菌の活性化や、全身疾患のリスクにもつながりかねません。
特にシリコン製などのやわらかい素材は傷がつきやすく、その溝に汚れが溜まりやすいため、定期的な買い替えや煮沸消毒などのメンテナンスが不可欠です。
まとめ
ストローは虫歯予防効果を得られるアイテムですが、必ずしもメリットばかり持っているわけではありません。
使い方を間違えるとかえって虫歯のリスクは高まりますし、マイストローの場合は歯ブラシなどと同じく、丁寧にメンテナンスをする必要があります。
もちろん、ストローはあくまでブラッシングのサポート的な役割であり、適切なブラッシングができていないと意味がありません。