普段喉が渇いたときや、食事を摂るとき、皆さんはどのような飲み物を飲んでいますか?
お茶を飲む方もいれば、アルコール類を中心に摂取する方、甘いジュースを頻繁に飲む方もいるでしょう。
しかし虫歯予防の観点でいうと、もっともメリットが大きいのは水を飲むことです。
今回は主なメリットについて解説します。
虫歯予防の観点から見た水を飲むことのメリット4選
水を飲むことにより、虫歯予防においては以下のようなメリットが生まれます。
・歯の再石灰化を促進する
・天然の掃除機能を最大化する
・虫歯菌のエサを遮断する
・プラークの蓄積と定着を防ぐ
各メリットについて詳しく説明します。
歯の再石灰化を促進する
私たちの歯の表面を覆うエナメル質は、身体の中で最も硬い組織ですが、酸には非常に弱いという弱点があります。
食事をすると、口の中に潜む虫歯菌が食べ物に含まれる糖分を取り込み、代謝の過程で酸を排出します。
これにより、通常は中性に保たれている口内が酸性に傾きます。
口内が臨界pHと呼ばれる5.5以下になると、歯の成分であるカルシウムやリンが溶け出す脱灰が始まります。
これが虫歯の第一歩です。
ここで水を飲むことには大きなメリットがあります。
水はpH7.0の中性であるため、酸性に傾いた口内の状態を素早く中和する助けとなります。
ジュースやスポーツ飲料、ワインなどの酸性飲料を飲んだ後、そのまま放置すると歯が溶け続ける時間が長くなりますが、水を飲むことでその時間を大幅に短縮できます。
天然の掃除機能を最大化する
唾液は“天然の歯磨き粉”とも呼ばれるほど、虫歯予防において決定的な役割を果たしています。
唾液には、食べカスを洗い流す自浄作用、細菌の活動を抑える抗菌作用、酸を中和する緩衝作用、そして歯の表面を修復する再石灰化作用の4つの重要機能が備わっています。
しかし、これらの機能は唾液が十分に分泌されていなければ発揮されません。
体内の水分が不足すると、体は生命維持に必要な部分へ優先的に水分を回すため、唾液の産生が後回しになり、口の中が乾燥するドライマウスの状態に陥ります。
口が乾くと、粘着性の高いプラークが歯にこびりつきやすくなり、細菌が爆発的に繁殖する絶好の環境が整ってしまいます。
また唾液による中和作用も期待できなくなるため、一度酸性になった口内がなかなか元に戻りません。
こまめに水を飲むことは、全身の血流を良くし、唾液腺の働きを活発に保つために不可欠です。
特に加齢やストレス、薬の副作用などで唾液が減少しがちな現代人にとって、意識的な水分補給は口腔ケアの土台となります。
虫歯菌のエサを遮断する
虫歯予防において、“何を飲むか”と同じくらい重要なのが、何を“飲まないか”です。
日常的な水分補給を砂糖の入ったコーヒーや紅茶、スポーツ飲料や清涼飲料水から水に置き換えるだけで、虫歯リスクは劇的に低下します。
虫歯菌は、私たちが摂取した糖分をエサにして増殖し、歯を溶かす酸を作り出します。
特にスポーツ飲料や乳酸菌飲料などは、健康的なイメージに反して驚くほど多くの砂糖を含んでいて、口の中を常に虫歯菌のパーティー会場にしているようなものです。
水を飲む最大のメリットは、糖分が一切含まれていないため、何度飲んでも虫歯菌に栄養を与えない点にあります。
また水には人工甘味料や酸味料も含まれていないため、歯のエナメル質を直接攻撃することもありません。
例えば、仕事中や勉強中にリフレッシュ目的で甘い飲み物を口にしている場合、それを水に変えるだけで、歯を酸の攻撃から24時間守ることにつながります。
さらに水による水分補給はカロリーゼロであるため、肥満防止や血糖値の安定など、全身の健康管理にも寄与します。
プラークの蓄積と定着を防ぐ
理想を言えば、食事のたびにブラッシングをすることがベストですが、職場や外出先などで毎食後のブラッシングを完璧に行うのは困難な場合があります。
そのような場面で水を飲むという行為は、簡易的な口のクリーニングとして機能します。
水を飲む際、口の中に水を行き渡らせるように意識するだけで、歯の表面や歯間に残った食べカスや糖分、酸を物理的に押し流すことができます。
特に粘着性の高いお菓子や、パンなどの炭水化物を食べた後は、歯の溝に汚れが詰まりやすい状態です。
これらを放置すると、数時間後には細菌が結集して強固なプラークへと変化しますが、食後すぐに水を飲むことで、その材料となる汚れを事前に除去できます。
またお茶やコーヒーなどの色素沈着が気になる飲み物を摂った後に水を飲むことも有効です。
汚れが歯に定着する前に水で洗い流すことで、歯の白さを保つとともに、細菌が潜みやすいざらつきのない滑らかな歯の表面を維持できます。
まとめ
普段、意識して水を飲んでいるという方はそれほど多くないかと思います。
歯の健康だけでなく、身体の健康にとっても水を飲むことはとても大事であるため、この機会にぜひ多く採り入れることを考えましょう。
またそれと同時に、口内が乾きやすくなるアルコール類や、虫歯菌のエサとなる清涼飲料水などについては、可能な限り控えるようにしなければいけません。