虫歯になりやすい食べ物と言えば、砂糖が多く含まれたケーキやチョコレートなどのイメージが強いかと思います。
しかし、実際はそれだけでなく、果物など自然由来の食べ物であっても、虫歯のリスクは存在します。
ここからは、虫歯になりやすい果物、なりにくい果物について解説したいと思います。
虫歯になりやすい果物3選
虫歯のリスクを極力減らしたいという方は、以下の果物を摂取しすぎないように注意しなければいけません。
・バナナ
・レモン
・柿
バナナ
バナナは日本人がもっとも食べている果物であり、ビタミンやミネラル、食物繊維がバランス良く含まれています。
そのため、美肌効果や貧血予防、熱中症予防、便秘予防などさまざまな効果があります。
また、バナナにはさまざまな種類の糖が含まれていて、それぞれ体内に吸収される速度が異なるため、血糖値の上昇が緩やかになります。
このことから、脂肪を溜め込むことを防ぎ、ダイエット効果も期待できます。
しかし、バナナは他の果物に比べて、虫歯のリスクが少し高いとされています。
その理由は、粘着性が高く、歯にくっつきやすいからです。
果物に限らず、虫歯になりやすい食べ物に共通している特徴は、粘り気があり、歯にくっつきやすいということです。
歯にくっついてしまうと、唾液の作用があっても簡単には落ちません。
つまり、ブラッシングを丁寧にしなければ、歯にバナナの食べカスが残ったままになってしまい、そこが虫歯菌の温床になる可能性があるということです。
レモン
レモンはビタミンCが豊富な食材として知られていますが、他にもさまざまな栄養素が含まれています。
例えば、クエン酸は体内でエネルギーをつくり出すサイクルを活発にする働きがあるため、疲労回復に効果的であり、殺菌効果や食欲増進効果も期待できます。
また、レモンにはエリオシトシンやヘスペリジンといったポリフェノールも含まれていて、こちらには優れた抗酸化作用があり、生活習慣病の予防やアンチエイジング効果も発揮します。
しかし、レモンをはじめとする柑橘類は、健康においては有用であるものの、酸が強いです。
こちらの酸は、虫歯菌が産生する酸と同様に、歯を溶かす作用があり、虫歯を助長してしまう可能性があるため、注意が必要です。
ちなみに、同じような理由で、ミカンやオレンジなどの柑橘類も虫歯のリスクは高くなります。
柿
柿はビタミンC、リコピン、β-カロテンなどが豊富に含まれている果物です。
これらの成分は、タンニン同様抗酸化力が強く、高血圧の改善や予防に役立ちます。
特にビタミンCは、柿1個で成人の1日の摂取基準量をほとんど満たすほど多く含まれていて、健康面の他、シミ予防などの美容面での効果も期待できます。
ただし、柿は虫歯のリスクが比較的高い果物であるため、注意が必要です。
“柿は歯の毒腹薬”ということわざがあり、こちららは“柿を食べすぎると、糖分が多いため虫歯になりやすいが、お腹には薬である“という意味があります。
柿に含まれる糖分は、群を抜いて高いわけではありませんが、熟したものなどはある程度粘度があるため、歯にくっつきやすくなります。
また、柿は歯ごたえがあるため、注意して噛まなければ、歯や歯茎にダメージを与えてしまう可能性もあります。
虫歯になりにくい果物は?
虫歯になりにくい果物としては、イチゴやリンゴ、梨、キウイなどが挙げられます。
イチゴは甘く虫歯になりやすそうに思えますが、こちらにはキシリトールが多く含まれています。
キシリトールの効果は、一言で言えば虫歯予防です。
砂糖のような甘さを持つものの、砂糖とは違って酸をつくらない上に、虫歯の原因となるミュータンス菌を弱める効果が期待できます。
また、リンゴや梨、キウイなどの果物は、水分が多く、食物繊維も豊富であるため、虫歯になりにくいとされています。
特に、リンゴは噛むことで自然に歯を磨く効果があり、唾液の分泌を促進するため、口内を洗浄する手助けをしてくれます。
ドライフルーツは虫歯のリスクが高いので注意
おやつ感覚で果物を食べられることから、人気の高いドライフルーツですが、こちらは極めて虫歯のリスクが高いため、注意が必要です。
ドライフルーツは、乾燥させることで糖分が濃縮されるため、虫歯になりやすくなります。
また、果物の種類によっては粘着性も高いですし、そもそも砂糖が含まれている商品も多く販売されています。
ちなみに、ドライフルーツはカロリーも高いため、摂取しすぎると当然太りますし、食物繊維の影響で下痢や腹痛を引き起こしたり、ガスが溜まったりすることも考えられます。
まとめ
ここまで、虫歯になりやすい果物、虫歯になりにくい果物について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
日頃何気なく食べている果物が、知らないうちに虫歯のリスクを高めている可能性があります。
ただし、果物に関しては、食後にしっかりブラッシングをしていれば、そこまで虫歯の心配をする必要はないため、摂取量を減らすなどするよりは、セルフケアに力を入れるべきだと言えます。