明らかに特定の歯が痛かったり、食事がしづらくなっていたりする方は、虫歯を発症している可能性があります。
しかし、中には「治療が怖い」「歯科クリニックに行くのが面倒」といった理由で、そのまま放置する方もいます。
今回は、虫歯を治療せずに放置することのデメリットについて解説します。
虫歯を治療せずに放置することのデメリット7選
虫歯ができている、もしくは虫歯のような症状が見られるにもかかわらず、放置するデメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。
・激しい痛みが出る
・口臭につながる
・神経を失う
・歯を失う
・全身に悪影響を与える
・顎の骨が腐敗する
・治療費がかかる
激しい痛みが出る
虫歯を放置することにより、激しい痛みにつながることがあります。
痛みが出てくるということは、すでに虫歯が神経にまで達しているということであり、こちらが強まれば強まるほど、重症化している可能性が高いため、早急に治療しなければいけません。
口臭につながる
私たちの口の中には、数多くの細菌が存在します。
その細菌が増殖し、歯を溶かして侵食していくのが虫歯です。
また、虫歯の原因菌が増殖すると、代謝によって口臭の原因物質を生成します。
つまり、虫歯が口臭の原因になるということです。
神経を失う
虫歯を放置し続けると、やがて細菌が神経にまで到達します。
このような場合、たとえ治療を行っても神経を残すことはできませんし、失った神経が再生することもありません。
また、神経を失った歯は見た目も黒く変色してしまい、栄養も供給されないため、通常の歯と比べて脆くなります。
歯を失う
虫歯の痛みは、最初に神経の痛みが起こり、神経が死滅するとその痛みが治まります。
また、その次は神経が腐ったときに痛みが生じますが、場合によっては神経が腐敗しても、自然に痛みが治まることがあります。
しかし、このように痛みが治まった後も、虫歯を治療せずにいると、どんどん進行していき、歯はほとんど原型をとどめないほど変形します。
このような状態の歯は抜くしか方法がなく、失ってしまうことになります。
全身に悪影響を与える
虫歯を放置することは、口内環境だけでなく、全身の健康にも悪影響を与えます。
具体的には、以下のような疾病を引き起こす可能性があります。
・脳梗塞
・心筋梗塞
・副鼻腔炎
・動脈硬化
・糖尿病
・敗血症
・腎臓病
・心臓病 など
また、虫歯で歯がボロボロになると、うまく咀嚼できないだけでなく、片側の歯ばかり使うなどの偏りが出て、顔が歪んだり、肩こりや頭痛の症状が出てしまったりすることもあります。
顎の骨が腐敗する
虫歯を放置した結果、虫歯菌が顎の骨にまで達すると、骨髄炎という病気を引き起こすことがあります。
こちらは、骨に起こった感染症であり、厳密には骨膜の感染症を骨膜炎、骨質に起こったものを骨炎といいますが、これらが個々に起こることはほとんどないため、包括して骨髄炎と呼ばれています。
また、顎の骨が骨髄炎を起こすと、激しい痛みや発熱、しびれ、膿が出るなどの症状があり、場合によっては長期の入院が必要になることもあります。
治療費がかかる
虫歯が重症化すると、神経や歯茎などの組織にダメージを与えます。
また、健康な状態に戻すためには、何度も歯科クリニックで治療しなければいけません。
つまり、虫歯を放置すればするほど、治療費が高額になるということです。
特に、大規模な外科手術を伴うような場合、通常の虫歯治療の何十倍もの費用がかかる可能性もあるため、注意しなければいけません。
虫歯が自然に治ることはあるのか?
人間には自然治癒能力というものがあり、傷ついてケガをしたときでも、時間が経てば自然に回復していきます。
しかし、虫歯は例外であり、一度でも進行した虫歯は自然には治りません。
つまり、虫歯が進行すれば虫歯の原因菌は生き続け、ずっと歯を蝕み続けるということです。
初期の虫歯は自然に治ることがある
歯に穴が開いてしまった虫歯は、歯科クリニックで歯を削り、詰め物や被せ物の処置をしなければいけません。
一方で、C0と呼ばれる初期段階の虫歯であれば、歯を削らなくても自然に治ることがあります。
虫歯には、C0~C4までの5段階があり、進行度によって分類されています。
C0はこの中でももっとも初期の段階で、歯の表面が白く濁って透明感を失っているものの、まだ虫歯の穴は開いていないという状態です。
このような虫歯は、削ることをせず経過観察となるため、歯磨きを徹底したり、間食や甘いものを控えたりすることで、積極的に再石灰化を促し、自然治癒させます。
まとめ
ここまで、虫歯を治療せず、そのまま放置することのデメリットについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
虫歯は口内環境を悪化させるだけでなく、頭痛や肩こりなど、さまざまな全身の症状にもつながります。
また、進行具合によっては、命にかかる病気を発症することもあるため、少しでも違和感を覚えたタイミングで、最寄りの歯科クリニックを受診するようにしましょう。