“酒は百薬の長”という言葉があるように、お酒には少なからず身体に良いとされている部分もあります。
しかし口内環境に関していうと、アルコールはあまり良い影響を与えないケースがほとんどです。
今回は、アルコールと口内環境に関することについて、さまざまな視点から解説します。
アルコールで虫歯菌を殺菌できる?
アルコールには殺菌効果がありますが、お酒に含まれるアルコール濃度(40〜50度程度)では、口内の虫歯菌を死滅させる効果は期待できません。
なぜお酒を飲むと虫歯になりやすいのか?
お酒を飲むと虫歯になりやすいのは、醸造酒やカクテルに含まれる糖分が虫歯菌の餌になるほか、飲酒による脱水で唾液が減り、自浄作用が低下するからです。
歯周病と飲酒は関係ある?
歯周病は飲酒と深い関係があります。
アルコールによる口の乾燥が細菌を増殖させ、歯周病リスクを高めます。
飲酒すると歯茎が腫れるのはなぜ?
お酒を飲むとアルコールが血管を拡張させ血流を促進するため、既存の炎症が悪化して痛みや腫れが出やすくなります。
虫歯になりにくいお酒は?
虫歯になりにくいのは、糖分の少ないウイスキーや焼酎などの蒸留酒です。
特に麦焼酎などはpHが中性に近く、歯への影響が比較的抑えられます。
虫歯になりやすいお酒は?
逆に虫歯になりやすいのは、ビール、日本酒、ワインなどの醸造酒や、糖分が多いカクテル、チューハイです。
お酒に弱い人は歯周病になりやすい?
お酒に弱い人は、歯周病の発症リスクが高いとされています。
具体的には、アセトアルデヒド(毒素)の分解能力が低い人は、飲酒によって歯周病リスクが高まる傾向があります。
アルコールで歯が溶けるって本当?
ワインやサワーなど酸性度の高いお酒を長時間飲み続けると、エナメル質が侵食されて歯が溶けることがあります。
ハイボールは虫歯にならない?
ハイボールはウイスキーを使用するため糖分はありませんが、炭酸水が酸性のため、長時間ダラダラ飲むと歯が溶けるリスクがあります。
赤ワインが歯に及ぼす影響は?
赤ワインは酸性度による侵食に加え、ポリフェノールという強い色素が歯の着色汚れの原因になります。
飲酒後はすぐブラッシングをすべき?
酸性のお酒を飲んだ直後はエナメル質がやわらかくなっているため、15分〜30分程度あけてから磨くのが理想的です。
飲酒後にブラッシングせずに寝るとどうなる?
睡眠中は唾液の分泌が減るため、口内の糖分を餌に細菌が爆発的に増え、虫歯や口臭の原因になります。
飲酒後どうしてもブラッシングできないときの応急処置は?
飲酒後どうしてもブラッシングができない場合は、水で何度もしっかり口をゆすぐだけでも、糖分や酸を洗い流す効果があります。
飲酒後に使用する歯磨き粉は何が良い?
飲酒後にブラッシングをする際は、溶けかかったエナメル質を修復するため、フッ素配合の歯磨き粉が推奨されます。
マウスウォッシュはアルコール入りとノンアルコールどっちが良い?
飲酒後は口が乾燥しているため、さらに乾燥を招く恐れのあるアルコール入りより、低刺激なノンアルコールタイプが適しています。
飲酒後のデンタルフロスは必要?
飲酒後は歯ブラシによるブラッシングだけでなく、デンタルフロスも必要です。
お酒と一緒に食べるおつまみのカスは歯間に残りやすく、細菌の温床になります。
寝酒は歯に悪い?
寝酒は極めて歯に悪いため控えるべきです。
糖分を含んだ状態で寝ることに加え、アルコールで唾液が減り、一晩中細菌が活動し続けます。
飲酒中に水を飲むのは口内環境に良い?
飲酒中にチェイサーとして水を飲むことは、非常に口内環境に良いです。
水が口内の酸を中和し、脱水を防いで唾液の分泌を助けます。
水がない場合は、お茶でも構いません。
飲酒した翌朝、口内がネバつくのはなぜ?
お酒を飲んだ翌朝に口内がネバつくのは、脱水により唾液が不足し、細菌が異常増殖してバイオフィルムを形成するためです。
アルコール臭(酒臭さ)の正体は?
アルコール臭は、分解過程で出るアセトアルデヒドが肺から呼気に混じるほか、口内の乾燥による細菌由来のガスが原因です。
飲酒をすると口が乾くのはなぜ?
アルコールには利尿作用があり、体内の水分が排出されるため唾液の原料が不足します。
そのため、必然的に口が乾きやすくなります。
お酒のニオイを消す食べ物や飲み物は?
水分補給に加えて、カテキンを含む緑茶や、ポリフェノールを含むりんごなどが消臭に役立つとされます。
飲酒中に使う爪楊枝は歯に良い?
爪楊枝は正しく使えば汚れを取れますが、歯茎を傷つけるとアルコールの血流促進により炎症が悪化する恐れがあります。
まとめ
アルコールを摂取することにより、口内環境が口内環境に良い影響を与えるというケースは極めて稀です。
特に長酒は、口内を常に酸性に傾かせてしまうため、虫歯や歯周病だけでなく口臭のリスクも大幅に上昇します。
もちろん、飲酒にはおつまみもつきものであるため、徹底的に口内環境を良くしたい方はできるだけお酒を遠ざけることが望ましいです。
