歯科クリニックで作製される入れ歯には、さまざまな素材が使用されます。
代表的なのものには歯科用プラスチックであるレジン、生体親和性の高い金属であるチタンなどが挙げられ、コバルトクロムも主な入れ歯の素材の一つです。
今回は、コバルトクロムの入れ歯に関することをあれこれ解説します。
コバルトクロム義歯とは?
コバルトクロム義歯は、入れ歯の土台である床部分にコバルトクロム合金という金属を使用した義歯です。
金属床義歯とも呼ばれています。
コバルトクロム合金はどのような素材?
コバルトクロム合金は、強度と耐久性が非常に高く、生体適合性も比較的良好な合金です。歯科用義歯としては、長い歴史のある一般的な素材です。
コバルトクロム義歯の主な成分は?
コバルトクロム義歯は、主にコバルト(約57.6%)とクロム(約32.1%)で構成され、その他にモリブデンなどが含まれます。
コバルトクロム義歯は保険が適用される?
コバルトクロム合金は、保険適用外の自費診療となります。
保険診療の入れ歯は、原則レジン床のみです。
コバルトクロム義歯の最大のメリットは?
コバルトクロム義歯は強度が高いため、入れ歯の土台を非常に薄く作製でき、装着時の違和感を少なくすることが可能です。
コバルトクロム義歯の他のメリットは?
コバルトクロム義歯は熱伝導性が高いため、食事の温度を感じやすく、食事が美味しく感じられます。
また清潔に保ちやすく、耐久性にも優れます。
コバルトクロム義歯のデメリットは?
金属アレルギーを引き起こす可能性があることは、コバルトクロム義歯のデメリットだと言えます。
また加工が難しいため、作製後の微調整や修理が難しい場合があります。
コバルトクロム義歯と保険のプラスチック入れ歯との違いは?
プラスチック床は厚みがあり違和感が生じやすいですが、コバルトクロム義歯は薄くできるため、より快適な装着感を提供します。
コバルトクロム合金に金属アレルギーのリスクはある?
コバルトクロム合金は、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。
もし金属アレルギーを発症してしまったら、口内炎や口腔粘膜のただれ、口角炎や白板症、口腔扁平苔癬などの症状が現れる可能性があります。
金属アレルギーが心配な場合どうすれば良い?
アレルギーが心配な場合は、事前に歯科クリニックで金属アレルギーのテストを受けることをおすすめします。
アレルギーがある場合は、チタンや金などの他の素材を検討する必要があります。
コバルトクロムの生体適合性は高い?
コバルトクロムは、医療分野で人工関節などにも使用されるため、比較的高めの生体適合性を持つとされています。
生体適合性とは、人間の身体に入ったり触れたりしたとき、炎症などの異常を起きにくいかどうかを示すものです。
チタン義歯と比較してどうなのか?
チタンはコバルトクロムよりも軽く、金属アレルギーのリスクも低いですが、費用はコバルトクロムよりも高くなる傾向があります。
金床義歯との違いは?
金床は非常に適合性が良く、金属アレルギーのリスクも極めて低いですが、コバルトクロムよりやわらかく、費用も高額になります。
ノンクラスプデンチャーとの違いは?
ノンクラスプデンチャーは金属の留め具がないため見た目が自然ですが、コバルトクロム床の方が土台を薄くでき、熱伝導性も優れています。
コバルトクロム義歯の費用はどれくらいかかる?
コバルトクロム義歯の費用は、一般的に40万〜60万円程度が目安です。
片顎なのか、総入れ歯か部分入れ歯か、歯科医院の方針によって大きく金額は変わってきます。
コバルトクロム義歯の費用はなぜ高いのか?
コバルトクロム義歯は、精密な作製工程と高品質な材料を使用するため、どうしても保険診療より高額になります。
コバルトクロム義歯は医療費控除の対象になる?
コバルトクロム義歯のように自由診療の入れ歯治療は、一般的に医療費控除の対象となります。
詳細は税務署や歯科クリニックにご確認ください。
治療期間はどれくらい?
症例によりますが、コバルトクロム義歯の場合は型取りから完成まで、数週間~数ヶ月かかることがあります。
どれくらい長持ちする?
コバルトクロムは耐久性が高いため、適切なケアと定期的なメンテナンスを行えば、長期間(10年以上)使用できるケースが多いです。
コバルトクロム義歯のメンテナンス方法は?
コバルトクロム義歯のメンテナンスには、毎日の丁寧な洗浄と、歯科クリニックでの定期的な検診・クリーニングが不可欠です。
変色したり錆びたりする?
コバルトクロム合金は腐食に対する耐性が高いため、変色や錆びなどが生じにくい素材です。
まとめ
コバルトクロムの入れ歯は、チタンと並んで金属床義歯としての確固たる地位を築いています。
そのため、コバルトクロム義歯がピッタリな方は必ず世の中に存在します。
ただし、症例数も多い入れ歯だからといって、一切問題がないというわけではありません。
興味がある方はメリットだけでなく、金属アレルギーのリスクなど、コバルトクロムのデメリットも知っておく必要があります。
