歯周病という疾患に対し、なんとなく怖いイメージを持っている方は多いかと思います。
では、皆さんは正しい知識を持って、日頃から歯周病を予防できているでしょうか?
今回は、歯周病に関する〇×クイズをいくつか出題しますので、興味がある方はぜひ全問正解を目指してチャレンジしてみてください。
問1:歯周病は歯茎の出血さえなければ大丈夫
歯周病の代表的な症状の一つに歯茎からの出血が挙げられますが、こちらの症状さえなければ大丈夫という考え方は×です。
歯周病は、初期段階では自覚症状がほとんどなく、出血がないからといって安心はできません。
歯茎が赤くなる、腫れるなどの症状が出ている時点で、歯周病の進行は始まっています。
また気付かないうちに進行することも多い疾患であるため、出血がなくても定期的に歯科クリニックで歯茎をチェックしてもらうことをおすすめします。
問2:歯周病は口内だけの疾患である
歯周病は口内だけの疾患と考えている方もいるかもしれませんが、こちらも×です。
歯周病は、さまざまな全身疾患と関連性が深いことで知られています。
そのため、悪化すればその影響は口内だけにとどまりません。
例えば歯周病菌が血液を介して全身に運ばれると、糖尿病や心臓病、関節炎などを発症するリスクがあります。
問3:歯が長くなったように見えるのは歯周病のサインである
ある日鏡を見たとき、以前よりも歯が長くなっているような印象を受けることがあります。
こちらが歯周病のサインだという考え方は〇です。
歯周病がある程度進行すると、歯を支えている骨が溶けてしまい、歯茎が下がります。
また歯茎が下がると、歯の根元まで見えるようになり、これまでよりも歯が長くなったような見た目になります。
問4:歯周病の最大の原因はプラークである
歯周病の最大の原因がプラークだという考え方は〇です。
歯周病は、歯の表面についた食べカスが細菌と混ざり合って変化したプラークによって引き起こされます。
プラークは、ブラッシングをしなければ口内から除去できず、歯周病のリスクを高めます。
歯周病を治す薬が存在しないのは、このようにプラークを除去しなければ治らない疾患だからです。
問5:歯周病は遺伝的要因によって発症することがある
歯周病に遺伝性があるというのは〇です。
歯周病は、前述した通りプラークが直接的な原因となって引き起こされるものです。
そのため、基本的にはプラークさえ除去していれば予防できます。
しかし、例えば歯並びなどが親から子に遺伝した場合、その子は親と同じくプラークを除去しにくい複雑な歯並びになってしまうことがあります。
このように直接的ではなくても、間接的に遺伝性の要因が歯周病のリスクを高めるケースはあります。
また親の食生活が乱れている場合なども、それを見て育った子の食生活は同じように乱れやすく、歯周病を発症しやすくなります。
問6:歯周病を治すには、歯科クリニックでの治療だけで十分である
歯周病を治すためには、歯科クリニックで治療を受けなければいけませんが、それだけでケアは十分という考え方は×です。
歯科クリニックでの歯石除去など、専門的な治療はもちろん重要ですが、日々の適切なブラッシングや生活習慣の改善も不可欠です。
もっと言えば、歯周病には“治る”という概念がありません。
症状を落ち着かせることはできますが、セルフケアや定期検診をやめてしまうと、またすぐに症状が出始めます。
問7:喫煙は歯周病を悪化させる最大の要因の一つである
喫煙が歯周病を悪化させる最大の要因の一つだという考え方は〇です。
喫煙は、極端にいうと百害あって一利なしの習慣です。
喫煙をすることで血管が収縮し、歯茎への血流が悪くなるため、歯周病が進行しやすくなります。
また歯石除去などの歯周病治療を受けていても、喫煙習慣があると効果が低下してしまいます。
問8:歯周病は一度発症すると元には戻らない
歯周病には“治る”という概念がないという話をしましたが、一度発症すると歯茎などが元に戻らないという認識は×です。
例えば歯周病が重度にまで進行し、完全に溶けてしまった骨などについては、元に戻すのは難しいです。
一方、適切な治療とセルフケアを行っていれば、進行を食い止め、炎症や出血程度の症状であれば元に戻せる可能性があります。
問9:歯周病と歯槽膿漏は同じである
歯周病の他に、歯茎の疾患を指す名称として歯槽膿漏という言葉を聞いたことがあるかと思います。
これらが同じという認識は〇です。
歯槽膿漏は、歯茎が化膿して膿が出ている状態を指す、昔から使われてきた名称です。
近年は、歯茎だけでなく歯を支える骨など、周囲の組織全体に炎症が起きることから、歯周病という名称が使用されています。
まとめ
ここまで歯周病に関するあらゆるクイズを出題してきましたが、いかがでしたか?
今回のクイズで多く正解した方は、そのまま継続して歯周病予防をしていただければ大丈夫です。
一方不正解が多かった方は、これをきっかけにケアの方法や意識などを改め、より適切に歯周病を予防していきましょう。
他にもわからないことがあれば、気軽に最寄りの歯科クリニックに相談してみてください。