普段間食として、甘いものよりも塩気のあるものを選ぶ方もいるかと思います。
またこのとき選ばれる機会が多いものに、スルメが挙げられます。
スルメはどこでも気軽に購入できますし、美味しいのはもちろん、虫歯予防効果も兼ね備えています。
今回は、スルメの虫歯予防効果に関することを中心に解説します。
スルメの概要
そもそもスルメとは、イカを内蔵ごと取り除き、乾燥させた加工食品のことをいいます。
一般的にはスルメイカを原料としますが、ヤリイカや剣先イカなど他の種類のイカが使用されることもあります。
そのまま食べたり、軽く炙って食べたり、さらには出汁を取るため料理に使用されたりします。
ちなみにスルメは保存食として古くから親しまれ、縁起物として結納品に使われることもあります。
結納品の際は“寿留女”と書かれ、こちらはスルメが長く保存できることから、“幸せが長く続くように”という願いが込められているからです。
スルメの虫歯予防効果3選
スルメの虫歯予防効果としては、主に以下のことが挙げられます。
・唾液の分泌量が増える
・噛む習慣が身につく
・砂糖が含まれていない
各項目について詳しく説明します。
唾液の分泌量が増える
スルメを定期的に食べることにより、唾液の分泌量が増加します。
こちらは虫歯の予防効果アップにつながります。
スルメは歯応えがあるため、何度も噛むことによって唾液腺が刺激され、必然的に唾液の分泌量が増加します。
唾液には食べカスやプラークを洗い流す自浄作用があり、分泌量が増えることでこの作用が効果的に働き、虫歯の原因となる汚れを落としてくれます。
また唾液には、歯のエナメル質を修復する再石灰化のサポート成分であるミネラルも含まれています。
つまり唾液の分泌量が増えることで、再石灰化が促進され、初期の虫歯を修復できるということです。
噛む習慣が身につく
スルメを摂取することにより、自然と噛む習慣が身につき、虫歯予防につながります。
スルメは非常に硬い食べ物であり、乾燥した状態では噛み切るのも一苦労です。
そのため、口内で何度も咀嚼し、少しずつやわらかくしていくのが一般的な食べ方です。
またスルメを噛むときは、奥歯でしっかり噛む必要があります。
これにより、顎の発育を促し、正しい噛み合わせや噛む習慣を身に付けるのに役立ちます。
つまり、スルメは大人だけでなく、子どもの虫歯予防にも効果を発揮する食品だということです。
砂糖が含まれていない
スルメ自体はイカを乾燥させたものであるため、砂糖が含まれていません。
砂糖は虫歯菌の大好物であるため、こちらが含まれていないということも、スルメの虫歯予防効果が高い理由です。
一般的なスルメではなく、さきいかなどは砂糖や食塩、調味料などが添加されていることが多いです。
一方、スルメの中にはスルメと食塩のみ、あるいはスルメ以外に一切材料を使用していない商品も存在します。
その他のスルメのメリット
スルメには虫歯予防効果が高い以外にもさまざまなメリットがあります。
例えば、ダイエット効果や健康効果は非常に優れています。
スルメは高タンパク低カロリーの食べ物であるため、ダイエット中の間食やおやつには最適です。
よく噛むことで満腹中枢が刺激され、食べすぎを防ぐ効果も期待できます。
さらにスルメに含まれるタウリンには、コレステロールや中性脂肪を晴らす働きがあるとされています。
またタウリンは血中コレステロールの上昇を抑制し、視力回復や強心作用、不整脈の改善や貧血予防などに役立ちます。
その他EPAやDHAも含まれていて、血液の調整作用や肝臓の強化作用も期待できます。
ちなみにスルメに含まれるナイアシンには、口内炎や不眠、頭痛といった神経症状を予防する効果があります。
スルメを食べることのデメリット
スルメは虫歯予防効果をはじめとするさまざまな健康効果がありますが、乾燥食品であるため塩分を多く含んでいます。
そのため、食べすぎると塩分過多になり、高血圧やむくみ、さらには心臓病や腎臓病のリスクを高める可能性があります。
またスルメは噛み応えがあるため満腹感を得やすいというメリットがありますが、同時に胃腸への負担も大きくなります。
特に胃腸が弱い方や、大量に食べる場合には注意が必要です。
さらに、スルメにはプリン体も多く含まれています。
プリン体の過剰摂取は、高尿酸血症や通風の原因となります。
ちなみにスルメは高タンパク低カロリーですが、他の栄養素が不足しがちな食品でもあります。
虫歯予防目的でスルメばかり食べることは、栄養バランスの偏りを招くため、あくまで色々な種類の食べ物を摂取することが大切です。
まとめ
スルメはおつまみとしてもおやつとしても親しまれる食品で、老若男女問わず愛されています。
また定期的にスルメを摂取することで、唾液の分泌量を増加させ、虫歯の予防につながります。
しかし、単純にスルメを食べるだけでは、徹底的に虫歯を予防することはできません。
他の食品からの栄養素も摂取しつつ、なおかつブラッシングも徹底することで、初めて虫歯のリスクを下げられます。