【川崎の歯医者・予防歯科】亜鉛が持つ予防歯科効果とは?

亜鉛という栄養素について、皆さんはどれくらいのことをご存知でしょうか?
名前は知っているものの、どのような働きがあるか把握できていないという方は、決して少なくないかと思います。
実は、亜鉛は虫歯や歯周病予防に効果を発揮します。
今回は、亜鉛の概要や亜鉛が持つ予防歯科効果を中心に解説します。

亜鉛の概要

亜鉛は主に動物性食品に含まれるミネラルの一種で、タンパク質や核酸の代謝に関与し、髪や肌の健康維持に役立ちます。
ミネラルの中でも不足しがちな栄養素であり、意識して摂取する必要があります。

自然界には亜鉛単体で存在することはほとんどなく、1746年にドイツの化学者が化合物から亜鉛を分離することに成功しました。
亜鉛が栄養素として注目されるようになったのは、そこからさらに後です。

イランの子どもの食事はポテトとミルク、イーストを使用しないパンのみであったため、栄養不足により慎重が低く、貧血と性機能の低下が見られました。
毛髪を調べると亜鉛が少ないことが明らかになり、亜鉛を補給することで症状が改善されたといいます。

亜鉛が持つ予防歯科効果

亜鉛には以下のような予防歯科効果があります。

・虫歯予防
・歯周病予防
・歯の再石灰化促進
・歯の強度向上
・免疫力向上

各項目について詳しく説明します。

虫歯予防

亜鉛には、虫歯の原因菌であるミュータンス菌を抗菌する効果があります。

ミュータンス菌は虫歯の直接的な原因となるものです。
主に糖分をエサに酸をつくり出し、歯を溶かして虫歯を発症させます。

そのため、亜鉛を十分に摂取すれば、ミュータンス菌の活動が弱まって虫歯のリスクも軽減されます。

歯周病予防

亜鉛には、虫歯だけでなく歯周病の予防効果もあります。

亜鉛を摂取することで歯周病の原因菌の働きが抑制され、炎症を抑えてくれます。
さらに、歯周組織の再生を促進することで、歯周病の進行を予防します。

歯の再石灰化促進

亜鉛には、唾液中のカルシウムやリン酸を歯に取り込みやすくし、歯の再石灰化を促す効果もあります。

再石灰化は、脱灰によって一度溶けた歯が再び元に戻る現象です。
こちらの効果により、初期虫歯を修復したり、歯を強くしたりすることにつながります。

歯の強度向上

歯の強度が向上することも、亜鉛の予防歯科効果の一つです。

亜鉛はエナメル質の形成を助け、歯の強度を向上させます。
これにより、歯が欠けたり折れたりすることを予防します。

免疫力向上

亜鉛には、身体全体の免疫力を高める効果もあります。

また免疫力が向上すれば、感染症を発症しにくくなります。
虫歯も歯周病も、細菌が原因で発症する感染症であるため、亜鉛を摂取すればそのリスクが軽減されます。

亜鉛のその他のメリット

亜鉛には、予防歯科効果以外にもさまざまな健康効果が期待できます。

まず、亜鉛は味蕾細胞の代謝に関与しているため、味覚を正常に保ってくれる効果があります。
また亜鉛は細胞の修復や再生を助け、傷の治癒も促進します。

さらに、亜鉛はテストステロンという男性ホルモンの生成をサポートし、生殖機能の維持にも役立ちます。

その他皮膚や粘膜の健康を保ち、髪の成長を促進する効果や、体内の酸化ストレスを軽減する効果などが認められています。

ちなみに、亜鉛は糖尿病や高血圧など、生活習慣病のリスクを低下させる効果も期待されています。

亜鉛が含まれる食品

亜鉛はあらゆる食品に含まれるため、決して摂取が難しい栄養素ではありません。
具体的には、以下の食品に含まれています。

・魚介類:牡蠣、ウナギ、ホタテ貝柱、煮干しなど
・肉類:豚レバー、牛肉(赤身)、牛肩ロースなど
・豆類:納豆、高野豆腐、カシューナッツ、エンドウ豆など
・種子類:アーモンド、落花生など
・乳製品:ナチュラルチーズ、プロセスチーズなど
・その他:小麦胚芽、ココア、抹茶など

亜鉛のデメリット

予防歯科の一環として亜鉛を摂取するのは良いことですが、過剰摂取は身体にさまざまな害を及ぼします。

具体的には、胃腸の不調から来る吐き気や嘔吐、腸の働きが活発になりすぎることによる下痢などが挙げられます。

また亜鉛の過剰摂取は、体内の銅の吸収を阻害し、銅欠乏症を引き起こす可能性もあります。
銅欠乏症は貧血や骨の異常、神経系の異常や成長障害などを引き起こすことが考えられます。

さらに海外の研究では、亜鉛の過剰摂取が前立腺がんのリスクを増加させる可能性が指摘されています。

ちなみに亜鉛の推奨摂取量は、年齢や性別によって異なります。
厚生労働省のデータによると、18歳以上の男性で1日11mg、女性で8mg程度とされています。

通常の食事で過剰摂取となることはほとんどありませんが、サプリメントなどを利用する場合は注意が必要です。

まとめ

本記事を読んでいただいた方はおわかりの通り、亜鉛はさまざまな角度から口内環境を整えてくれる優れた栄養素です。
そのため、あまり意識してこなかった方は、この機会に亜鉛が含まれる食べ物を摂り入れてみましょう。
もちろんカルシウムやリン、ビタミンDやビタミンCなど、その他の予防歯科効果を持つ栄養素もあわせて摂取すべきです。

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