普段の食事では、硬いものとやわらかいものをバランス良く食べることが望ましいです。
日本の食事は昔と比べ、他国の文化の影響を多大に受けていて、意識しなければやわらかいものばかり摂取することになります。
今回は、やわらかいものばかり食べることの主なデメリットについて解説します。
やわらかいものばかり食べることのデメリット7選
普段やわらかいものばかり食べている場合、以下のようなデメリットが生まれます。
・栄養の偏り
・消化不良
・咀嚼機能の低下
・味覚の低下
・口呼吸の増加
・肥満
・顎の発達不全や歯並びの悪化
各デメリットについて詳しく説明します。
栄養の偏り
硬いものを避け、やわらかいものばかり食べることにより、必然的に栄養は偏ります。
野菜や果物などはある程度硬さのあるものが多く、なおかつビタミンやミネラル、食物繊維などさまざまな栄養素が含まれています。
一方、ジャンクフードは全般的にやわらかく、栄養が少ない上に脂質や糖質も高いケースがほとんどです。
そのため、やわらかいものばかり食べていると、便秘になったり生活習慣病のリスクが高まったりするおそれがあります。
消化不良
やわらかいものばかり好んで食べることは、消化不良にもつながります。
やわらかいものは、硬いものと比べてそれほど噛まなくても飲み込めます。
そのため、しっかり噛み砕かれないまま胃に送られることも多いです。
しかし、サイズが大きいまま食べ物が胃に運ばれると、消化器官の負担が大きくなって消化不良を引き起こしやすくなります。
また消化不良が起こると胃もたれや胸やけ、吐き気や腹痛、膨満感や食欲不振、下痢といった症状に悩まされることになります。
咀嚼機能の低下
咀嚼機能が低下することも、やわらかいものばかり食べることのデメリットです。
やわらかいものばかり食べるということは、噛む回数が減るということでもあります。
咀嚼回数が減少すると、噛むための筋肉が徐々に衰えていき、咀嚼機能が低下します。
特に高齢の方の場合、嚥下機能という食べ物を飲み込む力も低下するおそれがあります。
嚥下機能の低下は誤嚥性肺炎のリスクを高め、場合によっては命の危険に晒されることも考えられます。
味覚の低下
やわらかいものばかり食べるという習慣は、味覚にも悪影響を与える可能性があります。
普段の食事では、よく噛むことで唾液が分泌され、舌の上にある味を感じる器官である味蕾も活性化されます。
一方、噛む回数が減ると味蕾の数も減少し、味を感じにくくなる可能性があります。
また味を感じにくくなるということは、単純に食事の美味しさが半減するだけでなく、味が濃くても気付かないことにもつながります。
つまり、知らず知らずのうちに塩分過多になる可能性があるということです。
口呼吸の増加
普段あまり硬いものを食べず、やわらかいジャンクフードなどばかり食べている方は、口呼吸の増加することがあります。
こちらは口周りの筋肉が衰え、口を開けたままになるケースが多くなるからです。
また口呼吸を頻繁に行う方は、口内が乾燥しやすくなり、虫歯や歯周病を発症するリスクも高まります。
さらに、口内の乾燥は口臭を引き起こすこともあります。
口臭は発している自身ではあまり気付かない症状であり、デリケートな問題であるため、周りから指摘されることもそれほどありません。
もし指摘されてしまったら、口臭が気になってしまい、これまでのように会話ができなくなることも考えられます。
肥満
やわらかい食べ物は、肥満の原因にもなります。
食事においてよく噛むという行動は、満腹中枢を刺激し、少ない食事量でも満腹感を得やすくなることにつながります。
しかし、やわらかいものはあまり噛むことがないため、満腹感を得るまでに時間がかかります。
その結果、食事量が多くなって肥満につながるという仕組みです。
また何度も言うように、やわらかい食べ物にはジャンクフードも多く含まれています。
ジャンクフードは基本的に栄養価が低くカロリーが多いため、摂取すればするほど太りやすくなります。
顎の発達不全や歯並びの悪化
子どもの場合、やわらかい食べ物ばかり食べると顎の発達不全や歯並びの悪化にもつながります。
やわらかいものばかり食べ、噛む機会が減ると、顎を十分に使う機会も減ることになります。
その結果、顎の発育が不十分になることがあります。
また顎の発育が不十分だと、歯がキレイに並ぶスペースが不足し、歯並びが悪くなることも考えられます。
具体的には歯が重なって生えたり、八重歯になったり、叢生と呼ばれるデコボコな歯並びが見られる可能性があります。
まとめ
特に意識せずに食事を摂ると、いつの間にかやわらかいものばかり食べているというのはよくあるケースです。
野菜や果物などの硬さがあるものは、ジャンクフードなどと違ってあまり好まない方が多いからです。
しかし硬いものを食べなければ歯や顎、口腔機能などに悪影響が及ぶため、少しずつでも食生活を改善していかなければいけません。