虫歯の天敵と言えば、なんといっても砂糖が挙げられます。
またなるべく虫歯のリスクを減らすために、普段から砂糖の摂取を控えているという方もいるでしょう。
このとき便利なのが、シュガーフリーの食品です。
今回は、シュガーフリーの食べ物の虫歯予防効果を中心に解説します。
シュガーフリーの概要
シュガーフリーは、砂糖を含まない食品です。
食品や飲料に対して使われ、砂糖の代わりに他の甘味料が使用されています。
無糖や糖類ゼロといった言葉も、ほぼ同じ意味で使用されます。
砂糖の過剰摂取は、虫歯のリスクを高めるだけでなく、生活習慣病のリスクも高めます。そのため、シュガーフリーの食品を意識する方に注目されています。
ちなみに、シュガーフリーとシュガーレスには違いがあります。
食品100gあたりまたは飲料100mlあたり、糖類が0.5%未満の場合のみ、シュガーレスと表記できます。
一方シュガーフリーは、砂糖を含まないものであればいずれも該当し、消費者庁による明確な定義などもありません。
シュガーフリーの食べ物の虫歯予防効果3選
シュガーフリーの食品には、以下のような虫歯予防効果が期待できます。
・唾液の分泌促進
・虫歯菌の活動抑制
・酸の生成抑制
各項目について詳しく説明します。
唾液の分泌促進
シュガーフリーの食品には砂糖が含まれていませんが、通常の食品と同じように噛むことによって唾液の分泌が促進されます。
こちらは虫歯予防につながります。
つまり、しっかり唾液は分泌されるものの、砂糖による歯へのリスクは排除できるということです。
唾液は口内の汚れを洗い流し、清潔に保つための役割があるため、分泌量が増えるというのは虫歯を予防するにあたって大きなメリットです。
虫歯菌の活動抑制
虫歯菌の活動を抑制できることも、シュガーフリーの食品のメリットです。
シュガーフリーといっても、糖分が一切含まれていないわけではありません。
砂糖の代わりに、キシリトールなどの甘味料が使用されているため、ある程度の甘さはあります。
またキシリトールなどの甘味料は、虫歯を引き起こすミュータンス菌の活動を抑制する効果があります。
そのため口内に食べカスやプラークが存在しても、明らかに多く蓄積していなければ、虫歯の発症リスクはそこまで上昇しません。
酸の生成抑制
シュガーフリーの食品を摂取することにより、酸の生成を抑制することにもつながります。
砂糖は口内で分解されると酸を生成し、歯の表面にあるエナメル質という組織を溶かします。
いわばこちらは虫歯の始まりですが、シュガーフリーの食品は酸の生成を極力抑えてくれます。
なぜなら、砂糖と違って直接的に虫歯菌のエサになるリスクが低いからです。
シュガーフリーの食品を摂取するにあたって注意したいこと
虫歯予防の一環としてシュガーフリーの食品を摂取する場合、まずはシュガーフリーとノンシュガーの違いに注意しなければいけません。
シュガーフリーは、前述の通り砂糖を一切含まない食品です。
一方、ノンシュガーは砂糖を含まないだけであり、他の糖類は含まれる可能性があります。
またここでいう糖類とは、キシリトールなどの甘味料だけでなく、ブドウ糖や果糖、麦芽糖なども含まれます。
これらは甘味料に比べて虫歯のリスクが高いため、積極的に摂取すべきではありません。
シュガーフリー、ノンシュガーの表記については、基本的に商品のパッケージに記載されています。
またシュガーフリーの食品に含まれるキシリトールには、体重減少の効果があるとされています。
そのため、過剰に摂取しすぎると、不健康な痩せ方をしてしまう可能性があるため、注意してください。
シュガーフリーの食品のデメリット
シュガーフリーの食品は、確かに虫歯予防に効果的ですが、一方で身体に与えるデメリットもいくつかあります。
シュガーフリーの食品に含まれる糖アルコールは、体内で吸収されにくく、一部がそのまま排出されます。
そのため、人によっては腹痛を引き起こすこともあります。
こちらはキシリトール以外の甘味料にも言えることです。
また甘味料については、血糖値を直接上げることはないものの、長期的に摂取することで血糖値を正常に保つ機能が低下する可能性があるとされています。
さらに、人工甘味料の一つであるエリスリトールには、心血管疾患のリスクを高める可能性が複数の研究で指摘されています。
ちなみに、人工甘味料が腸内細菌の環境を変化させ、肥満や糖尿病のリスクを高める危険性もあります。
つまり「健康を意識するのであれば、シュガーフリーの食品を摂っていれば良い」と考えるのは、少し安直だということです。
まとめ
砂糖が虫歯を引き起こすのであれば、砂糖の量を減らすというのは誰もが最初に思いつくことです。
そのため、シュガーフリーの食品や飲料を選ぶことは決して間違いではありません。
しかし、虫歯予防は基本的に、さまざまな食品を摂取しながら成立させるものです。
またシュガーフリーの食品で砂糖の摂取を抑えたからといって、その他のリスクが生じないわけではありません。