今年も夏本番を迎え、うだるような暑さの日が増えてきました。
夏場は体力も低下しがちなため、さまざまな食材で栄養素を摂取しなければいけません。
また夏は虫歯のリスクも高まりがちですが、このとき摂取したいものに代表的な夏の果物であるスイカが挙げられます。
今回は、スイカの虫歯予防効果を中心に解説します。
夏に虫歯のリスクが高まる理由
そもそも夏場に虫歯を発症しやすい理由としては、甘いものを摂取する機会が増えることが挙げられます。
夏場は暑さをしのぐため、甘いジュースやスポーツドリンクなどの摂取量が増えがちです。
またアイスを食べる機会も多いため、虫歯菌が繁殖しやすくなります。
適度な水分補給は大切ですが、糖分を含むものを頻繁に摂取すると、口内が酸性に傾きやすくなり、唾液による再石灰化も妨げられます。
さらに夏場はエアコンを使用する機会も増加しますが、室内外の気温差が激しくなると、自律神経の乱れから免疫力が低下します。
免疫力が低下すると、身体が虫歯菌に対抗できなくなり、虫歯を発症しやすくなります。
スイカが虫歯予防に効果的な理由
夏の代表的な果物であるスイカは、以下のような理由で虫歯予防効果が期待できます。
・水分を補給できる
・食物繊維が豊富
・リコピンが豊富
各項目について詳しく説明します。
水分を補給できる
スイカは数ある果物の中でも、水分の含有量が極めて多い果物です。
そのため、摂取するだけで水分が補給できます。
また口内の水分量が増えれば、唾液の分泌が促され、口内環境を清潔に保つ助けになります。
唾液には食べカスを洗い流したり、酸を中和したりする働きがあるからです。
ちなみにスイカにも糖分が含まれていますが、こちらは砂糖とは異なり、虫歯の原因となる酸を直接的に生成するわけではありません。
もちろん食後はブラッシングが必要ですが、ジュースやスポーツドリンクなどを飲む場合よりは虫歯のリスクを抑えやすいです。
食物繊維が豊富
スイカには食物繊維が含まれていて、こちらも唾液の分泌を促します。
具体的には線維質の果肉をしっかり噛むことにより、唾液の分泌量を増加させ、口内を清潔に保つことができます。
また食物繊維には、直接的に食べカスやプラークを除去する働きもあります。
具体的には、咀嚼する際に歯と擦れ合い、歯の表面についた食べカスやプラークを取り除いてくれます。
このような食べ物は直接清掃性食品と呼ばれます。
さらに食物繊維が含まれるスイカを咀嚼することで、歯茎の血行が促進されます。
こちらは虫歯予防だけでなく、歯周病予防にも効果的であることを示しています。
リコピンが豊富
スイカに含まれる虫歯予防成分としては、リコピンも挙げられます。
リコピンは、スイカの色のもとであり、赤い色素成分です。
野菜ではトマトに多く含まれることで知られていますが、実は生のスイカには、トマトの1.5倍以上のリコピンが含まれています。
リコピンは強力な抗酸化作用を持っているため、虫歯菌の活動を抑制できる可能性があります。
また歯の構成成分であるコラーゲンの合成を助け、歯の健康を維持する効果も期待できます。
ちなみにリコピンには、体内の酸化ストレスを軽減する働きがあります。
歯周病は細菌感染によって引き起こされる炎症性疾患であり、酸化ストレスが炎症を悪化させる原因の一つと考えられています。
つまりリコピンの抗酸化作用には、歯周病の進行を抑制する効果もあるということです。
スイカの虫歯予防効果を高める食べ方について
虫歯予防の一環としてスイカを食べる場合は、当然生の状態で食べるのが望ましいです。
スイカに火を通して食べるケースは少ないですが、ミキサーでジュースなどにしてしまうと、食物繊維が持つ虫歯予防効果などが得られなくなります。
またスイカの可食部位は主に赤い果肉の部分ですが、虫歯予防効果を高めるには白い部分や種もあわせて食べることをおすすめします。
特にやわらかい種はよく噛んで食べることにより、タンパク質や脂質を摂取できます。
黒い種に関してはかなりの硬さがあるため、無理に噛もうとしなくても大丈夫です。
さらに、虫歯予防効果のあるリコピンは、油とあわせて摂ると吸収率が上昇します。
そうは言ってもスイカを油で炒めたり揚げたりするわけにはいかないため、油っぽい食事の後にスイカを摂取するようにしましょう。
ちなみに、スイカの果肉の白い部分には、シトルリンという成分が含まれています。
シトルリンはアミノ酸の一種であり、血流を改善する効果があります。
そのため、肌の保湿や紫外線からの保護、天然保湿因子の生成など、美容面でも効果が期待できます。
まとめ
冒頭でも触れたように、夏場は虫歯のリスクが高まりやすい季節です。
そのため、まずは甘いジュースやアイスなどを摂取する機会をなるべく減らしましょう。
また虫歯予防の一環として、ブラッシングは引き続き行いつつ、スイカを積極的に摂取することをおすすめします。
スイカだけに限らず、旬の果物は他の時期に比べて、栄養素が豊富に含まれている傾向にあります。