虫歯の痛みがあるとき、痛み止めを服用することで、ある程度症状が和らぐことがあります。
しかし、場合によっては一切効果が出ず、痛みが継続することも考えられます。
では、痛み止めで虫歯の痛みが引かない理由は一体何なのでしょうか?
今回はこちらの点を中心に解説します。
虫歯の痛みに効果的な痛み止め
虫歯の痛みに効果を発揮する痛み止めとしては、主にロキソニンSやバファリン、アセトアミノフェン配合の鎮痛剤などが挙げられます。
ロキソニンSは、ロキソプロフェンという成分をメインにつくられる痛み止めです。
成分としては、歯科クリニックで処方されるロキソニンと同じです。
バファリンは、さまざまな種類が販売されている痛み止めであり、アスピリンなどの成分が含まれています。
またカロナールなどアセトアミノフェン配合の鎮痛剤は、子どもでも使用できるなど比較的安全性が高いとされていますが、効果は緩やかです。
カロナールも、歯科クリニックで処方されることがあります。
痛み止めで虫歯の痛みが引かない理由4選
痛み止めを飲んでいるにもかかわらず、一向に虫歯の痛みが引かないという場合、以下の理由が考えられます。
・虫歯が神経まで達している
・歯の根の先に膿が溜まっている
・歯茎や骨の感染
・虫歯以外の疾患
各項目について詳しく説明します。
虫歯が神経まで達している
虫歯が軽度の場合、痛み止めで症状が和らぐ可能性が高いですが、重度の場合はそうはいきません。
特に虫歯が進行し、神経にまで達している場合、炎症がひどく痛み止めが効きにくくなることがあります。
もちろん、このような虫歯は必ず歯科クリニックで治療する必要があり、根管治療という難易度の高い治療で対処しなければいけません。
歯の根の先に膿が溜まっている
虫歯が重度にまで進行すると、歯の根の先に膿が溜まることがあります。
このようなケースでは、通常の虫歯よりもかなり強い痛みが生じるため、痛み止めの効果を感じにくくなることがあります。
具体的には、実際痛み止めの効果は発揮されているものの、痛みが強すぎるあまりそこまで効いていないように感じるという状態です。
歯茎や骨の感染
虫歯がダメージを与えるのは、歯だけとは限りません。
その他の歯周組織にもダメージを与えることがあり、その一つに歯茎が挙げられます。
また歯茎の感染が骨にまで及んでいる場合、激しい痛みにつながり、痛み止めの効果を得にくくなることがあります。
虫歯以外の疾患
稀なケースではありますが、虫歯以外の疾患が原因で歯が痛むということもあります。
このような場合も、市販されている痛み止めではなかなか症状が改善しません。
例えば、心臓病が原因で歯や顎に痛みを感じる心臓性歯痛というものがあります。
こちらは虫歯とはまったく関係のない歯の痛みです。
また心臓性歯痛は、運動時や労作時に痛みが出やすく、休憩すると軽減しやすいという特徴があります。
さらに圧迫感、締め付けられるような痛みを伴うことが多く、胸の痛みや息苦しさ、左肩から腕にかけての痛みなど歯痛以外の症状を伴うこともあります。
痛み止めが効かない場合の応急処置について
痛み止めは、虫歯の痛みを軽減させるものですが、あくまで歯科クリニックに通うまでの応急処置として使用されるものです。
また応急処置として服用した痛み止めが効果を発揮しなかった場合は、以下の方法で対処することをおすすめします。
・患部を冷やす
・口内を清潔にする
・痛みに効くツボを押す
・温かい飲食物を避ける
各項目について詳しく説明します。
患部を冷やす
痛み止めの効果がない場合は、まず患部を冷やすことをおすすめします。
具体的には、氷や保冷剤をタオルに巻き、頬の外側から軽く当てて冷やしましょう。
ただし冷やしすぎると逆効果になる可能性があるため、冷たい飲み物を口に含んでみるなどして、痛みが悪化しないか確認しながら行いましょう。
また氷を直接口の中に入れる方法は、刺激が強すぎるため控えてください。
口内を清潔にする
歯ブラシで優しくブラッシングを行い、食べカスなどが詰まっている場合は取り除きましょう。
これにより、患部の痛みが若干治まる可能性があります。
また塩をぬるま湯に溶かした塩水や、殺菌効果のあるうがい薬でのうがいも同じような効果を発揮します。
痛みに効くツボを押す
手の甲、親指と人差し指の付け根にある合谷というツボを押すと、虫歯の痛みが軽減することがあります。
また耳の付け根の頬車、足の土踏まずの中央にある湧泉など、他にも痛みに効くツボは存在します。
温かい飲食物を避ける
血行が良くなることで痛みが増加する場合があるため、虫歯が痛いときは温かい飲み物、アルコールなどの摂取を控えましょう。
まとめ
痛み止めは文字通り痛みを止めるためのもので、通常は虫歯の痛みにも効果を発揮します。
しかし服用しても効果がない場合、虫歯の進行がひどかったり、虫歯以外の疾患を患っていたりすることがあります。
そのため、痛み止めが効かない時点で、できるだけ早く歯科クリニックの予約を取りましょう。
放置していると、取り返しのつかないことになるかもしれません。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。