歯科クリニックを受診することを決めた後は、まず歯科クリニック探しを始めなければいけません。
また自身にとって有意義な治療を受けるためには、探し方についても意識する必要があります。
今回は、実践してはいけない歯科クリニックのダメな探し方について解説します。
歯科クリニックのダメな探し方4選
歯科クリニックを探すにあたって、以下の探し方はNGと言えます。
・口コミの星の数だけで判断する
・アクセス面だけで決める
・ホームページの宣伝を鵜呑みにする
・院長の情報を確認せずに予約する
各項目について詳しく説明します。
口コミの星の数だけで判断する
インターネット上の口コミサイトや、Googleマップの星の数だけで判断するのは非常に危険です。
多くの方が「星4.5以上だから安心」「口コミ数が多いから名医」と思い込みがちですが、医療機関のネット評価にはいくつかの罠が潜んでいます。
歯科クリニックの中には、患者さん側が「治療の痛みに腹を立てた」「受付の対応が少し悪かった」という主観的かつ一時的な感情で、治療技術とは無関係に星1をつけていることもあります。
また、虫歯治療は痛みが取れれば成功とは限りません。
一見すると手際が良く、早く終わるため高評価を得ている歯科クリニックが、実は将来的に再発しやすいようなその場しのぎの雑な治療を行っている可能性すらあります。
本当に信頼できる歯科クリニックを見分けるためには、口コミの星の数という数字を見るのではなく、その中身を精査しなければなりません。
「なぜその評価なのか」の具体的な理由が書かれているか、院長の方針や実際の治療説明についての言及があるかなど、文章の具体性をチェックすることが大切です。
単なる数字の高さに惑わされず、情報の真偽を見極める目を持つ必要があります。
アクセス面だけで決める
通いやすさという利便性だけで歯科クリニックを選んでしまうのも、失敗を招く典型的なパターンです。
確かに、虫歯の治療や定期健診で何度も通うことを考えると、自宅のすぐ近くや通勤・通学の途中にある駅前のクリニックは非常に魅力的に思えるでしょう。
しかし、歯科医療はコンビニのようにどこへ行っても同じサービスが受けられるわけではありません。
歯科医師によって、得意とする治療分野は大きく異なります。
例えば、重度の歯周病で悩んでいる方が、たまたま駅前にある審美歯科やホワイトニングが得意なクリニックに駆け込んでも、根本的な原因治療が進まないことがあります。
また、最新の設備が整っていないため、本来なら残せるはずの歯を「抜歯するしかない」と診断されてしまうリスクもあります。
近さだけで選んだ結果、治療が長引いたり、何度も再発を繰り返したりして、最終的に別の遠い歯科クリニックに転院することになれば、それまでの時間も費用もすべて無駄になってしまいます。
アクセスはあくまで数ある条件の中の一つとして捉え、まずは自分の悩みに合った専門性や、信頼できる治療方針を持っているかどうかを最優先で確認するべきです。
ホームページの宣伝を鵜呑みにする
ホームページの華やかなデザインや、“最安値”、“最新の医療機器”といったキャッチコピーをそのまま信用してしまうのも、ダメな探し方です。
特にインプラントや矯正治療などの自由診療を検討している場合、少しでも費用を抑えたいという心理から、価格の安さをアピールするクリニックに惹かれやすくなります。
しかし、医療において安さには必ず理由があります。
提示されている格安の料金は、実は基本料金のみで、実際に治療を始めると検査料、診断料、アフターケア代などが次々と追加され、最終的には他院よりも高額になるトラブルが後を絶ちません。
本当に優れた歯科クリニックのホームページは、メリットだけでなく、治療に伴うリスクやデメリット、そして総額でいくらかかるのかを誠実に開示しています。
料金が記載されていない場合、その理由が補足されているのが一般的です。
誇大広告のような甘い言葉に飛びつくのではなく、医療機関として誠実な情報発信を行っているかどうかを、冷静に見極める必要があります。
院長の情報を確認せずに予約する
そのクリニックのトップである院長が、どのような経歴を持ち、何を得意としているかを調べずに予約するのは大きな間違いです。
一般の方は、「歯医者なら誰でもすべての歯の病気を完璧に治せる」と思いがちですが、これは内科、外科、眼科、皮膚科を区別せずに受診するようなものです。
歯科医師の中にも、大学病院の残って高度な治療を研究してきた方もいれば、開業医のもとで多くの臨床経験を積んできた方もいます。
また特定の学会に所属して、認定医や専門医の資格を取得している医師もいます。
これらを確認せずに受診すると、「根管治療が必要なのに予防歯科がメインのクリニックに行ってしまった」というようなミスマッチが起こります。
院長のプロフィールを見れば、その医師がこれまでどのような医療に力を注いできたのか、そのスタンスが一目で分かります。
さらに、複数の歯科医師が在籍する大型のクリニックでは、院長ではなく経験の浅い若い勤務医が担当になり、毎回先生が変わるというケースもあります。
自分の大切な歯を預ける相手だからこそ、誰が治療を行うのか、その医師は信頼できるバックグラウンドを持っているのかを、事前にチェックしておくことが不可欠です。
まとめ
歯科クリニックの多くは、患者さんの立場に立ち、適切な治療を正当な料金で行ってくれます。
しかし歯科クリニックはコンビニよりも数が多く、中にはお世辞にも優良とは言えないところも存在するのが現状です。
そのため、正しい方法で歯科クリニック選びを行うだけでなく、選ぶ際にはしっかり時間を使わなければいけません。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。