虫歯治療では、さまざまな器具や機械が使用されます。
これらは正しい工程で虫歯を適切に治療するために、どれも必要不可欠なものです。
しかし、何をどのように使用するのかについて、患者さんに説明される機会はあまりありません。
今回は、虫歯治療に使用する器具や機械に関することを解説します。
「キーン」という高い音の正体は?
虫歯治療のときに聞こえる「キーン」という高い音の正体は、エアタービンという圧縮空気で毎分30万回転以上する高速回転の器具です。
低い「ガガガ」という音の正体は?
「ガガガ」という低い音は、コントラアングルハンドピースという、主に低速で虫歯の除去や歯を磨く際に使う機械から生じる音です。
なぜ機械を高速で回す必要があるのか?
高速回転により振動が軽減され、患者さんの痛みや不快感を抑えつつ、精密に削ることが可能になるからです。
虫歯治療で使われるドリルの先端は使い捨て?
先端のバーは患者さんごとに交換し、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)で厳格に滅菌されます。
ドリルで削るときに水が出るのはなぜ?
高速回転による摩擦熱で歯の神経がダメージを受けないよう、冷却するために水を噴射しています。
シュッと水や風をかける機械は何?
口内にシュッと水や風をかける機械はスリーウェイシリンジというものです。
こちらは水、乾燥用の風、またはその両方を同時に出せます。
口の中を吸うバキュームはどれくらい強い?
バキュームは治療中に出続ける唾液だけでなく、削ったカスや飛沫を強力に吸い取ります。
そのため、治療中の口内の気持ち悪さはかなり軽減されます。
喉に水が溜まるのが苦手な場合は?
虫歯治療中、喉に水が溜まるのが苦手な方は、休憩を挟んだり、吸引力の高いバキュームを使用したりして対応可能です。
事前に歯科医師に伝えておきましょう。
削らない虫歯治療で使う機械は?
特定の虫歯に対し、レーザー治療器を用いて悪い部分だけを除去する方法があります。
レーザー治療は痛い?
レーザー治療は麻酔なしで行える場合が多いですが、深い虫歯では痛みが生じやすいことから、麻酔を併用するケースもあります。
すべての虫歯にレーザーは適用できる?
レーザー治療は、現状では初期から中期の虫歯に限定されることが多く、すべてのケースに適用できるわけではありません。
マイクロスコープを使用するメリットは?
マイクロスコープを使用することで、肉眼の数十倍に拡大して見ることができるため、虫歯の取り残しを防ぎ、削る量を最小限に抑えられます。
口腔内カメラでは何が見える?
口腔内カメラを使用すれば、自分の口の中の様子をモニターで確認でき、治療の必要性を視覚的に理解できます。
根管治療で聞こえる「ピピピ」という電子音の正体は?
根管治療で聞こえる「ピピピ」という電子音は、電気的根管長測定器の音です。
こちらの機械を使用することで、神経の管の長さを正確に測っています。
神経を清掃する針のような器具は何?
根管治療で使用される針のような器具は、ファイルやリーマーと呼ばれ、神経の汚れを掻き出すのに使用されます。
根管治療を自動で行う機械はある?
根管治療では、専用のモーターでファイルを回転させ、効率的かつ安全に清掃する機器が普及しています。
電動麻酔器と普通の注射は何が違う?
電動麻酔器は一定の速度で麻酔液を注入できるため、注入時の圧痛を軽減できます。
そのため、痛みに敏感な患者さんにとっても安心です。
光を当てる青いライトは何?
口内に光を当てる青いライトは光重合照射器といい、詰め物(レジン)を数秒で硬化させるために使用します。
虫歯治療で噛む薄い紙は何?
虫歯治療では、薄い紙を「何度か噛んでください」と言われることがあります。
こちらは咬合紙といい、噛み合わせの高さをミリ単位で確認・調整します。
口に挟む綿のロールの意味は?
虫歯治療で口に挟む綿のロールはロールワッテといい、防湿や止血、頬を避けるために使用されます。
虫歯治療に使用する器具は毎回洗っている?
虫歯治療で使用する器具は、当然毎回洗っています。
多くの歯科クリニックでは、世界基準の洗浄機や滅菌機で1回ごとに処理されています。
超音波スケーラーとは?
超音波スケーラーは、超音波の微細な振動で、歯ブラシでは落ちない硬い歯石を除去する器具です。
レントゲン撮影の被ばくは大丈夫?
最新のデジタルレントゲンは従来の1/10程度の線量であるため、被ばくによる健康への影響は極めて低いです。
削るときの焦げたようなニオイは機械の故障?
虫歯治療の焦げたようなニオイは、歯や詰め物を削る際に生じる摩擦熱によるもので、機械の故障ではありません。
まとめ
虫歯治療に苦手意識を持っている方の中には、「何をされるかわからない」「何のための器具かわからない」ということが恐怖心につながっている可能性もあります。
そのため、事前にどのような器具や機械が使用され、それぞれどういった役割があるのかを把握しておくことは大切です。
もちろん、その場で器具や機械について気になったことを質問すれば、歯科医師が答えてくれます。
