ブラッシングをする際は、漠然と歯ブラシを動かすのではなく、しっかりと食べカスやプラークを除去しなければいけません。
またこのときのポイントとしては、しっかりと鏡を見ることが挙げられます。
今回は、ブラッシングで鏡を見ることの重要性を中心に解説します。
鏡を見ずにブラッシングをするデメリット
鏡がなくても、歯ブラシと歯磨き粉さえあればブラッシングをすること自体は可能です。
しかし、鏡を見ずに磨く場合、以下のようなデメリットが生じます。
・磨き残しが出やすい
・歯や歯茎が傷つきやすい
・正しいブラッシングが難しい
各デメリットについて詳しく説明します。
磨き残しが出やすい
鏡を見ずにブラッシングを行う場合、どうしても磨き残しのリスクは高まります。
ブラッシングで食べカスやプラークを落とすには、目でそれらを確認し、確実に歯ブラシを当てていくことが望ましいです。
明らかに付着している感覚があれば良いですが、すべての食べカスやプラークがそうとは限りません。
特に奥歯の側面や前歯の裏側などは、汚れが付着していてもその感覚が少ないため、磨き残しが出やすくなります。
もちろん磨き残しはやがて歯石を形成し、口内環境を悪化させて虫歯や歯周病を引き起こしてしまいます。
一度付着した歯石は、歯ブラシの力だけで落とすことは基本的にできません。
歯科クリニックでスケーリングやルートプレーニングなどの施術を受け、専用の器具で除去してもらう必要があります。
歯や歯茎が傷つきやすい
鏡を見ずにブラッシングすることは、歯や歯茎が傷つきやすくなることにつながります。
目で汚れを確認できない状況の場合、多くの方は何度も同じ場所を磨いたり、強めにブラッシングしたりするでしょう。
しかしこれらの行動は、健康な歯や歯茎を維持するにあたっては良くありません。
オーバーブラッシングによって歯の表面が削れると、汚れや着色がつきやすくなり、口内環境が悪くなるおそれがあります。
また歯茎のダメージは、知覚過敏などのリスクを高める原因にもなります。
ちなみに、このような強い力でのブラッシングを続けていると、歯ブラシが劣化するスピードも早まります。
通常、歯ブラシは1ヶ月に1回程度交換するものですが、オーバーブラッシングの場合は数週間で毛先が広がってしまうことも考えられます。
正しいブラッシングが難しい
鏡を見ずにブラッシングする場合、知識や技術がある方であっても、正しいブラッシングが難しくなります。
ブラッシングの際は、力だけでなく歯ブラシの角度も調整しなければいけません。
歯並びは人によって異なるため、正しい磨き方もそれぞれ異なります。
しかし、鏡を見ていない場合、歯並びに合ったブラッシングを正しく実践するのは困難です。
なぜなら、自身の歯並びはある程度把握できても、歯ブラシを当てるべき正しい角度までは身体に染み付いていないことが多いからです。
ブラッシング時に鏡がない場合の対処法
自宅以外の場所でブラッシングをする場合、鏡がないことも多いです。
このような状況でどうしても口内のケアをしたい場合は、ブラッシングではなくうがいやマウスウォッシュなどで対応する方が無難だと言えます。
水で口内を洗い流すだけでも、一切ケアをしないよりは食べカスやプラークを除去することができます。
マウスウォッシュについても、口に入れてゆすぐだけである程度口内環境を清潔に保てます。
もちろん、これらはブラッシングの代わりになるものではありませんが、歯や歯茎を傷つけるリスクもないことを考えると、悪い選択肢ではないと言えます。
ちなみにどうしても歯ブラシでブラッシングをしたい場合は、磨いた後に指を使って汚れを確認しましょう。
人差し指の腹で歯をなぞるようにすれば、ある程度食べカスやプラークが残っていないかどうかを確認できます。
直接指で歯を触るのに抵抗があるという方は、指にティッシュなどを巻いて行うと良いでしょう。
携帯用の鏡を常備しておくのもおすすめ
鏡がないところでブラッシングをするケースに備えて、普段から携帯用の鏡を持ち歩いておくというのもおすすめです。
携帯用の鏡は、100円ショップなどでも気軽に購入できます。
また一部の携帯用の鏡には、拡大鏡がついているものもあります。
こちらは、ブラッシングの際に細かい部分まで確認できるため、非常に便利です。
さらに、普段必ず持ち歩くものとして便利なのは、鏡がついたスマホケースです。
スマホを持ち歩かないというケースは極めて稀であるため、スマホケースに鏡がついていればいつでも口内の状態を確認できます。
まとめ
ブラッシングの際、なんとなく鏡の前に立っているものの、あまり口内を鏡でチェックしていないという方は多いのではないかと思います。
鏡で汚れを確認し、歯ブラシで落とした後、再度汚れが落ちているかを確認するまでが正しいブラッシングです。
そのため、これまで一切鏡を確認していなかった方は、正しいブラッシングができていなかったという自覚を持たなければいけません。