ブラッシングをするときは、ほとんどの方が歯ブラシと歯磨き粉を使用しているかと思います。
しかし、歯磨き粉をつけずに水のみでブラッシングをするという方も、意外と多くいます。
今回は、水だけでブラッシングをすることのメリットとデメリットについて解説します。
水だけでブラッシングをするメリット
水と歯ブラシだけでブラッシングをするメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。
・刺激が少ない
・汚れが見えやすい
・手軽
各メリットについて詳しく説明します。
刺激が少ない
歯磨き粉を使用せず水だけでブラッシングすれば、口内の刺激は必然的に少なくなります。
歯磨き粉には、研磨剤や発泡剤などさまざまな成分が含まれています。
研磨剤は文字通り歯を研磨する成分で、発泡剤は泡立てる役割があります。
これらの刺激が苦手な方にとって、水だけでブラッシングすることは刺激が少なく、口内環境に優しい選択肢となります。
汚れが見えやすい
水だけでブラッシングをする場合、歯に付着した汚れが見えやすくなります。
こちらは発泡剤の影響を受けないからです。
発泡剤で口内が泡立つことにより、爽快感を得ることができますが、泡の量が多すぎると食べカスやプラークを視認しにくくなります。
その結果、磨き残しが出てしまうことにつながります。
その点、水だけであれば歯に付着した汚れをしっかり見ながら落とせるため、磨き残しのリスクは軽減されます。
手軽
単純に手軽だという点も、水だけでブラッシングすることのメリットです。
歯磨き粉を必要としないため、外出先や旅行先など、歯磨き粉を持ち歩けない状況でも手軽に歯を磨くことができます。
また歯ブラシに歯磨き粉をつけるという手間を省くことができるため、これまでよりも頻繁にブラッシングをするきっかけになるかもしれません。
水だけでブラッシングをするデメリット
水だけでブラッシングする方法には以下のデメリットもあるため、注意してください。
・プラーク除去効果が低い
・虫歯、歯周病予防効果が低い
・口臭予防効果が低い
・着色汚れを落とすのが難しい
各デメリットについて詳しく説明します。
プラーク除去効果が低い
歯磨き粉を使用せず、水だけで磨く場合、汚れを見ながら落としやすいという話をしました。
しかし、歯磨き粉に含まれているプラーク除去効果のある成分の恩恵を受けられないため、実際はそこまで飛躍的に除去効果が向上するわけではありません。
確かに、目に見える部分のプラークは落としやすいですが、前歯の裏や奥歯など見えにくい部分は汚れが残ってしまう可能性があります。
また見えにくい部分は、虫歯を発症していてもなかなか気付けないことが考えられます。
虫歯、歯周病予防効果が低い
虫歯や歯周病予防効果が低い点も、水だけでブラッシングをすることのデメリットです。
歯磨き粉に含まれるフッ素などの成分は、歯を強くし、虫歯を予防する効果があります。
水だけで磨く場合、これらの成分を摂取できないため、虫歯予防効果が期待できません。
さらに、殺菌作用などがある成分の効果も得られないため、歯周病のリスクも高まってしまいます。
口臭予防効果が低い
口臭が気になる方は、水だけでブラッシングをするべきではありません。
なぜなら、水だけの場合、プラークを除去できたとしても口臭予防効果は下がってしまうからです。
歯磨き粉には、口臭の原因となる菌を殺菌したり、口臭をマスキングして目立ちにくくしたりする成分が含まれています。
そのため、ある程度ニオイを軽減させられます。
水だけの場合、そこまで口臭の軽減効果は得られないため、自身だけでなく周りの方にも迷惑をかけてしまう可能性があります。
本人は自身の口臭に慣れるのが早いため、ニオイが出ていてもそれほど気になりませんが、周りの方はかなり離れていても口臭がしていることがわかります。
着色汚れを落とすのが難しい
水だけで行うブラッシングには、着色汚れを落とすのが難しいというデメリットもあります。
歯の表面に付着したコーヒーや赤ワインなどの着色汚れは、歯磨き粉に含まれる研磨剤によって除去されます。
また歯磨き粉の中には、ホワイトニング歯磨き粉という着色汚れを除去するのに特化したものも存在します。
水だけで磨く場合、汚れは落とせても着色汚れまで落とすのは難しいです。
いわば洗剤をつけず、汚れてしまった食器を洗っているようなものです。
もちろん、着色汚れを落とせないということは、水だけでブラッシングしている以上、どんどん歯は黄ばんでいくということになります。
特にコーヒーや赤ワイン、ケチャップやカレーなど色の濃いものを頻繫に摂取する方は注意が必要です。
まとめ
ブラッシングは回数ではなく、1回1回の質を大切にしなければいけません。
そのため、基本的には歯磨き粉をつけて磨くようにしましょう。
水だけで行っても良いのは、あくまで歯磨き粉が用意できないときの応急処置的な場合に限ります。
もちろん、歯磨き粉で磨くだけでなく、マウスウォッシュなどのデンタルケアアイテムを併用することも大切です。