スキューバダイビングは、空気タンクを背負って水中に潜り、海中を探索する人気のマリンスポーツです。
旅行などで体験する他、普段から趣味で行っている方も多いです。
しかし、スキューバダイビングは虫歯との相性が良くありません。
今回は、こちらの点を中心に解説します。
虫歯の方がスキューバダイビングを行うデメリット
虫歯を発症している状態でスキューバダイビングを行うことのデメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。
・歯が痛む
・詰め物が外れる
・マウスピースが噛めない
各デメリットについて詳しく説明します。
歯が痛む
虫歯がある状態でスキューバダイビングを行うと、歯の痛みが生じることがあります。
スキューバダイビングでは、潜降時に水圧が上昇し、体内の気圧と海水の圧力が不均衡になります。
この圧力差により、歯の内部にある空洞内の空気が圧縮され、神経を刺激して痛みが生じることがあります。
このように圧力の差で歯の痛みが生じるというケースは、飛行機に乗ったときに虫歯が痛む現象と似ています。
また空気タンクを背負っているとはいえ、水中で虫歯の痛みが強くなるのは非常に危険です。
もちろん、海中を探索することがスキューバダイビングの醍醐味ですが、歯が痛いと探索にも集中できなくなります。
詰め物が外れる
虫歯を治療している最中の方は、スキューバダイビングをすることによって仮の詰め物が外れてしまうことがあります。
こちらも水圧の変化が原因です。
スキューバダイビング中、水圧が急激に変化することで歯や詰め物に圧力がかかり、外れてしまうことがあります。
特に深い場所へ潜る場合や、急浮上するときに起こりやすいです。
また仮の詰め物は、最終的に装着される詰め物とは違い、そこまで品質が良くありません。
そのため、スキューバダイビングによる水圧の影響を受けやすくなります。
マウスピースが噛めない
マウスピースが噛めないことも、虫歯がある方がスキューバダイビングを行うデメリットです。
こちらは痛みで噛む力が減少することが理由です。
スキューバダイビングでは、レギュレーターと呼ばれる呼吸装置にマウスピースを装着し、口に加えます。
こちらは空気をダイバーの口に運び、水中での呼吸を可能にする役割があります。
またスキューバダイビングのマウスピースは、そこまで強い力で噛む必要はありません。
軽く口をすぼめてくわえる程度でOKです。
しかし、虫歯の痛みがあると、マウスピースを軽く噛むのも難しくなります。
特に前歯付近に痛みがある場合は、マウスピースの装着時に強い痛みが出ることが考えられます。
もちろんマウスピースをくわえるのが困難である場合、ダイビング中の空気供給ができないため、スキューバダイビングを行うのは難しくなります。
スキューバダイビングにおけるその他の口内へのデメリット
スキューバダイビングは、虫歯の痛みだけでなく、他にもさまざまな口内の問題を引き起こします。
具体的には、顎関節症や口内炎です。
レギュレーターのマウスピースを長時間噛み続けることで、顎関節や筋肉に負担がかかり、顎関節症を引き起こす可能性があります。
特に、初心者の方や緊張しているダイバーの方は、マウスピースを強く噛みしめがちため、注意してください。
またマウスピースが当たっている部分には、口内炎が形成されることも考えられます。
口内炎による痛みも、虫歯の痛みと同じく快適なスキューバダイビングを阻害する要因となります。
ちなみに副鼻腔炎などの症状があると、浮上時に閉じ込められていた空気が膨張し、虫歯の痛みが生じやすくなります。
こちらはリバースブロックと呼ばれる現象であり、ゆっくりと浮上し、耳抜きをしっかり行うことで発生しにくくなります。
虫歯がある方は先に治療を済ませておこう
虫歯がある方は、スキューバダイビングを行う前に、治療を完了させておきましょう。
虫歯の痛みはスキューバダイビングを行うにあたって非常に邪魔なものですし、詰め物が外れてしまうと再治療を受けなければいけません。
また虫歯を発症していなくても、過去に治療した詰め物や被せ物が入っている方は注意が必要です。
特に銀歯などの安価な詰め物は、経年によって劣化しやすく、スキューバダイビングを行うことで簡単に外れてしまう可能性があります。
ちなみに、スキューバダイビングの前に定期検診などで歯科クリニックを訪れる機会がある方は、ダイビングの予定を伝えておきましょう。
そうすることで、事前に口内の検査を行ってくれたり、影響が出ないような治療を実施してくれたりすることが考えられます。
まとめ
これから暑い夏が訪れるため、アクティビティの一環としてスキューバダイビングを行う方は増えることが予想されます。
もちろん、スキューバダイビング自体は、インストラクターの指示にさえ従えばそこまで危険なものではありません。
しかし虫歯がある方や治療中の方、過去に治療を受けている方などは、事前に必要な検査や治療を行った上でスキューバダイビングを楽しむべきです。