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お知らせ

浸潤麻酔法について

歯科治療で歯を削るときに麻酔をかけたことがあるという人もいるのではないでしょうか。 麻酔にはいくつかの種類があり、治療内容や症状によって使い分けています。 麻酔法の中でも特に知られているのが、浸潤麻酔法という方法です。 今回は、浸潤麻酔法について解説します。 浸潤麻酔法とは? 浸潤麻酔法は、歯茎に注射で麻酔薬を注入することで、治療する一部の歯だけの痛みを軽減するという麻酔法です。 歯科医院で受ける治療にはさまざまなものがありますが、治療の多くは痛みを伴うため、痛みを抑えるために麻酔を使用します。 麻酔法にも種類がありますが、最も基本的で昔から使われている方法が浸潤麻酔という方法です。 多くの人が、虫歯治療や抜歯の際などに受けた経験があるでしょう。 浸潤麻酔は部分麻酔であり、部分麻酔は一部の感覚だけがなくなって他の部分には影響がないため、麻酔が切れるまでの間は唇や頬を噛みやすくなります。 普段なら歯に触れる部分に唇や頬があるとわかりますが、麻酔がかかっていると唇や頬にも感覚がなくなるため、噛まないように歯を止めることができなくなるのです。 浸潤麻酔は、麻酔をかける際の注射もかなりの痛みを伴うため、表面麻酔という麻酔法を併用するのが一般的です。 表面麻酔は、液体やジェル状の麻酔薬を歯茎の表面に塗布することで、針を刺す痛みを軽減するというものです。 一般的な歯科治療で行われるものであり、どこの歯医者でも行うことができる麻酔ですが、表面麻酔だけでは歯を削る痛みなどは消えないため、必ず注射が必要となります。 さらに、電動麻酔を使用することで浸潤麻酔の痛みを軽減させることが可能です。 痛みを少なくするために、電動麻酔を使用している歯科医院もあるでしょう。 電動麻酔は部分麻酔に使用するもので、通常は歯科医が手動で行う注射を、器具が自動で動いて痛みが少ないように行うという方法です。 麻酔の注射の痛みは、麻酔を注射する際の速度によっても異なるため、一定の速度でゆっくりと注射した方が痛みは少なくなります。 電動麻酔はコンピューター制御で注射していくため、歯科医の技術に関わらず効果を発揮します。 ただし、どの歯科医院でも用意しているわけではありません。 また、麻酔液の温度も痛みに影響し、冷たければ痛みが強くなるため、麻酔液を人肌に近い温度まで温めてから注射することで痛みを抑えることができます。 麻酔液を温めるためには、専用のウォーマーが必要となるため、無痛治療を行っていない歯科医院では置いていないことが多いでしょう。 浸潤麻酔法のメリットとデメリット 浸潤麻酔は多くの歯科医院で行われている麻酔法ですが、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか? 浸潤麻酔のメリットとして、まずはどこでも受けることができるという点が挙げられます。 他のさまざまな道具が必要となる麻酔法と比べ、歯科医院ならまずどこでも扱っています。 最も基本的な麻酔法であるため、多くの歯科医院が習熟しているという点もメリットで、注射針を刺す角度や注入するスピードなどの技術に優れているでしょう。 浸潤麻酔は、歯科医の技術によって痛みや麻酔のかかり方などが異なるため、ベテランの歯科医の治療を受けた方が痛みは少ないでしょう。 また、他の麻酔法よりも浸潤麻酔法の方が費用は安くなっています。 治療費はさまざまな費用の合算であるため、麻酔単体の費用に着目することは少ないかもしれません。 コスト面で優れていることも、浸潤麻酔法のメリットです。 部分麻酔であることから、使用する麻酔薬の量が少なく、薬による副作用なども起こりにくいということも、メリットの1つでしょう。 一方、浸潤麻酔法のデメリットとしては、まず痛みを確実に防ぐことができない、という点が挙げられます。 一部分にだけかかる麻酔であるため、治療の際の刺激が麻酔をかけたところ以外まで伝わってしまうと、痛みが生じることがあるのです。 浸潤麻酔法で麻酔をかけたとき、痛みがあるため麻酔が効きにくいケースもありますが、実は麻酔がかかっているところ以外が痛んでいることもあるのです。 また、浸潤麻酔には手足のしびれや震え、吐き気、悪心などの副作用があるため、体質によっては副作用に気をつけなくてはなりません。 過去に、麻酔による副作用があったという方、麻酔薬に使用されている成分にアレルギーがあるという方は、事前に申し出るようにしましょう。 浸潤麻酔で使用する麻酔薬にはリドカイン塩酸塩とアドレナリンが含まれていることが多いため、血圧上昇や動悸などが起こることもあります。 持病として高血圧や心臓病などがある場合は症状が悪化してしまう可能性もあるため、麻酔を使用する前に安全か確認してもらいましょう。 まとめ 歯科医院で治療を受けるときに使用する麻酔はいくつかありますが、中でも浸潤麻酔法は部分麻酔とも呼ばれる、最も基本的な麻酔法です。 歯茎に注射して麻酔をかける浸潤麻酔法は、痛みを完全に防ぐことができるとは限らず、麻酔が切れるまでの間は唇や頬を噛むことも多いため、注意しましょう。 また、副作用が起こることもあるため、事前に体調をチェックしてアレルギーなどがある場合は歯科医師に申告してください。

2024.08.08

入れ歯を使用する方の食事における注意点

歯を失ったとき、多くの方が真っ先に考えるのは入れ歯の装着だと思います。 入れ歯は主に高齢の方が装着し、日々の生活における利便性を高めるために用いられるものです。 しかし、快適な生活を送るにはいくつか注意しなければいけないこともあります。 今回は、入れ歯を使用する方の食事における注意点を中心に解説します。 入れ歯を使用する方の食事における注意点4選 初めて入れ歯を装着する方は、以下の注意点を押さえながら、適切に食事を摂ることを心掛けなければいけません。 ・前歯で噛み切り奥歯で潰す ・食べやすいように調理する ・食べやすい食品を選ぶ ・食後のメンテナンスを欠かさない 各項目について詳しく説明します。 前歯で噛み切り奥歯で潰す 総入れ歯を装着する方は、すべての歯を入れ歯でカバーすることになるため、特に咀嚼の方法に気を付けなければいけません。 入れ歯を装着した状態での基本的な咀嚼方法は、前歯でものを噛み切り、奥歯で潰すという方法です。 入れ歯の装着は奥歯から始まることが多いため、噛み切るのも潰すのもすべて前歯で行っている方は多いかと思いますが、こちらはNGです。 なぜなら前歯だけで咀嚼してしまうと、入れ歯が入っている奥歯が浮いてしまい、動揺したり外れたりするリスクが高まるからです。 また入れ歯が入った状態でものを噛むときは、左右両方で同時に噛むことも意識しましょう。 いずれか一方だけで噛み続けていると、片方が浮いてしまい、食事の際の不便さや違和感が大きくなります。 特に下顎の総入れ歯は、ピッタリ歯茎に吸いつくように作るのが難しいため、しっかり左右同時に噛んで安定させなければいけません。 食べやすいように調理する 入れ歯を使用する方は、なるべく食べやすいように食材を調理する必要があります。 まず食材の大きさについては、なるべく小さめの一口サイズくらいにしましょう。 これまで当然のように食べてきたサイズのものでも、入れ歯を装着するとうまく咀嚼できなくなることが考えられます。 また食材を薄く切ったり、切れ目を入れたりする方法も有効です。 例えば蒲鉾や漬物など、そのままでは食べにくいものでも、薄く切ったり切れ目を入れたりすれば食べやすくなります。 その他、食材をよく煮込んでやわらかくしたり、肉の筋をしっかり断ち切ったりする方法もおすすめです。 煮込み料理については、温度が高くなりすぎないようにしましょう。 なぜなら、総入れ歯の場合は義歯床が分厚く、本来食べられないほど熱いものも食べることができるからです。 つまり、入れ歯がない部分の火傷につながりやすいということです。 ちなみに、野菜などはみじん切りにすれば食べやすいと考える方もいますが、こちらはおすすめできません。 みじん切りにされた食材は、入れ歯と歯茎の間に入り込みやすく、痛みや磨き残しなどのリスクが高まります。 食べやすい食品を選ぶ 入れ歯を使用して食事を摂る場合、できるだけ食べやすい食品を選ぶことも大切です。 特に入れ歯を入れたばかりの頃は、やわらかいものから食べ始めるようにしましょう。 時間が経過し、咀嚼に慣れてきた段階で、少しずつ硬さのあるものを採り入れていくのが理想的です。 また入れ歯を装着する方は、硬い食べ物を避けがちになりますが、時期が来れば硬いものは適度に摂らなければいけません。 ずっとやわらかいものばかり食べていると、歯茎が痩せて咀嚼能力はどんどん低下してしまいます。 さらにやわらかいものばかり食べていると、唾液の分泌量が減少し、口内の洗浄作用や抗菌作用の他、身体の消化作用も働きにくくなります。 食後のメンテナンスを欠かさない 入れ歯の状態で食事を摂った後は、入れ歯のメンテナンスが欠かせません。 具体的には、入れ歯用のブラシやマウスウォッシュ、入れ歯洗浄剤などのアイテムを駆使し、丁寧に汚れを落とします。 このとき、通常の歯ブラシや歯磨き粉などは使用してはいけません。 通常の歯ブラシで入れ歯を磨くと表面にキズがつきますし、歯磨き粉には研磨剤が含まれているおそれがあるからです。 また、入れ歯を磨く際には、たとえ入れ歯用ブラシであっても強い力を入れてはいけません。 強く擦りすぎると、歯ブラシで磨いた時のように入れ歯にキズがついてしまい、装着時や咀嚼時の違和感が大きくなります。 ちなみに、入れ歯を使用する方は入れ歯のメンテナンスばかりに気を取られがちですが、キレイにしなければいけないのは天然歯も同じです。 特に部分入れ歯を装着する場合、口内をキレイな状態にしておかなければ、天然歯で虫歯や歯周病を発症しやすくなります。 まとめ 総入れ歯や部分入れ歯は、患者さんの快適な食事をサポートしてくれるものですが、それはあくまで正しい食事を行っていることが前提です。 噛み方を間違えたり、硬いものばかり食べていたりすると、食事の際の違和感や痛みが大きくなりますし、入れ歯の劣化も早まります。 またメンテナンスについても、入れ歯を状態良く使い続けることを意識して行わなければいけません。

2024.08.07

入れ歯の装着で痛みが出る原因とは?

入れ歯を装着することにより、歯を失った方でも咀嚼や発音がしやすくなります。 また歯を失った部分の腫れ、歯周病といった症状も未然に防げる可能性があります。 しかし、入れ歯を入れてからというもの、どうも痛みが引かないというケースも考えられます。 今回は、入れ歯の装着で痛みが出る原因や対処法を解説します。 入れ歯の装着で痛みが出る原因8選 入れ歯装着後の痛みは、主に以下のような原因で発生します。 ・入れ歯が合っていない ・噛み合わせが悪い ・唾液の量が少ない ・装着に慣れていない ・顎関節症を発症している ・骨や筋肉が痩せている ・食べ物が挟まっている ・メンテナンスが足りていない 各項目について詳しく説明します。 入れ歯が合っていない 歯科クリニックで作製した入れ歯が合っていない場合、装着時には痛みが出る可能性が高いです。 口内は髪の毛が1本入っているだけでもわかるくらい敏感であるため、合っていない入れ歯が粘膜に当たれば痛みが出るのは当然です。 またこのようなケースでは、入れ歯を使用し続けてはいけません。 すぐ歯科クリニックに相談し、調整をしてもらいましょう。 ちなみに、歯茎は年齢を重ねるにつれて形状が変わるため、修正は定期的に行わなければいけません。 噛み合わせが悪い 入れ歯に問題がなかったとしても、患者さん自身の噛み合わせに問題がある場合、痛みが出る可能性があります。 こちらは、食べ物を咀嚼する位置がずれてしまい、力のかかる部分、かからない部分が出てくることが理由です。 このようなケースでも、早急に歯科クリニックを受診する必要があります。 また部分入れ歯の場合、支えとなる歯の形状などに問題があれば、そちらの治療を受けなければいけないことも考えられます。 唾液の量が少ない 唾液の分泌量が少ない場合、口内が乾燥し、入れ歯の装着による舌もしくは唇の痛みが出やすくなります。 具体的には、乾燥によって歯茎と入れ歯の摩擦が強くなったり、入れ歯がくっついたりすることが痛みにつながる理由です。 また唾液の量が少なくなっている場合、シェーグレン症候群を発症している可能性があります。 シェーグレン症候群は指定難病の一つで、免疫のバランスが崩れることによって目や口などの乾燥症状が出る疾患です。 異常に口内が乾くという方は、まず歯科クリニックに相談して原因を突き止めましょう。 装着に慣れていない 入れ歯を装着したばかりの方は、口内の違和感に慣れておらず、痛みを感じることがあります。 一般的に入れ歯の装着には1ヶ月程度で慣れてきますが、1ヶ月以上経っても改善されない場合、何かしらの問題が生じている可能性があります。 場合によっては、歯科クリニックで修正をしなければいけないことも考えられます。 顎関節症を発症している 入れ歯を装着してから、顎周辺に痛みを感じるようになったという場合は、顎関節症を発症していることも考えられます。 顎関節症は、顎の痛みや異音、開口障害といった症状が見られる疾患です。 そのまま放置すると、関節円板の癒着などが進行し、まったく口が開かなくなってしまうこともあるため、早急に歯科クリニックで診てもらいましょう。 骨や筋肉が痩せている 入れ歯を装着し、しばらく経ったタイミングで痛みを感じ始めた場合、顎の骨や筋肉が以前よりも痩せている可能性があります。 人は年齢を重ねると、少しずつ顎の骨や筋肉の使用頻度が減り、衰えていきます。 そのため何年も同じ入れ歯を使用しているという場合、いつの間にか歯茎と入れ歯の間に隙間ができ、合わなくなってしまうことがあります。 このようなことにならないためにも、歯科クリニックでの定期メンテナンスは重要です。 食べ物が挟まっている 口内の異物感と痛みを同時に感じるという場合、入れ歯と歯茎の間に食べ物が挟まっている可能性があります。 特に痛みを生じやすいのは、繊維質の野菜やゴマなどの小さいものが入り込んだときです。 またこれらは磨き残すケースも多いため、まずは痛む部分を優しくブラッシングして様子をみましょう。 頻繁に食べ物が入り込む場合、入れ歯の調整が必要になることもあります。 メンテナンスが足りていない 入れ歯を毎日きちんと洗浄しなかったり、歯を磨いていない状態で使用したりしていると、口内炎ができて痛みが強くなることがあります。 また不適切な入れ歯の使い方をしていると、誤嚥性肺炎のリスクも高まります。 誤嚥性肺炎は食べ物や唾液と一緒に細菌を飲み込んでしまい、細菌が肺に感染して発症するものであり、高齢の方が発症すると命の危険もあります。 まとめ 入れ歯を装着することにより、痛みが出るケースは決して珍しくありません。 特に装着し始めの頃は、違和感や痛みに悩まされやすくなります。 しかし、その痛みがいつまでも続いたり、ある日突然強い痛みに襲われたりした場合、口内や入れ歯にトラブルが発生している可能性が高いです。 このようなトラブルについては、たとえ面倒でもその都度しっかりと解決していかなければいけません。

2024.08.06

歯科衛生士は具体的にどのようなことをするのか解説します

歯科医院で治療を受ける際は、歯科医だけではなく歯科衛生士も一緒に治療を行いますが、実は歯科医院には歯科衛生士しか行っていない診療科目もあります。 歯科衛生士は単に歯科医の助手という立場ではなく、非常に重要な役割があるのです。 歯科衛生士が行う代表的な診療を解説します。 仮歯の作製とは? 虫歯の治療をしたとき、歯の虫歯に感染している部分を削って除去しなければなりません。 しかし、歯を削ると形が変わってしまいます。 削った範囲が狭ければ詰めものを装着し、大きく削った場合は被せものを装着して、削った部分を補います。 詰めものや被せものは歯を削った後に残った歯の形に合わせて作製するため、型を取ってすぐにできるわけではなく、できあがるまで数日かかることが一般的です。 その間、問題になるのが削った歯で、数日間歯が削られた状態で過ごすのは不便でしょう。 削った後の歯の形によっては、舌を傷つけたり、歯が折れてしまったりする恐れもあります。 このような問題を解消するため、通常、虫歯治療で歯を削った後は、被せものができるまでの間に不便がないように、レジンという歯科用プラスチックで作製した仮歯を装着しておきます。 この仮歯を作製するのが、歯科衛生士です。 仮歯は数日と、ごく短期間しか使用しません。 ずっと使い続けるわけではないものの、歯の快適さはごくわずかな違い大きく変わってしまうため、細かな調整が必要です。 仮歯を一度装着してみて、何か違和感がないか歯科衛生士がチェックして、調整していくこともあります。 仮歯の作製に、何時間もかけるわけにはいきません。 基本的に20分以内には作り上げなくてはならないため、歯科衛生士は日ごろから練習を重ねています。 仮の歯とはいえ、大きすぎればきちんと収まらず、小さすぎればポロリと取れてしまうケースもあるでしょう。 しっかりと固定され、高さなどもちょうどよく歯茎にべったりとつかないように、仮歯を調整していく必要があります。 歯周組織検査とは? 歯科において虫歯と並んで特に多い病気が、静かな病気と言われる歯周病です。 初期段階では気が付くことができず、重症化していることも珍しくありません。 歯科を受診したとき、歯周病ではないか、歯周病の場合はどのくらい進行しているのかを調べます。 調べるためにはいくつかの方法があります。 歯周組織検査とは、直接歯肉を見て触ってみて、歯周病になっていないかを調べる検査方法であり、歯周病の検査としてはエックス線検査と並んで重要とされています。 歯周組織検査も歯科衛生士の仕事で、歯周ポケットの深さや測定時の出血、歯の動揺度、歯垢の付着度などを確認するのです。 歯周ポケットの深さは、プローブという器具を挿入して内側をごく軽い力で触り、状態を確認していきます。 深さや出血の状態を測定することで、歯周病の進行度合いを判別することが可能です。 正常な歯茎であれば歯周ポケットは1~2mmほどですが、歯肉炎になっていると深さは2~3mmほどになり、軽度歯周病の場合は3~4mmになります。 深さが6mm以上の場合は重度歯周病になっていて、末期になると歯が自然と抜けてしまいます。 歯周病は、日本人の成人のうち8割がかかっているといわれるため、決して他人ごととはいえません。 歯周病を治療する際は、プラークコントロールが90%を占めているといわれているように、プラークを除去する必要もあります。 歯垢は歯周病の主な原因であり、歯垢の中で歯周病菌が増えることで、歯周病が発症して症状が進行していくのです。 歯周組織検査で歯垢が多いことが分かった場合、プラークコントロールが完璧にできていれば、治療はほとんど終了したといえるでしょう。 概形印象の採得とは? 歯科治療において、被せものやブリッジ、入れ歯などを作製するときは、基本的に印象採得という型取りを行う必要があります。 おおよその歯並びを確認して治療の診断を行う場合や、治療後の経過を観察する場合に、概形印象を採得して確認します。 概形印象の採得に近いもので、精密印象の採得と咬合採得がありますが、精密印象や咬合を採得する場合、歯科衛生士はできません。 補綴物や入れ歯の作製に用いられる印象であり、概形印象と比べると細部まで確認できるようになっています。 精密印象の採得に使用する素材はさまざまですが、補綴物を精密に作製できるよう精密に型取りができるような素材を使用しています。 まとめ 歯科衛生士が行っている診療には、虫歯治療における仮歯の作製や歯周病についての検査を行う歯周組織検査、詰めものや被せものを作製するために必要な印象採得などがあります。 虫歯治療をした時は仮歯が非常に重要で、なければ治療中の歯に悪影響が及ぶこともあります。 歯周組織検査や印象採得なども、治療を進めていくうえで必要となるものです。 歯科衛生士がいなければ、治療を進めるのは困難といえるでしょう。

2024.08.03

笑気吸入鎮静法について

歯科治療で歯を削るときは麻酔をかけてから行いますが、麻酔にはいくつかの種類があり、治療内容や症状によって使い分けることになります。 麻酔法の一種に笑気吸入鎮静法がありますが、具体的にはどのような麻酔法でしょうか? 笑気吸入鎮静法の内容と、どのような時に使用される麻酔法かを解説します。 笑気吸入鎮静法とは? 笑気吸入鎮静法は、無痛分娩にも使用される非常に安全性の高い治療法であり、リラックスした状態でストレスなく治療を受けることが可能です。 使用される笑気ガスは、10~30%の亜酸化窒素と70~90%の酸素を混合した亜酸化窒素であり、使用する際は鼻呼吸によってゆっくりと吸入します。 弱い睡眠・鎮静・鎮痛作用があり、一部を麻痺させる浸潤麻酔とは違い、浅い眠りのようなリラックスした状態で治療を受けられる点がメリットです。 体が温かくなってきたと感じる方、お酒を飲んだ時の様に気持ちのよいほろ酔いの状態になると感じる方など、感じ方は人によって異なります。 しかし、共通しているのは意識が半覚醒の状態になるため、治療にかかる時間が短く感じて、すぐに終わったと感じるという点です。 笑気ガスと呼ばれるのは、ガスを吸入することで緊張や不安、恐怖などを感じにくくなり、弛緩して笑っているように見えることが由来です。 治療後は、100%の酸素を吸入することで亜酸化窒素がすぐに排出されるため、体内に蓄積されたり副作用が起こったりすることはありません。 主に使われる治療は? 笑気吸入鎮静法は、特別な治療に用いられる麻酔法ではなく、ほとんどすべての症例に対応しているため、麻酔が必要となる治療では浸潤麻酔と併せて使用できます。 笑気吸入鎮静法を選ぶのは症例ではなく、治療を受ける患者によるものであり、歯科治療に対する不安感が強い、恐怖心を抱いているという場合に選ばれます。 また、全身疾病がある患者や、精神的ストレスを避けたい患者、嘔吐反射が強い患者なども、笑気吸入鎮静法で治療を行うことが多いでしょう。 歯科治療で一般的に行う麻酔は浸潤麻酔という、歯肉に針を指して骨に麻酔液を浸透させるという麻酔法で、歯肉の治療にも同様に行います。 歯肉には麻酔液が直接注入されているため確実に効果が出ますが、歯の治療では骨に浸透させる必要があるため、麻酔が効きづらいケースも少なくありません。 効きにくいのは、体質が問題というケースもありますが、多くの場合は歯根の位置や骨の厚み等に問題があります。 歯根は、大部分が頬側にあるため、麻酔を頬側に打てば効果は得られますが、下の奥歯については異なります。 下の奥歯は、歯根の先端部分が骨の中央から舌側にあることが多いため、骨の厚みによっては頬側に打っても効きづらいことがあるのです。 また、下の親知らずの手前にある下顎第二大臼歯は骨が他の歯より2倍以上厚いため、麻酔はさらに効きにくくなります。 浸潤麻酔の場合、骨の中に麻酔液を浸透させるには、麻酔液の量を増やしても時間がかかるうえ、一度痛みを感じてしまえば麻酔の効果が発揮されません。 笑気吸入鎮静法は全身に影響を及ぼし、リラックスさせることができますが、麻酔としての効果はあまり高くないため、単体では不十分なことがあるでしょう。 一般的には、笑気吸入鎮静法を行って半分眠ったような状態になったところで、浸潤麻酔や伝達麻酔などの局所麻酔を行ったうえで、治療をします。 表面麻酔とは違って意識にも作用するため、注射に対する恐怖心を和らげることができ、不安で血圧が上がったり気分が悪くなったりすることもなくなるでしょう。 麻酔ガスと聞いて不安に思う人もいますが、意識を完全に失うようなものではなく、不安がある場合は事前に体験することもできます。 笑気吸入鎮静法がおすすめの人 歯科治療に対して不安や恐怖心をお持ちの方や、高血圧や不整脈などの心疾患がある方、とにかく治療中のストレスを軽減したい方には、笑気吸入鎮静法がおすすめです。 また、口の中に器具を入れたときに嘔吐反射が強くえずいてしまうという人も、笑気吸入鎮静法であれば反射が鈍くなります。 一方、喘息などの呼吸器系の疾患がある人やてんかんの発作があるという人は、笑気吸入鎮静法を避けた方がいいでしょう。 笑気は鼻から吸入しなくてはならないため、鼻詰まりやアレルギー性鼻炎などで、鼻呼吸が難しい方も避けた方がよいかもしれません。 他にも、妊娠初期の方や過呼吸発作の心配がある方などは、笑気吸入鎮静法による治療を避けてください。 まとめ 伝達麻酔は、神経をブロックして麻酔をかける麻酔法です。 歯の周辺の末梢神経だけではなくより中央に近い神経まで麻酔の効果を及ぼすため、痛みを感じるケースが少なくなります。 主に下の親知らずを抜歯する際に行われる麻酔法で、上の親知らずの抜歯には使えないことも多いでしょう。 全身麻酔よりも安全性が高いのが特徴ですが、浸潤麻酔より効果が高いため、心臓の持病などがある場合は受けられないこともあります。

2024.08.02

口蓋裂の原因や治療法について

子どもは生まれつき、身体のどこかに問題を抱えてしまうことがあります。 こちらを先天異常といい、子どもの口周りで発生する先天異常の一つに口蓋裂が挙げられます。 口蓋裂は、多くの赤ちゃんに見られる症状として有名です。 今回は、口蓋裂の概要や原因、リスクや口腔外科による治療方法などについて解説します。 口蓋裂の概要 口蓋裂(こうがいれつ)は、口の中の天井部分に割れ目があり、口の中と鼻の下がつながった状態になることをいいます。 およそ半数は口唇裂(こうしんれつ)と合併して起こり、その場合は口唇口蓋裂と呼ばれます。 口唇裂は唇が割れている症状で、唇だけにとどまるものや鼻の方までつながるもの、歯茎まで割れているものなどがあります。 口蓋裂、口唇裂のいずれも約500~600人に1人の割合で発生し、日本人に多い先天異常として知られています。 口蓋裂の原因 赤ちゃんに見られる口蓋裂については、実は詳しい原因がわかっていません。 ただし、多数の因子が関与して発生していると考えられています。 胎児の口蓋は妊娠12週頃、元になる部分が癒着することでつくられます。 口蓋裂は、こちらの時期に何らかの原因で癒合のプロセスがうまく行われなかったことが原因と考えられています。 まったくの偶然、母体の環境、薬剤、遺伝的因子など、小さな原因が積み重なった結果、一定の限界を超えたときに発生するという説が有力です。 しかし現在の医学では、遺伝的影響がどの程度関係しているかを判明させることができません。 ちなみに近年は母胎の超音波検査により、生前から口蓋裂の診断がつくケースも増えてきました。 口蓋裂の発生によるリスク 赤ちゃんの口蓋裂は、主に以下のようなリスクやデメリットにつながります。 ・哺乳がしにくくなる ・上顎の発育障害や歯列不正 ・滲出性中耳炎 各項目について詳しく説明します。 哺乳がしにくくなる 口蓋裂の赤ちゃんは、哺乳がしにくくなる傾向にあります。 こちらは親御さんにとっても、赤ちゃん自身にとってもデメリットです。 口蓋裂の場合、口の中の圧力を高めて母乳を吸い込む力が弱くなります。 そのため乳をうまく飲むことができず、母乳や通常の人工乳首が用いられた哺乳瓶では哺乳が不十分になります。 口蓋裂の赤ちゃん用に開発された人工乳首もありますが、うまく哺乳するには調整が必要です。 上顎の発育障害や歯列不正 口蓋裂の子の顎、特に上顎の発達は他の子どもよりも遅れがちであり、こちらは受け口につながるリスクがあります。 受け口は下顎が前に突出したような状態であり、発症すると噛み合わせや見た目の問題が生じます。 また口蓋裂の場合、高い頻度で歯並びの不正が出現します。 歯列不正も、同じく噛み合わせの問題や見た目のコンプレックスを引き起こす原因になります。 滲出性中耳炎 口蓋裂の子には、滲出性中耳炎という症状が発生しやすいです。 滲出性中耳炎とは、鼓膜の奥の中耳腔に滲出液と呼ばれる液体が貯留する疾患のことをいいます。 中耳腔内で炎症が起こると、中耳腔の細胞から炎症性の水が滲み出てきます。 こちらを滲出液といい、通常は中耳と鼻の奥をつなぐ耳管から喉の方に排出されます。 しかし耳管が何らかの原因で機能しないと、滲出液が排出されず中耳腔内にとどまり、耳の詰まった感じや難聴が生じる滲出性中耳炎を発症します。 口蓋裂の場合、軟口蓋にある耳管の調整を行っている筋肉の機能が傷害され、滲出性中耳炎を引き起こすとされています。 口蓋裂の治療法 口蓋裂は、口腔外科による治療で改善します。 口蓋裂を発症している赤ちゃんは、特徴的な開鼻声というものが生じます。 こちらは、鼻から抜けるような声であり、口蓋裂の症状を判断するためのものです。 開鼻声がある場合は、生後1~2歳で形成手術を行い、口と鼻の交通を閉じることによって開鼻声を改善します。 術後は正しい発音ができるように言語訓練を行い、乳歯が生え揃った後には定期的な歯科検診も必要になります。 しかし、この部分には骨や歯が存在しないため、審美的もしくは機能的な問題は引き続き存在することになるでしょう。 特に前歯周辺の異常は印象を大きく左右するため、放置することは良くありません。 そのため、成長に伴い、義歯の装着やインプラントの埋入などを検討します。 これらの治療を受けることで、審美面や機能面の問題も解決する可能性が高いです。 噛み合わせや歯並びに問題が見られる場合は、矯正治療の計画を立てることもあります。 ちなみに、義歯やインプラント治療を行いやすくするために、腰から骨または骨髄を採取し、上顎の骨の間隙に移植する処置もあります。 まとめ 口蓋裂は決して珍しい症状ではありませんが、発症することでさまざまなリスクが生まれます。 またハッキリと原因がわかっていないことから、事前に発症を防止することも困難です。 親御さんにできることは、口蓋裂の症状を放置せず、早めに歯科クリニックの医師に相談することです。 また状況にあわせて、口腔外科治療やその他の歯科治療などを受けさせるようにしましょう。

2024.07.24

親知らずの虫歯における治療法について

親知らずは他の永久歯が生え揃った後、もっとも遅く生えてくる奥歯です。 10代後半~20代後半にかけて生えてくる方が多いことから、大人になってから親知らずの問題が起こるケースも多々あります。 今回は、親知らずの虫歯について、口腔外科治療による対処法について解説します。 親知らずは虫歯のリスクが高い 親知らずは、周りの歯や歯茎などに影響を及ぼすことで知られています。 さらに虫歯を発症するリスクも高く、その原因としては主に以下のことが挙げられます。 ・歯ブラシが届きにくい ・生え方によって奥歯に隙間ができる ・歯茎に埋まっていても一部が露出している 親知らずは口内のもっとも奥に生えるため、他の奥歯や前歯とは違い、意識しなければ磨き残しが増えてしまいます。 このとき残ったプラークや食べカスが蓄積して細菌が繁殖すると、虫歯を発症しやすくなります。 また親知らずはまっすぐ生えるとは限らず、場合によっては斜めに生えてきたり、奥歯に対して真横に生えてきたりすることもあります。 こうして曲がって生えた親知らずは、奥歯との間に隙間をつくってしまい、虫歯の原因になります。 ちなみに、親知らずの一部が歯茎から露出している状態も、虫歯になりやすい原因の一つです。 親知らずが完全に生えていれば問題ありませんが、一部が露出した状態の場合、親知らずの存在にすら気付かず、磨けていないケースも少なくありません。 親知らずの虫歯を放置するとどうなる? 親知らずの虫歯を放置すると、以下のような問題が生じます。 ・激しい痛み ・口臭 ・歯髄の壊死 ・智歯周囲炎 ・他の疾患 各項目について詳しく説明します。 激しい痛み 親知らずの虫歯が進行して神経にまで達すると、強い痛みが出るようになります。 虫歯は初期では痛みがないことも多く、口のもっとも奥にある親知らずの虫歯は、より発症に気づきにくいです。 そのため、気付いたときには神経に達していることも考えられます。 口臭 親知らずの虫歯が重症化して神経が腐敗すると、虫歯特有の腐敗臭が生じます。 さらに虫歯が進行し、歯根の先に膿が溜まると、強烈な臭気を放つようになります。 歯髄の壊死 親知らずの虫歯を放置すると、歯髄という歯の神経が壊死する可能性があります。 歯髄を失うと栄養が行き渡らなくなり、歯が脆くなったり、黒っぽく変色したりします。 智歯周囲炎 智歯周囲炎は、親知らずの周囲組織が炎症を起こす疾患です。 智歯周囲炎を発症すると、痛みや歯茎・頬の腫れ、開咬障害などの症状が現れます。 またさらに放置すると、炎症が広範囲に広がる頬部蜂窩織炎という疾患に進行するケースもあります。 他の疾患 親知らずの虫歯を治療せずそのままにしていると、虫歯が血管や上顎洞、顎の骨などにまで侵入し、他の疾患を生じさせるリスクが高まります。 例えば、上顎洞にまで細菌が到達すると副鼻腔炎を発症しますし、細菌が歯根から顎の骨に侵入すると、骨髄炎を引き起こします。 さらに細菌が血管内に侵入すると、脳梗塞や心筋梗塞など、命の危険もある疾患につながります。 親知らずの虫歯の治療法について 親知らずの虫歯は、歯科クリニックの口腔外科治療で対処します。 親知らずがまっすぐ生えている場合、小さな虫歯であればそのまま治療することができます。 患部を除去し、その部分に光で固めるレジンという樹脂を詰めて治療します。 ただし初期虫歯であっても、親知らずが横や斜めに生えている場合、患部を除去することが物理的に不可能になることが考えられます。 このようなケースでは、初期虫歯であっても抜歯を行うことがあります。 また神経に達するほど虫歯が進行している場合は、抜歯が適応されます。 ちなみに親知らずが半分骨に埋まった状態の抜歯は、歯茎を切開し、歯に被っている骨を取り除かなければ抜けません。 こちらは患者さんにとって大きなストレスになりますが、歯科クリニックによっては熟睡状態のうちに抜歯ができる可能性もあります。 具体的には、熟睡状態になる薬を点滴し、眠っている間にすべて抜歯が終了するという方法です。 親知らずの虫歯を予防する方法 親知らずの生え方や虫歯の進行状況によっては、抜歯をせずに治療できますが、そもそも虫歯の発症自体が良いことではありません。 親知らずの虫歯を予防するには、まずブラッシングの方法を工夫することが大切です。 口を軽く開けた状態で、頬の筋肉を緩めながら歯ブラシを挿入し、歯ブラシの毛先を小刻みに動かすことで、清掃効率は良くなります。 また親知らずの清掃には、毛先が1本にまとまったタフトブラシも有効です。 タフトブラシがあれば、通常の歯ブラシでは磨きにくい部位もキレイに磨けます。 まとめ 親知らずは虫歯を発症するリスクが高い上に、見えないことや普段使用あまり使用しないことなどから、虫歯の発症に気付きにくいです。 そのため、しっかり意識してブラッシングを行い、定期検診もこまめに受けなければいけません。 また親知らずで虫歯を発症した際には、早急に歯科クリニックに訪れ、虫歯治療や抜歯などの口腔外科治療を受ける必要があります。

2024.07.23

抜歯をしなければいけないケースとは?

口腔外科治療では、口内で発症した疾患について、名前の通り外科治療で対応します。 例えば口腔腫瘍の除去や外傷の治療については、主に口腔外科で行います。 また口腔外科で行われるその他の治療としては、抜歯も挙げられます。 今回は、抜歯をしなければいけないケースについて解説します。 抜歯をしなければいけないケース5選 以下に該当する場合、歯科クリニックの口腔外科治療を受け、抜歯をしなければいけません。 ・重度の歯周病 ・重度の虫歯 ・歯の破折 ・親知らずに異常がある ・矯正治療のスペースが足りない 各ケースについて詳しく説明します。 重度の歯周病 重度の歯周病を患っている場合、抜歯をしなければ対応できない可能性があります。 歯周病が進行すると、歯の周りの歯茎や歯を支えている骨が少しずつ溶けていきます。 最初のうちは自覚症状がないため、気付かないうちに進行していることが多いです。 また早期に対処できる歯周病が悪化した場合、膿が出たり、歯がグラグラ動いたりするようになります。 このような状態になった歯を残しておくと、噛み合わせなどに悪影響を及ぼしかねないため、抜歯をしなければいけません。 ちなみに、重度の歯周病を治療せずに放置した場合、抜歯をしなくても最終的に歯は自然と抜け落ちます。 重度の虫歯 重度の虫歯にかかっている方も、口腔外科治療による抜歯をしなければいけないことがあります。 虫歯が深い場合、菌によって周りの骨に炎症が起こり、痛みの原因になります。 その上新しく歯をつくっていくことができないため、顎の骨より下まで虫歯が進行している場合は、抜歯が選択される可能性が高いです。 また重度の虫歯は、歯の神経を死滅させることもあります。 このような歯の一部には、根っこの先に細菌が溜まり込み、病巣ができる場合があります。 小さい場合は根っこの治療を行えば改善できるかもしれませんが、大きい病巣の場合は抜歯をしなければ改善が見込めないことが考えられます。 歯の破折 歯の破折がある場合も、抜歯が選択される可能性があります。 歯の破折には、横に割れる水平的なものと、縦に割れる垂直的なものがあります。 水平的な破折に関しては、歯を残して対応できる可能性がありますが、垂直的な破折に関しては抜歯をしなければいけないことが多いです。 特に根っこのほうで起こっている縦の破折は、歯を残したまま対応するのが難しくなります。 親知らずに異常がある 親知らずに異常がある場合、口腔外科治療による抜歯で対応することがあります。 親知らずは、正式には第三大臼歯と呼ばれる最奥に生えてくる歯です。 生えてくる年齢も遅く、18歳前後にならなければ生えてきません。 また親知らずは、キレイにまっすぐ生えてくるとは限りません。 大抵は横に倒れて生えてきたり、まっすぐ生えてきたとしても、奥歯が歯茎に覆われたりしているケースが多いです。 このような異常のある親知らずは、歯茎の腫れや虫歯リスクの増大などにつながるため、なるべく早く抜歯することをおすすめします。 矯正治療のスペースが足りない 矯正治療を行う際、歯を移動させるスペースが足りない場合も、抜歯で対応することがあります。 具体的には顎が小さかったり、そのまま矯正すると口元が出てしまったりする場合に、抜歯が選択されるケースが多いです。 現代人は顎が小さい傾向にあります。 顎が小さい状態ですべての歯をキレイに並べようとしても、スペースが足りずに歯並びがガタガタになってしまうことがあります。 このようなケースでは、抜歯をして歯を並べるためのスペースをつくらなければいけません。 また抜歯をせずに矯正治療を行うと出っ歯になってしまう場合は、前歯の両端のエナメル質を0.25~0.5mmほど削ってスペースを確保します。 それでもスペースが足りない場合は、抜歯が選択されることがあります。 抜歯の一般的な流れ 口腔外科で行われる抜歯については、まず表面麻酔や浸潤麻酔を行うところから始まります。 表面麻酔は、浸潤麻酔の注射を行うための痛みを軽減させるため、歯茎に塗布する麻酔です。 麻酔が完了したら、次は歯周靭帯を切除します。 歯周靭帯は、歯と歯茎を結びつける組織であり、こちらを切除すると抜歯しやすくなります。 その後へーベルという器具で歯を骨から脱臼させ、鉗子という器具で歯をつかみ、ゆっくりと引き抜きます。 最後に、歯を抜いた箇所の掻破と止血を行います。 掻破は歯の根が腐っていたり、歯周病でグラグラになったりしていた歯の抜歯窩に残っている悪い組織を取り除く作業です。 止血に関しては、ガーゼを噛んで行い、血が止まりにくそうな場合は縫合することもあります。 まとめ 口腔外科治療では、歯やその周囲の組織に問題がある場合、他の治療の妨げとなる場合などに抜歯を行います。 しかし、歯科クリニックでは基本的に抜歯を用いない治療を優先して行います。 抜歯は天然歯を取り除く治療であり、失った天然歯は二度と元には戻らないからです。 そのため、患者さんは可能な限り抜歯をせずに済むように、日頃のデンタルケアなどを怠らないようにしましょう。

2024.07.19

歯根嚢胞の症状や原因、治療法について

口内には嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋状の病変ができることがあります。 また嚢胞にもさまざまな種類がありますが、口内にできるものは一般的に歯根嚢胞であるケースが多いです。 もちろん、歯根嚢胞は口腔外科治療で対処しなければいけません。 今回は歯根嚢胞の症状や原因、治療法について解説します。 歯根嚢胞の概要 歯根嚢胞は、歯の根っこの先端部分にできる袋状のものです。 歯茎にニキビのような白い病変が見られる場合、歯根嚢胞である可能性が高いです。 歯根嚢胞の内容物は膿であり、見た目は似ているものの、ニキビではありません。 ニキビの内容物は皮脂であるため、まったくの別物です。 また歯根嚢胞は決して珍しい疾患ではなく、多くの方に見られます。 特に歯髄が壊死した歯、過去に歯髄を除去した歯などに生じることが多いです。 歯根嚢胞の症状 歯根嚢胞はゆっくりと時間をかけて大きくなるため、自覚症状がなく、歯の治療などでX線撮影を行ったとき、偶然見つかるケースも少なくありません。 また歯根嚢胞が肥大化すると、骨の膨らみが見られることもあります。 初期の段階では無症状ですが、感染を起こすとズキズキとした痛みが出ます。 こちらの痛みは、食事や会話など日常生活におけるさまざまな行動に悪影響を及ぼします。 歯根嚢胞の原因 口内に歯根嚢胞が生じる主な原因は細菌感染です。 歯髄がある管状の部分内に何らかの理由で細菌感染が起こると、根の先端を通じて顎の骨にも感染が広がり、膿が溜まります。 また細菌が歯根へ侵入する原因としては、主に以下の3つが挙げられます。 ・重度の虫歯 ・不十分な処置 ・歯の破折 各項目について詳しく説明します。 重度の虫歯 虫歯を放置すると、徐々に症状は進行し、次第に細菌は内部にまで到達します。 この時点で激痛が生じますが、それでも我慢しているといつの間にか神経が死滅し、痛みが消失します。 また神経が死滅するほど虫歯が悪化すると、細菌が歯の根を蝕んで炎症を引き起こし、歯根嚢胞を生じさせることがあります。 不十分な処置 重度の虫歯などによって神経が死滅すると、抜髄という神経を取り除く治療を受けなければいけません。 こちらは比較的難しい治療であり、経験と実績が豊富な医師であっても、成功率は80%程度しかないと言われています。 また抜髄が不十分だった場合、細菌が残ってしまい、再度活発化して歯の根に入り込むことがあります。 このとき入り込んだ細菌が歯根嚢胞を形成することも考えられます。 歯の破折 歯の破折は、転倒やスポーツなどで歯が折れてしまう症状であり、歯根嚢胞の原因の一つです。 破折した部分から細菌が侵入すると、歯の根を蝕んで歯根嚢胞を発症することがあります。 また歯に中心結節と呼ばれる突起がある場合は、突起部分が折れたときも細菌が内部に侵入します。 中心結節の破折や細菌感染は、歯の根が完成していない小学生や中学生で起こるケースもあります。 歯根嚢胞の主な治療法 歯根嚢胞を発症している場合、基本的には口腔外科治療を受ける必要があります。 具体的には根管治療で対応するケースが多いですが、根管治療が奏功しない場合や、根管治療ができない場合などは、外科治療によって嚢胞の摘出を行います。 原因歯の骨植が悪い場合には、嚢胞の摘出と同時に原因歯の抜歯を行います。 また原因歯の骨植が良い場合は、感染した歯根の尖端部の切除(歯根端切除術)とともに、嚢胞の摘出を行います。 歯根嚢胞の治療後はインプラント治療を受けられない? 歯根嚢胞が原因で抜歯を行った場合、その部分をインプラントでカバーしたいと考える方もいるかと思います。 しかし、場合によってはインプラント治療を受けられない可能性があります。 なぜなら、顎の骨が歯根嚢胞の大きさ分だけ不足するからです。 歯根嚢胞ができていた箇所は、レントゲン撮影をしても空洞に写ることからもわかるように、もともとあった顎の骨がない状態になっています。 インプラント治療は、顎の骨に人工歯根を埋め込む治療です。 そのため、人工歯根を安定させるには、土台となる顎の骨の十分な高さや厚みが必要となります。 歯根嚢胞の治療を行い、顎の骨がない部分があれば、インプラントが安定せず、治療に失敗するリスクが高まります。 ただし、顎の骨が回復すれば、インプラント治療を受けられる可能性はあります。 歯根嚢胞を取り除き、キレイに消毒をしたら、顎の骨は時間の経過とともに回復することが考えられます。 回復のスピードは人によってさまざまですが、一般的には抜歯後3ヶ月~半年程度である程度回復するケースが多いです。 まとめ 歯根嚢胞は自覚症状がほとんどないため、発症していることに気付かないケースも多いです。 しかし、嚢胞が形成されている時点で、すでに口内には何らかのトラブルが発生しています。 まずは歯科クリニックに通い、原因を突き止めて適切な治療を受けなければいけません。 また根管治療や口腔外科治療など、歯科分野の中では大掛かりな治療を受けなければいけないこともあります。

2024.07.18

歯の外傷の種類と治療法について

歯の外傷とは、簡単にいうと歯のケガのことであり、成人でも4人に1人が経験していると言われています。 また外傷をそのまま放っておくと、歯の審美性や機能性に支障をきたすため、必ず口腔外科治療を受けなければいけません。 今回は、歯の外傷の種類と治療法について解説します。 歯の外傷の種類と治療法 歯の外傷には主に以下の種類があります。 ・破折 ・動揺 ・陥入 ・脱落 ・変色 それぞれの概要と主な治療法について詳しく説明します。 破折 歯の破折は、外傷による衝撃によって歯が折れたり、欠けたりしてしまうものです。 外傷による破折は、スポーツや交通時効、転倒など耐力を超えた衝撃が歯にかかることによって起こります。 上顎前歯部に多く見られ、特に学童期から青少年期の活動的な世代で起こりやすいです。 また歯の破折が起こった場合は、折れた部分を取ってから他を残す治療を行うのが一般的ですが、どうしても無理な場合はすべて抜歯することもあります。 破折の程度が大きくなければ、破折した部分をそのまま元の歯に接着できる場合もありますが、土台や冠のつくり替えが必要になることも考えられます。 ちなみに歯の上部である歯冠ではなく、歯根に破折が見られる場合は、基本的に抜歯をしなければ対処できません。 歯根破折は歯茎の内部で発生するため、自覚症状が出にくく、気がついたら状態が悪化しているケースがほとんどです。 動揺 歯の動揺は、外傷などの原因で歯がダメージを受け、グラグラと揺れている状態です。 乳歯から永久歯に生え変わるときは、誰もが歯の動揺を経験しますが、成人してから歯がグラグラ揺れるということは、あまり良い兆候とは言えません。 外傷がなかったとしても、歯周病が悪化していたり、咬合力が強かったりと、何かしらの問題は生じています。 また歯の動揺が軽度の場合は、外傷を受けた歯をなるべく安静にし、しばらく経過を観察します。 しかし、明らかに動揺が大きい場合は、その両隣の歯を固定した状態で様子を見ます。 また歯のみが動揺している場合は、1~2週間ほどの固定を行いますが、歯根破折が併発している場合などは、2ヶ月程度の固定が必要です。 歯茎のところで根が折れていたり、根が斜めに折れていたりすることが原因で動揺している場合は、抜歯を行うことも考えられます。 陥入 歯の陥入は、外傷を受けたことにより、顎の骨の中に歯が埋まってしまうというものです。 完全に骨の中に入り込んでいる状態は完全陥入といい、完全に骨の中には入り込んでいないものの、隣の歯と比べて短くなったように見える状態を部分陥入といいます。 歯が骨に入り込む際には、骨にかなりのダメージが与えられます。 特に完全陥入の場合、歯が丸ごと骨の中に入り込むため、出血や痛みは非常に強くなります。 また陥入が起こった場合の治療法としては、ダメージを受けた歯を正しい位置に戻し、周囲の骨の治りを待つために両隣の歯と6週間ほど固定する方法があります。 受傷した歯の神経や血管は切断されていることが考えられるため、固定した後日、神経の処置を行うことがあります。 ちなみにまだ永久歯の歯根が完成していない子どもの乳歯については、神経の治癒力を期待して経過観察を行います。 その後、神経に影響が見られるようであれば、根管治療で対応します。 脱落 歯の脱落は、外傷によって受けた衝撃が著しく強かったことから、歯が抜け落ちてしまうというものです。 脱臼ともいい、歯が歯槽骨から完全に抜け、歯根膜が断裂した状態を完全脱臼といいます。 歯根膜の一部が断裂し、歯が少し抜けかかっている状態は亜脱臼(不完全脱臼)と呼ばれます。 また完全脱臼の場合は、まず抜けた歯を生理食塩水で洗って保管します。 その後局所麻酔を行い、歯が脱落した歯茎の穴を確認した上で脱落した歯を戻し、ワイヤーやレジンを使用して固定します。 本来の歯の位置がわかりにくい場合は、隣り合う歯や噛み合う歯との位置関係などを考慮した位置に戻すことが多いです。 不完全脱臼の場合も、歯を元の位置に戻す必要があります。 完全脱臼と比較すると、元の位置への再現は容易ですが、完全脱臼と同じく固定期間は必要です。 変色 歯の外傷があったあと、少しずつ歯の色が変色してくることがあります。 こちらは神経の中の血管が損傷し、充血して内出血を生じたものと考えられます。 充血が治れば歯の色も回復してくることがありますが、数ヶ月して徐々に歯の色が黒っぽくなってきた場合、神経が死滅している可能性が高いです。 また変色だけでなく、根の周囲に病巣ができて歯茎が腫れてくることも考えられます。 外傷を受けた後、定期的に歯科クリニックを受診していれば、このような問題は早期に発見でき、根管治療などを受けられます。 しかし、根の周囲の病巣が大きくなってから気付いた場合、歯の保存が難しくなるおそれがあります。 まとめ 歯の外傷は、虫歯や歯周病などとは違い、本人が気を付けていても防ぎようがない部分があります。 そのため、外傷を受けるとどういった症状が出るのか、どのように治療するのかについては、事前に把握しておくべきだと言えます。 痛みに耐えられるからといって、外傷を受けた部分を放置していると、精神的にも身体的にも苦痛を伴います。

2024.07.16
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