ヨーグルトは、健康食品として古くから日本人に愛されているものの一つです。
毎朝必ず、ヨーグルトを口にするという方も少なくないでしょう。
またヨーグルトにはある程度の虫歯予防効果も期待できますが、今回はより虫歯予防効果をアップさせるためのヨーグルトの食べ方について解説します。
虫歯予防に効果的なヨーグルトの食べ方4選
虫歯予防に効果的なヨーグルトの食べ方としては、主に以下が挙げられます。
・無糖のヨーグルトを選ぶ
・夜のブラッシング前に食べて口内の善玉菌を増やす
・口内ケア専用の乳酸菌が配合された製品を活用する
・食べた後は正しいブラッシングとブクブクうがいを行う
各項目について詳しく説明します。
無糖のヨーグルトを選ぶ
虫歯予防を目的としてヨーグルトを食べる際、もっとも重要となるのが無糖のプレーンヨーグルトを選ぶことです。
市場にはフルーツ入りや加糖タイプの食べやすいヨーグルトが数多く並んでいますが、これらには大量の砂糖が含まれています。
砂糖は虫歯菌の最大のエネルギー源であり、口内で分解されると強い酸を産生し、歯の表面のエナメル質を溶かして虫歯を引き起こします。
そのため、いくらヨーグルトに有益な乳酸菌が含まれていても、砂糖入りのものを摂取していては虫歯のリスクを自ら高めることになってしまいます。
無糖のプレーンヨーグルトは、酸味が強く最初は食べにくさを感じるかもしれませんが、これがもっとも歯に安全な選択です。
どうしても甘みが欲しい場合は、虫歯菌の餌にならないキシリトールの甘味料を100%使用したパウダーを少量混ぜるか、歯の再石灰化を妨げない工夫を凝らす必要があります。
ただし、市販のハチミツやメープルシロップ、フルーツの缶詰なども果糖やショ糖が多く含まれるため、虫歯予防の観点からは避けるのが賢明です。
まずは無糖の味に慣れることから始め、純粋な乳酸菌の効果だけを口内に届けるよう意識しましょう。
購入時には必ずパッケージの栄養成分表示を確認し、砂糖や異性化糖が添加されていないことを徹底的にチェックする習慣をつけてください。
夜のブラッシング前に食べて口内の善玉菌を増やす
ヨーグルトを食べるタイミングとしてもっとも効果的なのは、夜の歯磨き前に摂取する習慣をつけることです。
私たちの口の中は、起きている間は唾液が十分に分泌されるため、唾液の自浄作用や抗菌作用によって虫歯菌の活動がある程度抑えられています。
しかし睡眠中は唾液の分泌量が劇的に減少するため、口の中が乾燥しやすく、虫歯菌や歯周病菌などの悪玉菌が爆発的に増殖しやすい危険な時間帯となります。
この睡眠中の細菌繁殖を抑えるために、夕食後から夜の歯磨きをする前のタイミングでヨーグルトを食べるのが非常に有効です。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌が口内に行き渡ることで、悪玉菌の定着を防ぎ、口の中の細菌バランスを健やかに保つ役割を果たします。
食べる際は、ただ飲み込むのではなく、口全体にヨーグルトが広がるように少し時間をかけてゆっくりと味わうように食べると、乳酸菌が歯や歯茎の隅々まで届きやすくなります。
ただし、ここで注意しなければならないのは、ヨーグルトは薬ではないため、食べた後にそのまま寝てはいけないという点です。
ヨーグルト自体にも乳糖という糖質が含まれていて、微量ながらも長時間放置すれば虫歯の原因になり得ます。
また乳製品の成分が歯の表面に残ることも避けたいため、ヨーグルトを食べ終えた後は、必ずいつも通り丁寧に歯磨きをして口内を清潔な状態にしてから就寝してください。
口内ケア専用の乳酸菌が配合された製品を活用する
ヨーグルトを選ぶ際は、一般的な整腸作用だけでなく、口腔ケアに特化した乳酸菌が配合された製品を選ぶことで予防効果が飛躍的に高まります。
近年の研究により、乳酸菌の中には特に人間の口の中に定着しやすく、虫歯菌や歯周病菌の活動を強力に抑制する特殊な菌株が存在することが分かってきました。
その代表例が、L8020乳酸菌やTI2150乳酸菌などです。
これらは健康な人の口腔内から発見された菌で、虫歯菌の増殖を抑えるだけでなく、虫歯菌が歯の表面に作り出すネバネバしたプラークの形成を阻害する優れた働きを持っています。
スーパーやドラッグストアのヨーグルト売り場を観察すると、パッケージに“歯と歯茎の健康を考えた”、“口腔ケア”、“L8020菌使用”といった特定の表記がされた製品が見つかります。
こうした専用のヨーグルトを意識して選択することで、一般的な乳酸菌よりも効率的に口内の環境改善を狙うことが可能になります。
ただし、これらの優れた乳酸菌は、一度食べたからといって一生口の中に住み着いてくれるわけではありません。
食事や日々の会話、唾液の流れによって時間の経過とともに少しずつ口外へと排出されてしまいます。
そのため、口腔ケア専用の乳酸菌が持つ恩恵を最大限に享受するためには、一度に大量に食べるのではなく、毎日少量を継続して摂取し、常に口の中に善玉菌を補給し続けるアプローチが重要になります。
食べた後は正しいブラッシングとブクブクうがいを行う
ヨーグルトによる虫歯予防において、絶対に忘れてはならない最後のステップが、食べた後の適切な歯磨きとうがいをセットで徹底することです。
前述の通り、無糖のプレーンヨーグルトであっても、牛乳由来の成分である乳糖が含まれています。
乳糖は砂糖に比べると虫歯を引き起こすリスクは極めて低いとされていますが、完全にゼロではありません。
さらに、ヨーグルトは粘性が高く歯の表面や歯間に残りやすいため、食後にそのまま放置してしまうと、口内が酸性に傾く原因になります。
口の中が酸性の状態に長くさらされると、歯のエナメル質が柔らかくなり、結果として虫歯のリスクを高めてしまいます。
したがって、ヨーグルトを食べ終えた後は、まず水で強めにブクブクうがいをして、歯の表面に付着した大きなヨーグルトの塊や残渣をしっかりと洗い流しましょう。
その後、フッ素配合の歯磨き粉を使用して、歯ブラシで丁寧にブラッシングを行います。
フッ素には、酸によって溶けかけたエナメル質を修復する再石灰化を促進し、歯の質そのものを強くする効果があるため、ヨーグルトの乳酸菌効果と組み合わせることで最強の予防習慣が完成します。
ヨーグルトを食べる行為はあくまで口内の細菌環境を整える補助的な手段であり、虫歯予防の基本はどこまでも毎日の正しいブラッシングです。
この両者を正しく組み合わせることで、初めて健康で白い歯を守ることができます。
まとめ
ヨーグルトは虫歯予防に効果的な食品ですが、食べ方によっては逆に虫歯のリスクを高めてしまうこともあります。
そのため、「ヨーグルトを食べていれば安全」と考えるのは危険であり、これは他の乳製品にも言えることです。
またヨーグルトとセルフケアを組み合わせる必要があるという話をしましたが、歯科クリニックでの定期検診やクリーニングも欠かせない習慣です。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。