
普段、テレビを観ながら食事を摂っているという方は多いかと思います。
特に一人暮らしの方は、会話をすることができないため、ついテレビをつけてしまうというケースも多いでしょう。
しかし、テレビを観ながらの食事は、予防歯科の観点でいうとあまり良いものではありません。
今回はこちらのデメリットを中心に解説します。
テレビを観ながら食事を摂るデメリット5選
テレビを観ながら食事を摂ることには、主に以下のようなデメリットがあります。
・ダラダラ食べてしまう
・咀嚼回数が少なくなる
・姿勢が悪くなる
・睡眠不足につながる
・美味しさが半減する
各デメリットについて詳しく説明します。
ダラダラ食べてしまう
テレビを見ながら食事を摂ると、食事に集中する場合よりもダラダラ食べてしまう可能性が高いです。
特に興味の強いテレビを集中して観ているときは、どうしても食事への意識が薄れやすくなります。
そのため、普段よりも食べる速度も遅くなりやすいです。
またダラダラ長い時間食事を摂ると、口内が酸性に傾く時間が長くなります。
こちらは虫歯菌が活発に動き、歯が溶けやすくなることを意味しています。
酸性の状態は、食事を摂る上で必ず起こることですが、通常は20~30分程度で元の中性の状態に戻ります。
しかしダラダラ食べをしていると、中性の状態になかなか戻れません。
ちなみに、お酒を飲みながらテレビを観る場合、さらにダラダラ食べが加速する可能性があります。
お酒は長時間ゆっくりと飲むことが多く、その間にはおつまみも少量ずつ食べるため、虫歯を予防するにあたっては良くない習慣です。
咀嚼回数が少なくなる
咀嚼回数が少なくなることも、テレビを観ながら食事を摂ることのデメリットです。
こちらも、食事に集中しにくくなることが理由です。
食事の際にしっかり咀嚼することは、唾液の分泌量を増やすことにつながります。
しかし食事への意識が薄れると、咀嚼することに対する意識も弱くなり、よく噛まないまま飲み込んでしまいやすいです。
また唾液の分泌量は、口内の殺菌や洗浄に大きく影響します。
唾液が少ないと、殺菌作用や自浄作用が弱くなり、食べカスやプラークが残りやすくなります。
プラークは虫歯の直接的な原因であるため、なるべく唾液の自浄作用によって洗い流さなければいけません。
姿勢が悪くなる
テレビを観ながら食事を摂ると、何も見ずに食事を摂る場合よりも姿勢が悪くなりがちです。
こちらも、虫歯のリスクを高める原因の一つです。
テレビを観ているとき、自身がどのような姿勢になっているかということは、ほとんどの方が自覚していません。
一般的には、テレビ画面を注視するために猫背になったり、リラックスして足を組んだりしやすくなります。
食べ物をしっかり噛むには、背筋を正し、足を床にしっかりつけておかなければいけません。
そのため、悪い姿勢のまま食事を続けると、ものがうまく噛めなくなります。
咀嚼が不十分になることは、先ほども触れたように唾液の分泌量の減少、虫歯のリスク増大につながります。
睡眠不足につながる
長時間テレビを観ながら食事を摂ることは、睡眠不足につながることもあります。
例えば、食事をしながら映画を観たり、ドラマやアニメを何話も一気に観賞したりする場合、交感神経が刺激されます。
すると、夜眠れなくなったり、眠りが浅くなったりします。
また睡眠不足になると唾液の分泌量が減り、虫歯を発症しやすくなります。
睡眠中は特に口内が乾きやすいため、しっかり睡眠を取って唾液の分泌を促すことが大切です。
ちなみに、睡眠不足は無意識の歯ぎしりや食いしばりを引き起こすこともあります。
そのため、すでに虫歯を発症している方は、痛みを感じてさらに眠れなくなることも考えられます。
美味しさが半減する
テレビを観ながら食事をすることで、食事の美味しさが半減することもあります。
しっかり食事に集中することで、人は初めて食材本来の味や香りを楽しめます。
しかし、テレビにばかり気が行ってしまうと、これらの感覚が鈍って食事の美味しさが減少します。
スマホやタブレットを観ながらの食事もNG
近年はテレビだけでなく、スマホやタブレットで動画を楽しみながら食事を摂るという方も増えています。
しかし、スマホやタブレットはテレビよりも画面が小さく、観るときにはより前のめりになってしまう可能性が高いです。
そのため、食事の際はできるだけ観ないことをおすすめします。
特に、子どもに動画を見せながら食事を与えることは避けるべきです。
子どもの場合は単純に虫歯のリスクが上がるだけでなく、顎や全身の発育、歯並びに影響することも考えられます。
まとめ
何気なくテレビを観ながら食事を摂っていたという方は、それが虫歯のリスクを高める行為だということを自覚しましょう。
どうしても観ながら食べたいという場合は、しっかり噛むことや、良い姿勢で食べることを意識しなければいけません。
もちろん、根菜に代表される清掃性食品など、虫歯になりにくいものを適宜摂取することも忘れないようにしてください。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。