虫歯の特徴と言えば、冷たいものや熱いもの、甘いものなどを食べたとき、患部が痛むということが挙げられます。
その他歯に穴が開くことや、黒く変色することも代表的な変化ですが、実はこれら以外にも見分け方はあります。
今回は、虫歯の意外な見分け方について解説します。
虫歯の意外な見分け方4選
虫歯の意外な見分け方としては、主に以下のことが挙げられます。
・フロスを引き抜くときの甘酸っぱいニオイ
・スマホのライト透過法による内部の影の検出
・酸味が強いものを食べたときの違和感
・糖度の高い固形物を噛んだときの局所痛
各項目について詳しく説明します。
フロスを引き抜くときの甘酸っぱいニオイ
日常的なオーラルケアに欠かせないデンタルフロスは、歯と歯の間に潜む隠れた虫歯をあぶり出す探知ツールです。
やり方はいたって簡単で、歯と歯の間にフロスをゆっくりと通し、そのまま上に引き抜くだけです。
このとき、特定の場所だけいつも糸が引っかかったり、バラバラにほつれたり、あるいは完全に切れてしまったりする場合は、その部分の歯に虫歯が発生している可能性が極めて高いです。
虫歯菌がエナメル質を溶かすと、目に見えないレベルで歯の表面が欠け、まるで鋭利な刃物のようなミクロの段差や鋭い角が形成されます。
そこにフロスの繊維が擦れることで、ほつれが生じます。
さらに重要なのは、引き抜いた直後のフロスのニオイを直接嗅いでみることです。
通常の食べ残しやプラークの臭いとは明らかに異なる、ツンとした独特の甘酸っぱい臭いが鼻をつく場合、それはすでに歯の内部まで虫歯菌が侵入している強力なサインです。
隣と接している歯の側面は鏡で見ても絶対に気づけないため、このダブルチェックはもっとも信頼できる自覚方法と言えます。
スマホのライト透過法による内部の影の検出
前歯や小臼歯の間にできた虫歯は、正面から鏡を眺めるだけでは、初期段階での発見が非常に困難です。
そこで役立つのが、現代の必需品であるスマートフォンの高輝度LEDライトを活用した透過法というセルフチェック技術です。
この方法を行う際は、まず部屋の明かりをできるだけ暗くするか、洗面所の電気を消した状態にします。
そして、スマートフォンのライトを点灯させ、調べたい歯の裏側から歯の面にダイレクトに密着させるようにして光を照射します。
健康な歯であれば、光がエナメル質や象牙質を綺麗に通り抜けるため、歯全体がまるでロウソクのように明るく透き通って見えます。
しかしもし歯の内部や隣接面に虫歯が存在していると、虫歯菌によって組織の密度が変わり、光の進行が遮られてしまいます。
その結果光を当てたときに、その部分だけがシルエットのようにどす黒い影や不自然な濁りとして、くっきりと浮かび上がってきます。
この光の透過性の違いを利用すれば、隠れ虫歯を歯科クリニックのレントゲンに近い感覚で視覚的に捉えることができます。
酸味の強いものを食べたときの違和感
冷たいものや熱いものが歯にしみるという症状は一般的ですが、実はそれらは虫歯だけでなく、歯茎が下がって起こる知覚過敏でも頻繁に発生します。
これらと虫歯を明確に区別するための指標となるのが、ズバリ酸味に対する反応の違いです。
柑橘類やお酢を使った料理などを口に含んだ際、特定の歯だけにジワジワとした鈍い違和感が走り、それが数秒から数十秒ほど残る場合は、虫歯の可能性が高いと考えられます。
虫歯菌が放出する酸によってエナメル質が薄くなったり、象牙質が露出したりすると、食べ物に含まれる酸性の刺激が象牙細管を通じてダイレクトに伝わりやすくなります。
知覚過敏の場合は、冷たい風や刺激に対して“一瞬ピキッと痛んで、刺激が去ればすぐに消える”という一過性の特徴を持ちます。
一方酸味によって歯の奥の方が持続的に重だるくなる感覚は、虫歯菌によって歯の組織がすでに弱体化し、神経が慢性的に過敏になっていることを示す重要なシグナルです。
糖度の高い固形物を噛んだときの局所痛
「甘いものを食べると歯が痛む」という自覚症状自体は、よく知られています。
ここで注目すべきは、ジュースなどの液体ではなく、チョコレートやキャラメル、クッキーといった糖度の高い固形物を特定の歯でしっかりと噛んだときにだけ走る痛みです。
これは虫歯によって開いたごく小さな穴や溝に、高濃度の糖分が物理的な圧力で押し込まれることによって発生する、非常に特殊な生理現象です。
歯の内部にある水分と、虫歯の穴に押し込まれた高濃度の糖分との間には、急激かつ強力な浸透圧の差が生じます。
この浸透圧の作用によって、歯の神経の周囲を満たしている水分が、糖分の高い方へと一気に引っ張られて移動するため、神経の受容器が激しく刺激されての鋭い痛みが走ります。
このような場合は、単なる神経の過敏ではなく、肉眼では汚れに見えるような微小な歯の穴がすでに形成され、そこに糖分がダイレクトに作用している動かぬ証拠と言えます。
まとめ
虫歯の見分け方を多く知っていれば、虫歯を事前に防げますし、重症化による治療や治療費の負担も軽減できます。
そのため、前述した方法を知っておいて損はありません。
またより虫歯の早期発見を目指すためには、やはり歯科クリニックへの通院が必要不可欠です。
3ヶ月に1回程度は、必ず歯科クリニックの定期検診に通うようにしましょう。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。