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2026.08.24

【川崎の歯医者】身体が揺れると歯が痛むのは虫歯なのか?

歩いたり走ったりするとき、車や電車で段差の上を通過したときなどの振動は、場合によってはなかなか大きな衝撃となることもあります。
では、このように身体が揺れたときに歯が痛むのは、虫歯を発症しているという合図なのでしょうか?
今回はこちらの点について解説します。

根尖性歯周炎の可能性も

虫歯が神経まで達して激しい痛みを引き起こした後、さらに放置すると神経が死んでしまいます。
神経が死ぬと一時的に痛みが消えるため、治ったと勘違いしがちですが、実際には細菌がさらに奥へと侵入しています。

死んだ神経の残骸や細菌が歯の根の先端から溢れ出ると、根の先を囲む骨の内部に膿の袋が形成されます。
この状態を根尖性歯周炎と呼びます。

この段階は、いわば歯を支える土台そのものが強い炎症を起こしている状態です。
そのため、歩く・走る・階段を上り下りするといった日常のわずかな振動でも、膿の袋が圧迫されてズキズキとした強い痛みを感じるようになります。
特に上記すべての動きを一日中行う学生などは、痛みを感じやすいです。

また治療には、歯の内部を徹底的に洗浄・消毒する根管治療が必要となります。
しかし、破壊された骨の範囲が広すぎる場合や歯の根元までボロボロに溶けている場合は、最悪のケースとして抜歯を余儀なくされることもあります。

歯根膜炎のケースもある

歯とそれを支える顎の骨の間には、歯根膜というクッションの役割を果たす薄い膜があります。
この膜は、噛んだときの衝撃を和らげたり、噛み応えを脳に伝えたりする重要なセンサーですが、ここに炎症が起きると歯根膜炎を発症します。

原因としては、前述した虫歯の悪化によるものだけでなく、重度の歯周病の進行、歯ぎしりや食いしばりによる過度な負荷などが挙げられます。
さらに、事故などで歯に強い衝撃が加わったケースなども含まれます。

歯根膜が炎症によって腫れ上がると、本来のクッション機能を失ってしまうため、歯がわずかに揺れたり、頭が上下に振動したりするだけで敏感に反応し、鋭い痛みを引き起こします。

歯科クリニックでの治療では、原因が虫歯や歯周病であればそれらの根本治療を行います。
噛み合わせの負荷が原因であれば、痛む歯を少しだけ削って一時的に当たらないようにする噛み合わせ調整や、就寝時のマウスピース(ナイトガード)の着用が効果的です。

歯根破折について

「鏡で見ても大きな虫歯の穴はないのに、なぜか揺れると痛い」という場合、歯の根元や内部にヒビが入っている、あるいは完全に割れている可能性が考えられます。
これを歯根破折やクラックと呼びます。

特に過去に虫歯治療で神経を抜いた歯は、栄養が行き届かなくなって枯れ木の木枯らしのように脆くなっているため、強い力が加わると簡単に割れてしまいます。
また、神経が残っている健康な歯であっても、日々の激しい食いしばりや硬いものを噛んだ衝撃でヒビが入ることがあります。

歯にヒビが入ると、体を動かして歯が揺れた際や、特定の角度で噛んだ瞬間にヒビの隙間がわずかに開き、周囲の神経や組織を直撃して激痛が走ります。
目に見えない微細なヒビ(マイクロクラック)はレントゲンでも確認しにくく、発見が遅れることも少なくありません。

軽度のヒビであれば専用の接着剤で固定して残せることもありますが、根元まで真っ二つに割れてしまっている場合は、細菌感染を防ぐことが難しいです。
そのため、抜歯をしなければいけない可能性がとても高いです。

上顎洞炎のリスク

上の奥歯が揺れると痛む場合、歯そのものではなく、鼻の奥にある上顎洞という空洞の炎症が原因となっていることがあります。
これは俗に蓄膿症とも呼ばれる病気です。

上顎洞は上の奥歯の根元と非常に近い、あるいは接する位置にあるため、風邪などをきっかけに上顎洞に膿が溜まると、その圧迫や炎症が奥歯の神経へと直接伝わってしまいます。

上顎洞炎になると、歩くときの振動で中の膿がタプタプと揺れ動きます。
その刺激で、上の奥歯が全体的にズキズキ響いて痛む、お辞儀をするとさらに痛みが強くなるといった特有の症状が現れます。

また、逆に上の奥歯の虫歯放置が原因で上顎洞炎を引き起こす歯性上顎洞炎というケースもあります。
治療にあたっては、原因が鼻にあるのか、それとも虫歯の悪化にあるのかをレントゲンやCTで的確に診断し、適切な治療を進めていかなければいけません。

ちなみに原因が鼻にある場合、歯科クリニックで施される治療の内容は一部に限定されることがあります。
鼻の問題については、歯科クリニックとは別に耳鼻科のクリニックや病院で治療を受けなければいけません。

まとめ

日々生活をしていて身体が揺れたとき、歯の痛みを感じるのであれば、それは虫歯の可能性があります。
ただし、場合によっては虫歯よりも重い疾患を患っていることもあるため、注意が必要です。
またこのような異変を放置すると、ひどい痛みに悩まされるだけでなく、最悪の場合は天然歯を失うことになります。
将来の歯の健康を考えても、なるべく抜歯は避けなければいけません。

この記事を監修した人

ふたば歯科クリニック 理事長 大木 烈

ふたば歯科クリニック 川崎本院 
理事長 大木 烈

昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。

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