ブラッシング後には、口内を水でゆすいで汚れや歯磨き粉などを吐き出します。
またこのときのうがいについては、そこまで長時間行う必要はなく、水の量も少しで構いません。
さらに、ブラッシング後のうがいには、他にも意外なポイントがいくつかあります。
今回はこちらの点について解説します。
ブラッシング後のうがいにおける意外なポイント4選
ブラッシング後のうがいでは、以下のポイントを押さえておくことが望ましいです。
・うがい後30分は飲食厳禁
・歯磨き粉は吐き出すだけでも良い
・マウスウォッシュとの順番に注意する
・子どもの年齢に合わせたうがい教育
各項目について詳しく説明します。
うがい後30分間は飲食厳禁
ブラッシングとうがいが完璧な手順で実践できたとしても、その直後に何かを食べたり飲んだりしてしまうと、それまでの予防効果は激減してしまいます。
うがいをしてから最低でも30分間は、何も口にしない飲食禁止のゴールデンタイムです。
この30分という時間は、歯磨き粉に含まれるフッ素が唾液とじっくり混ざり合い、歯のエナメル質に対してしっかりと取り込まれ、再石灰化を促すために必要な時間です。
この時間帯に食べ物や飲み物が侵入すると、その化学反応が途中で阻害されてしまいます。
どうしても就寝前に薬を飲まなければならない場合や、水分補給をしたい場合は、必ずブラッシングを始める前のタイミングですべて終わらせる習慣をつけましょう。
特に就寝中は、口内を守ってくれる唾液の分泌量が日中に比べて極端に減少し、虫歯菌がもっとも繁殖しやすい危険な時間帯になります。
寝る前の磨いた後の30分ルールを守ることが、健康な歯を守る最大の防御壁になります。
歯磨き粉は吐き出すだけでも良い
“水を使ったうがいそのものを一切しない”という選択肢も、現代の予防歯科では非常に有効なアプローチとして推奨されています。
これは、ブラッシングが終わったら、口の中に溜まった過剰な泡や唾液をペッと洗面台に吐き出すだけで、そのまま終了にするという驚きの方法です。
日本国内ではまだ馴染みが薄いかもしれませんが、予防歯科の先進国として知られるスウェーデンなどでは、これが一般的な標準スタイルとして広く知られ、指導されています。
最初は口の中に残るハッカの風味や、独特のヌルヌル感、甘みに強い違和感を覚える人が多いです。
しかし、慣れてしまえばこれがもっともフッ素を100%近く口内に残せる、非常に効率的で科学的な方法です。
どうしても後味が悪くて気になるのであれば、まず大さじ1杯の水で1回だけゆすぐステップから始めてみてください。
口内の不快感に少しずつ慣れてきたら、徐々に吐き出すだけのスタイルへ移行していくのが長続きするおすすめのステップです。
マウスウォッシュとの順番に注意する
ブラッシング当該の後、さらに仕上げとして市販のマウスウォッシュを使っているという美意識の高い方は、その使用する順番に細心の注意を払う必要があります。
ドラッグストア等で売られている製品のうち、液体ハミガキではなく“洗口液”と書かれたものは、ブラッシングとうがいをすべて終えた最後の段階で使用するのが正しい順序です。
そして、もっとも多くの人が勘違いしている意外な落とし穴は、洗口液で口内をクチュクチュと行き渡らせた後に、再び水でうがいをしてはいけないということです。
洗口液には、各メーカーが独自に開発した高濃度の殺菌成分や、プラークの付着を防ぐコーティング成分が含まれています。
使用後に水でゆすいでしまうと、それらの薬用成分がすべて水で流され、効果が消えてしまいます。
洗口液を使用した後は、そのままペッと吐き出して終わりにするのが本来の性能を引き出す正しい使い方です。
ボトルの裏面にある説明書きを今一度確認してみましょう。
子どもの年齢に合わせたうがい教育
大人自身のうがい方法を見直すだけでなく、子どものうがい習慣もその成長段階の年齢に合わせて適切にアップデートしていく必要があります。
まだうがいが上手にできない乳幼児期は、使用する歯磨き粉の量をごく少量に調整すれば、万が一うがいができずにそのまま飲み込んでしまっても、身体への悪影響はありません。
また日本学校歯科医会などの公的機関が発信する最新の情報においても、学校や給食後の集団生活の場での正しいブラッシングと、適切なうがい指導の重要性が叫ばれています。
子どもに対して周囲の大人が「何度もブクブクしなくていいんだよ」と優しく声をかけて教えることで、幼少期の頃から高い虫歯予防効果を得られるケアが自然と身につきます。
家族全員でこの1回うがいを取り入れることで、子どもも違和感なく新しい常識を受け入れ、生涯にわたって健康な歯を維持する基礎を作ることができます。
まとめ
ブラッシング後のうがいは、いたってシンプルな作業ですが、大げさに言えば奥が深いと言えます。
普段セルフケアを行う際は、しっかり時間をかけてブラッシングを行い、ポイントを押さえたうがいを組み合わせるようにしましょう。
さらに、そこに歯科クリニックでのプロフェッショナルケアを織り交ぜることで、非常に強固な虫歯予防体制が完成します。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。