
近年、歯周病治療において注目されているのが、痛みの少ない治療であるペリオプロという薬剤を使用したペリソルブ療法です。
歯周病を根治させることのできる治療としても注目されていますが、治療はどのような流れで進められるのでしょうか?
ペリオプロの治療の流れについて、解説します。
ペリオプロの治療の流れ
ペリオプロの治療は、どのような流れで行われるのでしょうか?
治療を受ける際は、初診でカウンセリングを受けることになります。
カウンセリングではどのようなことをするのか疑問に思う方もいるかもしれません。
カウンセリングは、検査の前段階であり、口内にどのような悩みがあるのかを確認するために行われます。
痛みや違和感があるか、何らかの気になる症状があるか、口内に関する心配ごとや悩みがないか、治療に関する希望はあるかなど、安心して治療に臨むことができるよう確認するのです。
違和感や悩み、心配なこと、歯茎の出血や腫れなどの症状などを伝えてください。
「些細なことだから、伝える必要はないかな?」と思わず、遠慮なく話しましょう。
治療に関する希望等も、可能かどうかに関わらず伝えることが大切です。
カウンセリングの内容を基にして、口腔内検査を行い口内の状態を確認します。
歯周病になると、歯茎から血が出たり腫れたりします。
そのため、歯茎からの出血や腫れの有無を確認し、プラークや歯石などが付着していないかも同時にチェックしていきます。
表面だけではなく、歯を支えている歯槽骨という骨についても、歯周病によって溶けていないかどうか確認しなければなりません。
あわせて歯周ポケットの深さも測定し、歯周病の進行度についても検査を行います。
歯周病の治療で行われるのは、消毒や歯石、プラークの除去、研磨などです。
歯石は、歯周ポケットの奥のものをスケーリングで削り取って除去したり、歯肉の内側にあるものを超音波スケーラーで破壊したりしますが、他にも歯茎を切開して歯根部分に付着したものを除去することもあります。
ペリオプロを使用して治療する場合は、歯周ポケットの内側にペリオプロを塗布して内部にある歯石を柔らかくすると同時に、薬剤を歯肉の内側まで浸透させ、内部の歯石も柔らかくします。
歯周病の原因は歯周病菌という細菌であるため、殺菌をしなければなりません。
合わせて、歯周病菌が増える原因となるプラークや歯石も残さないように除去しなければ、すぐに再発してしまうでしょう。
歯周病の原因を除去することで、再発を防ぐのです。
歯周病の進行度合いによって回復は異なりますが、歯周病菌が減少すれば腫れてぶよぶよになっていた歯茎も徐々に引き締まっていきます。
状態に改善がみられるということは、治っていることを意味するのです。
歯周病が進行すると、歯周ポケットはどんどん深くなっていきます。
あまりに深くなるとスケーリングやペリオプロの塗布をしても、歯石が残ってしまうこともあるのです。
歯ブラシも届かないため、内部には徐々に汚れが溜まってしまい、やがては歯石になってしまいます。
深くなった歯周ポケットを放置していると、歯周病は悪化しやすく、治療しても再発しやすくなります。
歯周ポケットがあまりに深い場合は、外科治療を行って歯周ポケットを浅くしてからプラークコントロールを行わなければなりません。
きちんと奥まで届く深さにしなければ、プラークコントロールができないためです。
歯周病になったとき、何の対処もしないままでいると、どんどん悪化してしまいます。
初期の歯周病は自覚症状が出にくいものの、徐々に違和感を覚えたり痛みが出てきたりします。
通常は気が付いた時点で治療に行きますが、中にはかなり悪化してからでなければ歯科医院に行けなかったという人もいるでしょう。
早い段階で治療を受けたほうが、完治もしやすく治療にかかる期間も短くなるため、違和感がある場合にはすぐに歯科医院に行くことをおすすめします。
できれば、自覚症状がない初期段階で治療を受けた方が早く治るため、異常がなくても定期検診を受けたほうがよいでしょう。
定期検診は、虫歯や歯周病になりかかっていないかを確認したうえで、クリーニングを行って汚れを落とします。
検査によって歯周病や虫歯の兆候が出ている場合には、すぐに消毒などの治療を行って口内に被害が及ぶ前に治してしまいます。
以上のとおり、歯周病になってもすぐに治すことができるように、定期検診は受けておいたほうがよいでしょう。
また、治療後は経過観察も行うため、数カ月に一度程度は通ってください。
歯石ができていてもすぐに除去してもらえるため、歯周病の再発を根本的に防ぐことが可能です。
まとめ
歯周病治療にペリオプロを用いる場合は、通常の歯周病治療とは違って歯周ポケットに薬を塗布することになります。
塗布された薬は歯石を柔らかくして、歯肉の奥までも進んでいきます。
歯周病は一度かかると完治するまでには時間がかかるため、定期検診を受けて歯周病が本格的に発症する前に治療しましょう。
クリーニングを受けて再発防止ができるため、きちんと通ってください。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。