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2026.07.30

【川崎の歯医者】歯石取りと虫歯治療は別の日に行う?

歯石取りは、もっとも一般的な歯周病治療であり、ブラッシングでは落とせない歯石をスケーラーと呼ばれる専用の器具で削ぎ落します。
では、歯石取りと虫歯治療をどちらも受けたい場合、これらは別の日に行われるのでしょうか?
今回はこちらの点について詳しく解説します。

治療精度を高めるため別日にされることが多い

歯石取りと虫歯治療を分ける最大の理由は、治療そのものの精度を極限まで高めるためです。

歯石が大量に付着している状態では、歯茎が炎症を起こして赤く腫れ、少しの刺激でも出血しやすくなっています。
この状態で虫歯治療、特に対象が歯と歯茎の境目にある場合の治療を行うと、削っている最中に持続的な出血が起こり、患部が血で覆われて目視しづらくなります。

さらに、虫歯を削った部分に充填するコンポジットレジンや、型取りを行う際の接着剤は、水分を極端に嫌います。
湿った状態で接着操作を行うと、本来の接着力が発揮されず、後に詰め物が外れたり、隙間から再び虫歯になる二次虫歯のリスクが跳ね上がったりします。

そのため、まずは最初の段階で歯石をキレイに除去し、丁寧なブラッシングを継続してもらいます。
数日から1週間ほど空けて歯茎の腫れや出血が完全に治まった状態にしてから虫歯治療に進むことで、正確に患部を削ることができ、詰め物も密着させることが可能になります。

このステップを踏むことが、最終的に歯の寿命を延ばすことにつながります。

保険診療のルールと制限について

日本の公的医療保険制度には、歯科診療における細かな算定ルールやガイドラインが設けられています。

保険診療では一連の治療の流れがシステム化されていて、原則として“検査→歯石取り→再検査→必要に応じて虫歯治療や被せ物の作製”という順番で進めるよう規定されています。
一般的に、歯石取りは歯周病という病気を治療するための行為であり、虫歯治療とは別の病気に対するアプローチとみなされます。

同じ日に複数の異なる病気の治療を並行して行うことは、保険の適応ルール上、過剰診療や不適切な混合治療と判断される場合があり、基本的には認められていません。

また医療経済的な側面だけでなく、1回の診療報酬でカバーできる処置の範囲や時間が決められているため、同日に詰め込むと医療機関側の負担やルール違反のリスクが生じます。

患者さんにとっては「何度も通うのが面倒」と感じられるかもしれませんが、これは日本の高い水準の歯科医療を公平かつ安価に受けるための公的な決まりです。
そのため、多くの歯科クリニックではこのルールに従い、日を分けて予約を取る体制をとっています。

患者さんの負担について

歯石取りと虫歯治療を同じ日にまとめて行うと、1回あたりの診療時間が非常に長くなります。
一般的な虫歯治療だけでも30分〜1時間ほどかかりますが、そこに口内全体の歯石取りを加えると、1時間半~2時間近くチェアの上で拘束されることになります。

長時間にわたり大きく口を開け続けることは、顎の関節や筋肉に多大な負担をかけ、治療後に顎の痛みや疲労感を引き起こす原因になります。
特に歯科治療に対して恐怖心や苦手意識がある患者さんの場合、精神的なストレスや緊張状態が長時間続くことで、血圧の上昇や気分の悪化を招くリスクが高まります。

さらに、虫歯治療で局所麻酔を使用した場合、麻酔が効いた状態で歯石取りの器具が当たると、感覚がないために粘膜を傷つけても気づかない危険性があります。
逆に、口内全体を触られて疲弊した後に、精神的なエネルギーを要する虫歯治療を行うのは、患者さんにとって苦痛が大きいです。

これらを考慮し、1回の治療を30分〜45分程度の手を付けやすい範囲に分割することで、安全かつ快適に治療を受けてもらえるよう配慮されています。

同日に行う例外ケース

前述の通り原則としては別日の治療になりますが、特定の状況においては同日に歯石取りと虫歯治療を行う例外が存在します。
もっとも多いケースは、患者さんが激しい痛みや急激な腫れを訴えて来院した場合です。

このときはルールの優先順位が変わり、まずは苦痛を取り除くための応急処置、例えば虫歯の神経の治療や、痛みの原因となっている箇所の処置などを最優先で行います。
その際、患部の周りにどうしても治療の邪魔になる歯石がある場合は、その部分だけを部分的に同日除去することがあります。

もう一つの例外は、自由診療を選択した場合です。
自由診療であれば、前述した保険診療の厳しいルールや制限に縛られることがありません。
そのため、1回に2〜3時間の予約枠を確保し、歯石取りから複数の虫歯治療、クリーニングまでを1日で一気に終わらせる短期集中治療を受けられることがあります。

また遠方からの来院で通院が極めて困難な場合や、仕事の都合でどうしても回数を減らしたい場合など、やむを得ない事情がある患者さんも存在します。
このような場合、歯科医師の判断のもと、保険診療の範囲内でも同日に必要最低限の処置を組み合わせるケースもあります。

まとめ

歯石取りは歯周病を治すため、虫歯治療は虫歯を治すために行われる治療です。
そのため、保険診療の場合は原則同日にあわせて行うことはできません。
緊急の処置が必要ない場合や、自由診療を選択しない場合は、それぞれの治療について別の日に予約を取り、段階を踏んで進めなければいけないということを理解してお

この記事を監修した人

ふたば歯科クリニック 理事長 大木 烈

ふたば歯科クリニック 川崎本院 
理事長 大木 烈

昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。

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