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2026.07.06

【川崎の歯医者・予防歯科】虫歯になりやすいスープについて

スープは手軽に野菜や肉、魚などを摂取できるため、どちらかというと健康的なイメージがあります。
しかし、実際は材料や調理法によって、虫歯のリスクを大きく高める原因になります。
今回は、数あるスープの中でも、特に虫歯のリスクが高い種類について解説します。

虫歯になりやすいスープ4選

以下のスープは、比較的虫歯のリスクが高いと言えます。

・コーンクリームスープ
・トマトポタージュ、トマトスープ
・カボチャやサツマイモのポタージュ
・とろみのある中華スープやフカヒレスープ

各項目について詳しく説明します。

コーンクリームスープ

コーンクリームスープは、子どもから大人まで人気が高い定番のスープですが、実は虫歯菌の大好物である糖質が非常に多く含まれています。

主原料であるトウモロコシ自体が、野菜類の中でも特に糖質量が多いです。
さらに市販の缶詰やレトルト製品、粉末タイプのスープには、コクや甘みを引き出すために砂糖や果糖ブドウ糖液糖などの調味料が大量に追加されているケースが少なくありません。

虫歯の原因菌であるミュータンス菌は、口内に入ってきた糖分を取り込んで分解し、歯のエナメル質を溶かす酸を作り出します。
コーンクリームスープ特有のとろみやクリーミーな質感は、胃や体に優しい一方で、歯の表面や歯と歯の隙間、奥歯の溝などにまとわりつきやすいというデメリットを持っています。

この粘性によって糖分が口の中に長い時間留まることになり、虫歯菌が酸を出し続ける絶好の環境を作ってしまいます。

さらに、温かいスープをフーフーと時間をかけて少しずつ飲むだらだら飲みになりがちな点も、虫歯のリスクを一段と押し上げる要因になります。

トマトポタージュ、トマトスープ

トマトを使ったスープは、リコピンやビタミンが豊富でヘルシーな印象を受けますが、歯科医学の視点からは酸と糖のダブルパンチで虫歯を誘発しやすいスープと言えます。

まず、トマト自体に多くのクエン酸やリンゴ酸といった有機酸が含まれていて、非常に酸性度が強い性質を持っています。
口内のpHが5.5以下になると歯の表面のエナメル質が溶け始める脱灰が起こりますが、トマトベースのスープは簡単にこの基準値を下回ってしまいます。

さらにトマトの強い酸味を和らげて美味しく仕上げるために、調理の過程で砂糖を多く加えるレシピが一般的です。
市販のトマトポタージュやケチャップベースのスープ、あるいはじっくり煮込んで濃縮されたトマトペーストを使用したものには、驚くほどの糖分が含まれています。

酸によって歯の表面が一時的に柔らかく脆くなっているところへ、虫歯菌のエネルギー源となる糖分が同時に供給されるため、格段に虫歯が進行しやすい危険な環境が整います。

またスープベースが濃厚でドロッとしているポタージュタイプは特に歯に付着しやすいため、飲んだ後の口内は酸性と糖分の両方に長時間晒されることになります。

カボチャやサツマイモのポタージュ

カボチャやサツマイモ、栗などを使用した秋の味覚を楽しめる濃厚なポタージュは、素材そのものの甘みが魅力ですが、これら根菜類や果実類は炭水化物が豊富です。
さらに、スープとして滑らかな口当たりに仕上げるために、牛乳や生クリーム、そして多くの砂糖やハチミツが練り込まれています。

デンプンは口の中にある酵素によって分解されると、虫歯菌が利用しやすい“おとり糖”へと変化するため、実質的に砂糖を口にしているのと変わらない状況を生み出します。

またカボチャやサツマイモのポタージュの最大の特徴は、その非常に強い粘着性です。
ミキサーで細かく裏ごしされ、乳製品と混ざり合ったスープは、冷めるとさらに粘度を増します。
この粘り気のある液体が歯頭部や歯間、歯茎との境目にべっとりと付着すると、唾液による自然な洗浄作用だけでは簡単に洗い流されなくなります。

口の中に食べカスや糖分が残ったままになる時間が長ければ長いほど、虫歯菌は活発に活動して酸を放出し続けます。
特に幼児や高齢者など、唾液の分泌量が少なめの方や、歯並びが複雑な方がこのタイプのスープを飲む際は、想像以上に高い虫歯リスクを伴うため注意が必要です。

とろみのある中華スープやフカヒレスープ

中華風のコーンスープやフカヒレ風スープ、酸辣湯など、片栗粉や本葛粉を使って強いとろみをつけた中華スープも、虫歯のリスクが極めて高いメニューです。

このとろみの正体はデンプンであり、前述の通り口内の唾液によって速やかに糖へと分解されます。
また中華スープの味付けには、醤油や塩分だけでなく、味に深みを出すための砂糖やみりん、紹興酒などが隠し味として意外なほど多く使われていて、全体の糖度を高めています。

また片栗粉による強いとろみは、スープの熱を逃がさない効果があるため、私たちは自然とフーフーと時間をかけ、少しずつ口に運ぶようになります。
この“少しずつ時間をかけて飲む”という行為そのものが、歯科においては非常に危険視されています。

人間の口内は、ものを食べると酸性に傾きますが、通常は唾液の働きによって時間をかけて中性へと戻ります。
しかし、とろみのあるスープをだらだらと飲み続けると、口内が常に酸性のまま維持されてしまい、歯が溶け続ける原因になります。

さらに、強いとろみは歯の裏側や奥歯の噛み合わせ面に強力に張り付き、食後しばらく経っても糖分を供給し続けるため、虫歯の発生と進行を著しく加速させてしまいます。

まとめ

スープを摂取するのであれば、飲み物としてだけでなく食べ物として摂取する意識を強く持つため、食材にはある程度の食感を残すのがおすすめです。
またなるべく糖分や粘着性を減らし、口内にとどまる時間を短くするのも大切です。
もちろん、虫歯リスクが低いスープでも摂取後は口内が酸性に傾くため、基本的なセルフケアを怠ってはいけません。

この記事を監修した人

ふたば歯科クリニック 理事長 大木 烈

ふたば歯科クリニック 川崎本院 
理事長 大木 烈

昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。

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