虫歯のリスクは、食事を摂る限り避けては通れないものです。
また普段忙しかったり、お弁当を作って食べる機会が多かったりする方の中には、冷凍食品を食べることが多い方もいるでしょう。
今回は、虫歯リスクが懸念される主な冷凍食品について解説します。
虫歯リスクが懸念される冷凍食品4選
以下のような冷凍食品は、虫歯リスクが懸念されるため、注意しなければいけません。
・冷凍パスタ
・冷凍グラタン、ドリア
・冷凍チャーハン
・冷凍たこ焼き、お好み焼き
各項目について詳しく説明します。
冷凍パスタ
冷凍パスタはランチや夕食に重宝しますが、虫歯リスクの観点から見ると非常に注意が必要な食品です。
特にミートソースやボロネーゼ、カルボナーラなどのソースには、旨味を引き立てるために多くの砂糖や小麦粉が含まれています。
これらのソースは粘着性が高く、パスタの麺の溝に入り込むと歯の表面や歯と歯の間に長時間とどまる性質があります。
口の中の虫歯菌は、この糖質をエサにして酸を作り出し、歯の表面のエナメル質を溶かしていきます。
また、パスタは柔らかく煮込まれているため、咀嚼の回数が減り、唾液の分泌が促されにくいという問題もあります。
唾液には口の中を中性に保ち、溶け出したミネラルを歯に戻す再石灰化作用があるため、咀嚼不足は虫歯リスクをさらに高める要因となります。
食事の際はよく噛むことを意識し、食後は早めにブラッシングをするか、うがいをしてソースの残りかすや糖分をしっかり落とすことが重要です。
冷凍グラタン、ドリア
冷凍グラタンやドリアは、ホワイトソースの濃厚な味わいとチーズの香ばしさが魅力ですが、口内環境においては虫歯のリスクファクターが複数隠れています。
ホワイトソースを作る際には、バターや牛乳だけでなく、とろみをつけるために大量の小麦粉が使用されます。
小麦粉は多糖類の一種であり、口内の酵素によって分解されると虫歯菌の大好物である糖に変化します。
さらに、マカロニやお米といった炭水化物も、虫歯菌が酸を生成するためのエネルギー源となります。
チーズ自体はアルカリ性で虫歯になりにくい食品ですが、ホワイトソースと絡み合うことで非常に粘着性が高くなり、歯の噛み合わせの溝や歯間にべったりと付着してしまいます。
またグラタンなどの粘性が高い食品は、唾液によって洗い流されにくく、長時間にわたって口の中に留まり続ける傾向があります。
これにより、口の中が酸性に傾く時間が長くなり、歯が溶ける脱灰のリスクが跳ね上がります。
食べた後は、水やお茶を飲んだり、フロスを使って歯間に詰まったソースを取り除いたりするケアが推奨されます。
冷凍チャーハン
冷凍チャーハンはパラパラとした食感と香ばしい風味が美味しく、家庭の食卓や弁当に大活躍します。
しかし、チャーハンは精製された白米が主成分であるため、虫歯リスクという観点からは決して油断できない食品です。
白米は消化・分解されるとすぐに糖へと変わります。
特に冷凍チャーハンは、調味油やラード、醤油、オイスターソースなどでしっかりとコーティングされていて、糖分や調味料が歯に停滞しやすくなっています。
炒めることでお米のデンプンが糊化し、消化酵素が働きやすくなっているため、口の中で急速に糖分へと分解されます。
またチャーハンを口に入れたとき、噛まずに飲み込んでしまう早食いの傾向がある人も多く、唾液の分泌量が増えません。
唾液による自浄作用が働かないまま、糖分が歯の表面や隙間に残ってしまうと、虫歯菌の絶好の繁殖環境になります。
そのため、チャーハンを食べるときは一口ずつしっかり噛んで味わい、食事の際は汁物などを一緒に摂って口の中の乾燥を防ぐ工夫が大切です。
冷凍たこ焼き、お好み焼き
冷凍たこ焼きやお好み焼きは、小腹満たしや夜食として人気が高いメニューですが、虫歯リスクの観点から注意が必要です。
これらの粉ものは小麦粉が主成分であり、ソース、マヨネーズ、青のり、かつお節などがトッピングされています。
お好み焼きソースやたこ焼きのタレには、大量の砂糖や果糖ブドウ糖液糖、みりんなどが使用されていて、極めて糖度が高い調味料です。
この甘辛いソースが、トロっとした生地と絡み合うことで粘着性が非常に高くなり、歯の表面に強く吸着します。
またマヨネーズやお好み焼きの生地も歯に残りやすいため、食事後も長時間口の中に糖分が留まり続ける原因となります。
夜食としてダラダラと食べたり、テレビを見ながら時間をかけて食べたりすると、口の中が酸性である時間が長くなり、虫歯の発生リスクが急激に上昇します。
食べる時間を決めてダラダラ食べを避け、食後には必ず歯を磨き、粘着性の高いソースをきれいに落とすことが虫歯予防において非常に重要です。
まとめ
冷凍食品は種類が豊富な上に、小分けにされているため、簡単な調理やお弁当にはとても便利です。
しかし、虫歯予防という観点においては、あまり良くない側面が多いのも事実です。
これは冷凍食品だけに言えることではありませんが、食事では摂取するものの偏りをなくし、多くの食材から栄養を摂り、咀嚼による唾液分泌も促進することが大切です。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。