チーズはカルシウムが豊富であり、虫歯予防に効果がある食品の一つとされています。
しかし、チーズであれば何でも食べ放題というわけではありません。
調理法によっては、当然虫歯のリスクが高まることもあります。
今回は、虫歯になりやすいチーズ料理について解説します。
虫歯になりやすいチーズ料理4選
以下のチーズ料理は、摂取することで虫歯のリスクが高まる可能性が高いです。
・クアトロフォルマッジ
・チーズマカロニ
・チーズタッカルビ
・ベイクドチーズケーキ
各項目について詳しく説明します。
クアトロフォルマッジ
クアトロフォルマッジは、4種類のチーズを贅沢に使ったピザに、甘いハチミツをたっぷりとかけて食べる料理です。
チーズそのものは糖質が低く、カルシウムやリンが豊富なため歯を強くする効果があります。
しかし、仕上げにかけるハチミツが虫歯のリスクを跳ね上げます。
ハチミツの主成分である果糖やブドウ糖は、虫歯菌の好物です。
さらに、ピザの生地は炭水化物であり、口の中で唾液によって糖へと分解されます。
この糖質と炭水化物の組み合わせは最悪です。
溶けたチーズとハチミツが混ざり合うことで粘り気が増し、歯の表面や歯と歯の間の隙間に強力に付着します。
ハチミツの糖分が口内に長く留まると、虫歯菌が酸を出し続け、歯の表面の組織を溶かす脱灰が長時間続いてしまいます。
食べた後はすぐにうがいをするか、ブラッシングをすることが重要です。
また、ピザの耳のような固い部分をよく噛むことで唾液の分泌を促すことはできますが、ハチミツの粘着力には抗えません。
外食で楽しむ機会も多いメニューですが、食後にダラダラと甘い飲み物を飲み続けるのは絶対に避けるべきです。
チーズマカロニ
チーズマカロニは、茹でたマカロニにチェダーチーズなどの濃厚なチーズソースを絡めた、欧米の定番家庭料理です。
一見すると甘みがないため虫歯になりにくそうですが、実は高いリスクが潜んでいます。
主成分であるマカロニは、高度に加工された精製炭水化物です。
よく噛んで食べているうちに、マカロニは口の中でドロドロの粘り気を持つ状態に変化します。
この粘り気のある炭水化物が、濃厚なチーズと混ざり合うことで、歯の噛み合わせ面にある溝に深く入り込みます。
お皿にこびりついたマカロニチーズが洗いにくいのと同じように、歯の隙間に挟まった汚れも唾液だけでは簡単に洗い流されません。
口の中に停滞する時間が長いため、虫歯菌が持続的に繁殖し、酸を作り出す原因になります。
さらに、この料理は子供に人気が高く、乳歯や生え変わったばかりの永久歯はエナメル質が薄いため、大人以上に虫歯が進行しやすい環境を作ってしまいます。
塩気が効いているため油断しがちですが、食後は歯の溝に詰まったマカロニを歯ブラシやデンタルフロスでしっかりと掻き出す必要があります。
チーズタッカルビ
チーズタッカルビは、鶏肉や野菜を甘辛いコチュジャンで炒め、たっぷりのとろけるチーズを絡めて食べる人気料理です。
この料理で注意すべきは、味付けに使われるコチュジャンと、具材のトッポギです。
コチュジャンには多くの砂糖や水飴が含まれていて、非常に糖度が高い調味料です。
また、トッポギは米粉から作られた炭水化物であり、加熱されてチーズと絡むことで、非常に強い粘着性を持ちます。
これが、歯の表面や裏側にぴったりと貼り付きます。
さらに、コチュジャンの甘辛い濃い味付けは、お酒や炭酸飲料などのソフトドリンクを進ませます。
もし一緒に砂糖の入ったジュースや、口の中を酸性にするアルコールを飲んでいる場合、歯が受けるダメージはさらに深刻になります。
その上熱々のチーズは口の中に長く留まりやすく、具材が冷めてくるとさらに粘着力を増して歯にくっつきます。
韓国料理特有の辛さと旨味の裏には、虫歯菌が大好きな糖質が大量に隠されていることを忘れてはいけません。
野菜が豊富でヘルシーな印象もありますが、歯の健康という観点から見ると非常に警戒が必要なメニューです。
ベイクドチーズケーキ
ベイクドチーズケーキは、クリームチーズをベースに、砂糖、卵、小麦粉などを混ぜて焼き上げた王道のスイーツです。
チーズケーキは他のケーキに比べて糖質が低いと紹介されることもありますが、お菓子作りのレシピを見ればわかる通り、大量の砂糖が使われています。
虫歯菌は砂糖を摂取すると、自身の周りにプラークというネバネバした住処をつくります。
ベイクドチーズケーキはしっとりとした質感で口当たりが良い反面、歯の表面に膜を張るように付着しやすい性質があります。
特に土台に使われるクッキー生地はバターと砂糖と小麦粉の塊であり、歯の隙間に挟まりやすいです。
おやつとして時間をかけてダラダラ食べると、口の中が常に酸性になり、虫歯へ一直線に進んでしまいます。
チーズの塩気や酸味で甘さが麻痺しやすいですが、チョコレートケーキなどと同等、あるいはそれ以上の虫歯リスクがあると考えた方が安全です。
またコーヒーや紅茶に砂糖を入れて一緒に飲むと、リスクは倍増します。
食べるときは時間を決め、短時間で食べ終えることが口内の環境を守る秘訣です。
まとめ
冒頭でも触れた通り、チーズは乳製品のためカルシウムが豊富であり、本来は虫歯に負けない強い歯をつくってくる食材です。
しかし、前述したような甘い味付けがされていたり糖質が多かったりする料理については、チーズのメリットを打ち消してしまいます。
そのため、虫歯予防として採り入れる際は、なるべくシンプルなチーズを摂取するようにしましょう。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。