歯周病を発症すると、細菌が出す毒素が歯茎を刺激し、炎症を引き起こします。
また炎症を起こしたり弱ったりした歯茎は出血しやすくなり、日常生活におけるさまざまな場面で出血が見られるようになります。
今回は、歯周病によって歯茎が出血する主なタイミングについて解説します。
歯周病によって歯茎から血が出るタイミング6選
歯周病を患っている方は、以下のようなタイミングで出血しやすくなるため、注意が必要です。
・ブラッシングをしたとき
・歯ブラシを新しくしたとき
・食事を摂ったとき
・食後に爪楊枝を使用したとき
・歯ぎしりや食いしばりをしたとき
・被せ物に問題が起こったとき
各項目について詳しく説明します。
ブラッシングをしたとき
歯周病の方が特に出血しやすいのが、ブラッシングをしたときです。
ブラッシングの際は、歯の表面だけでなく、歯と歯茎の間もしっかり磨かなければいけません。
そうしなければ、十分に食べカスやプラークは落とせないからです。
しかし歯周病の方は歯茎がブヨブヨで弱っているため、ブラッシングの際に刺激によって出血する可能性が高いです。
またブラッシングの力が強い場合は、出血がなかなか止まらなくなることもあります。
ちなみに歯ブラシにはかため・ふつう・やわらかめという硬さがありますが、かためを使用している場合は極めて出血のリスクが高くなります。
そのため、やわらかめの歯ブラシを使用し、時間をかけて優しくブラッシングをしなければいけません。
歯ブラシを新しくしたとき
歯ブラシを新しくしたときも、歯周病の方は出血しやすくなるため注意が必要です。
歯ブラシは、1ヶ月に1回程度交換することが望ましいです。
なぜなら、毛先のコシがなくなり、徐々に清掃効率が落ちていくからです。
また購入したばかりの歯ブラシは、毛先にしっかりコシがありますが、その反面ブラッシングの際に歯茎を傷付けやすくなります。
かといって歯ブラシを交換しないわけにはいかないため、新調した歯ブラシの場合は特に力加減に気を付けなければいけません。
食事を摂ったとき
食事を摂ったときの刺激でも、歯周病の方は歯茎から血が出やすくなります。
有名なのは、リンゴの丸かじりをしたときです。
リンゴは食物繊維が豊富で硬さがあるため、丸かじりをすると歯茎への刺激が強くなり、出血しやすくなります。
また硬いものだけでなく、刺激の強いものを食べるときも注意が必要です。
例えば辛いものや熱い飲み物など、刺激が強いものは歯茎の炎症を悪化させ、出血を誘発することがあります。
食後に爪楊枝を使用したとき
食事が終わった後、歯に詰まったものを取るために爪楊枝を使用する方は多いでしょう。
しかし歯周病の方は、こちらの行動で歯茎の出血リスクが高まります。
爪楊枝の先は鋭く尖っているため、少し歯茎に触れただけでも出血してしまうことがあります。
また食べカスが詰まりやすいのは歯の間であり、ここに爪楊枝を差し込む際に誤って歯茎を突いてしまう可能性は高いです。
爪楊枝は本来、歯ブラシのように口内を清掃することを想定したつくられたものではないため、基本的には使用しないことをおすすめします。
ちなみに歯ブラシの毛先を歯と歯の間に出し入れし、歯茎をマッサージするつまようじ法というケア方法がありますが、こちらは爪楊枝で行うものではありません。
あくまで、爪楊枝で食べカスを取り除くときのような動きを再現したものです。
歯ぎしりや食いしばりをしたとき
歯ぎしりや食いしばりがある方も、歯周病による出血が見られるケースが増加します。
特に就寝中に歯ぎしりや食いしばりをしている方は、こちらの傾向が顕著です。
歯ぎしりや食いしばりは、歯茎に100kg以上の圧力をかけると言われています。
毎晩100kg以上の圧力がかかっていれば、歯茎へのダメージが大きくなり、出血してもなんら不思議ではありません。
また就寝中の歯ぎしりや食いしばりは、自身では気付かないケースがほとんどです。
朝起きたときに口内が血だらけになったなどの経験がある方は、歯ぎしりや食いしばりが原因の可能性が高いです。
被せ物に問題が起こったとき
虫歯を治療し、被せ物を装着している方は、こちらの問題によって歯茎から出血しやすくなります。
例えば被せ物が経年劣化して隙間ができている場合、そこにプラークが溜まって出血することがあります。
また被せ物が合わず歯茎を圧迫している場合、すでに炎症を起こしている歯周病の歯茎は簡単に出血します。
被せ物を装着してすぐにこのような症状が見られた場合、被せ物の作製時点ですでに問題が生じている可能性が高いです。
まとめ
少し油断するだけでも、歯周病は簡単に発症します。
また簡単に発症するにもかかわらず、完治させるのは難しいというのが歯周病の厄介なところです。
それでも、歯科クリニックで歯石除去などを行えば、毎日のように歯茎から血が出ることはなくなる可能性があります。
症状の進行具合にもよりますが、まずは歯科クリニックを訪れ、自身の歯茎の状態を確かめてもらいましょう。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。