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2026.05.30

【川崎の歯医者】お茶には一切虫歯リスクがないのか?

普段私たちが飲む機会がもっとも多い飲み物としては、やはりお茶が挙げられます。
お茶は食事の際に飲むものとしても、スポーツなどを行ったときの水分補給としても選択されることが多いです。
では、お茶には一切虫歯のリスクはないのでしょうか?
今回はこちらの点について詳しく解説します。

カテキンの抗菌作用とフッ素効果

緑茶やウーロン茶に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンには、強力な抗菌作用があります。
虫歯の原因菌であるミュータンス菌の増殖を抑え、歯にプラークが付着するのを防ぐ効果が期待できます。

また、お茶の葉には天然のフッ素が豊富に含まれています。
フッ素は歯の表面のカルシウムが溶け出す脱灰を防ぎ、一度溶け出した成分を元に戻す再石灰化を促進します。
これにより歯の質が強化され、酸に強い丈夫な歯を作ることができます。

日常的にお茶を飲むことは、天然の虫歯予防薬を口にしている状態に近く、食事の合間や食後にお茶を飲む習慣は口内環境を清潔に保つために非常に有効です。
特に食事をすると口内が酸性に傾き、虫歯になりやすい状態になりますが、お茶を飲むことでそのリスクを大幅に下げることができます。

ただし、この効果はお茶そのものの成分によるものなので、後述する糖分の有無などが大きく関係してきます。
純粋なストレートのお茶を適切なタイミングで摂取することが、虫歯菌の活動を効果的に抑制する鍵になります。

砂糖入り、ペットボトル飲料の罠

お茶そのものに虫歯リスクはなくても、砂糖やハチミツが加えられたお茶は一転して高い虫歯リスクを持ちます。

市販の緑茶や麦茶は無糖が一般的ですが、紅茶や抹茶ラテ、ほうじ茶ラテ、市販の甘いウーロン茶などには大量の砂糖が含まれています。
虫歯菌は糖分をエサにして酸を作り出し、その酸が歯を溶かすため、甘いお茶を飲むことはジュースを飲んでいるのとまったく同じ状態です。

特に注意が必要なのは、ペットボトルや水筒に入れてダラダラ飲む行為です。
人間の口内は通常、唾液の働きによって中性に保たれていますが、糖分が入った飲み物が頻繁に口の中に入ってくると、口内が常に酸性のままになってしまいます。

これを“脱灰時間が長くなる”と言い、唾液による修復が追いつかなくなり、急速に虫歯が進行します。

「お茶だから身体に良い」と油断して、デスクワーク中や勉強中に甘いお茶を少しずつ飲み続けるのは、もっとも虫歯を作りやすい危険な習慣です。
飲むのであれば時間を決めて飲み、その後は水で口をゆすぐなどの対策が必要です。

酸性度による歯の侵食リスク

お茶の種類によっては、糖分が含まれていなくても歯を傷つけるリスクがあります。
それが酸蝕歯の原因となる酸性度です。

歯の表面を覆うエナメル質は、口内のpH値が5.5以下になると溶け始めると言われています。
一般的な緑茶や麦茶、ほうじ茶のpH値は6前後であり、中性に近いため歯が溶けるリスクはほとんどありません。

しかしレモンティーや、ローズヒップやハイビスカスなど酸味の強いハーブティーはpH値が4以下と非常に強い酸性を示します。
これらは無糖であっても、頻繁に飲んだり口の中に長く含んでいたりすると、酸の力で歯の表面が直接溶かされてしまいます。

また酸によって薄くなったエナメル質は、虫歯菌の出す酸にも簡単に負けてしまうため、結果として虫歯のリスクを跳ね上げます。

健康や美容のために酸性のハーブティーを飲む際は、ストローを使って飲む、飲んだ後に水でお口をすすぐ、飲んだ直後のブラッシングは避けるといった工夫が必要です。

麦茶の優秀性と唾液の役割

虫歯リスクをもっとも低く抑えられるお茶として、トップクラスに優秀なのが麦茶です。
麦茶は大麦を原料としており、お茶の葉を使わないためノンカフェインです。

緑茶などに含まれるカフェインには利尿作用があり、体を脱水傾向にさせ、口の中を乾きやすくするデメリットがあります。
唾液には口内の酸を中和し、歯を修復する重要な役割があるため、唾液が減ることは虫歯リスクの増加を意味します。

その点、麦茶は水分補給をしながら唾液の分泌を妨げません。

さらに、麦茶にはバクテリアの定着を抑える効果があり、虫歯菌が歯の表面にくっつくのを防ぐ研究結果も報告されています。
寝ている間は唾液の分泌量が激減するため、就寝前の水分補給に甘い飲み物は厳禁ですが、無糖の麦茶であれば虫歯リスクを気にせず飲むことができます。

幼児から高齢者まで安心して飲める麦茶は、口の乾燥を防ぎ、唾液の持つ天然の虫歯予防パワーを最大限に活かせる最高の飲料と言えます。

ただし、麦茶には緑茶のようなフッ素効果や強い抗菌カテキンは含まれないため、他のお茶と上手に組み合わせて取り入れるのが理想的です。

まとめ

お茶は水と同じく、そのまま摂取する場合は基本的に虫歯リスクがないものです。
しかし、お茶の種類によっては歯に悪影響を与えることもありますし、砂糖が含まれているものは当然虫歯のリスクを高めます。
そのため、お茶だからといって安心しきることなく、常に虫歯のリスクを考慮しながら適切な摂取を心掛けなければいけません。

この記事を監修した人

ふたば歯科クリニック 理事長 大木 烈

ふたば歯科クリニック 川崎本院 
理事長 大木 烈

昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。

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