歯科クリニックに通院中の方には、勇気を振り絞って相談し、ようやく虫歯治療を開始したという方もいるでしょう。
しかし、通院開始後も虫歯治療への苦手意識が拭えず、どうしても通うのが億劫になってしまうというケースはあります。
今回は、このような場合の主な対処法について解説します。
どうしても歯科クリニックに通いたくないときの対処法4選
どうしても通院を継続するのが嫌だという場合は、以下の対処法を試してみましょう。
・次回から通いやすい日時や曜日に変更する
・治療中の快適さを高めるグッズを用意する
・自宅や会社近くの歯科クリニックに転院する
・自身の口内が完全にキレイになった姿をイメージする
各項目について詳しく説明します。
次回から通いやすい日時や曜日に変更する
今日どうしても行くのが面倒だと感じた原因は、現在の予約日時があなたのライフスタイルやバイオリズムに合っていないからかもしれません。
例えば仕事終わりの疲弊しきった平日の夜や、せっかくの休日である土曜日の朝一番などは、誰しも心身のモチベーションが低下しやすくなります。
もし今日の通院をキャンセル、あるいはなんとか乗り切ったとしても、次回以降も同じ曜日・時間帯であれば、再び「面倒くさい」と感じる可能性が高いです。
そこで、次回の予約を取るタイミングで、自分がもっともストレスなく動ける時間帯へとシフトすることを検討しましょう。
平日の仕事が始まる前の午前中、あるいは外回りのついでに立ち寄れる時間、休日の外出のついでに組み込める昼過ぎなど、生活動線に自然に組み込める日時がベストです。
歯科クリニックのスタッフに「仕事のスケジュールが変わって今の時間帯が厳しくなったので、別の曜日で空いている時間はありますか?」と相談すれば、快く調整してくれます。
通院を特別なイベントではなく、日常のルーティンワークの一環として無理なく消化できる枠を見つけることが、長期的なドロップアウトを防ぐ鍵です。
治療中の快適さを高めるグッズを用意する
歯科クリニックに通うのが億劫になる背景には、「あの独特の治療環境が不快で耐えられない」という心理的ストレスが隠れています。
キーンという高い切削音、薬品の特異な臭い、鋭い光、何をされるか分からない恐怖感などが、無意識のうちに脳へ通院を拒絶するサインを送っています。
それならば、治療中の不快感を物理的にシャットアウトし、少しでも快適に過ごせるパーソナルグッズを用意して臨みましょう。
多くの歯科クリニックでは、治療中に患者がリラクゼーションアイテムを使用することを許可しています。
特におすすめなのが、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンです。
スマートフォンでお気に入りの音楽やラジオ、環境音、オーディオブックなどを少し大きめの音量で再生すれば、歯を削る不快な音を大幅に軽減できます。
また、目にタオルをかけてもらうだけでなく、自前の使い捨てアイマスクやサングラスを持参して視界を完全に遮るのも効果的です。
視覚と聴覚からの刺激を減らすだけで、治療台の上が自分だけのプライベート空間に変わり、通院に対する心理的ハードルが驚くほど下がります。
使用する際は、事前に一言「音が苦手なのでイヤホンをつけても良いですか?」と医師に確認しておけば確実です。
自宅や会社近くの歯科クリニックに転院する
現在の通いづらさの原因が、歯科医院へのアクセスにある場合は、思い切って通院先を変える転院を視野に入れるべきです。
例えば「評判が良いから」と少し遠くの駅の歯科クリニックを選んだ場合、天気が悪い日や疲れている日には移動そのものが強烈なストレスに変わります。
虫歯治療は複数回の通院を前提とすることが多いため、技術の高さと同じくらい“足を運びやすい場所にあること”が最重要ステータスになります。
もし自宅から徒歩数分の場所や、会社の目の前などに信頼できる歯科クリニックがあれば、そちらへ変更した方が最後まで治療を完遂できる確率が高まります。
転院を決定した場合は、現在の歯科クリニックに対して「仕事や引越しの都合で通えなくなった」と伝え、治療の進行状況がわかる紹介状などを請求しましょう。
それが難しい場合でも、新しい歯科クリニックの初診時に「ここまで治療していたが、通いづらいためこちらに変えたい」と説明すれば、スムーズに治療を引き継いでくれます。
利便性を最優先にすることは、決して悪いことではありません。
自身の口内が完全にキレイになった姿をイメージする
精神論のように思えるかもしれませんが、理想のゴールを鮮明にイメージすることは、行動経済学的にも脳科学的にも強力なブースターとなります。
通院したくない方の頭の中は「痛い、面倒、怖い、時間がかかる」といったネガティブなプロセスだけで満たされています。
これを、治療がすべて完了した後の爽快で健康的な結果へと意識的にフォーカスをずらしてみましょう。
虫歯が完全に治れば、冷たいものがキーンとしみる不快感から解放され、大好きな食事を左右の歯で思いっきり噛み締めて味わうことができます。
口臭の原因となっていた虫歯菌や食べカスが溜まる穴もなくなり、人前で自信を持って大きな口で笑えるようになります。
さらに、治療が終われば「歯医者に行かなければならない」というバックグラウンドの重荷から解放され、毎週末を完全に自由な時間として満喫できるようになります。
このように、治療を終えた自分が手にする圧倒的なメリットと清々しい達成感をノートに書き出すなどして視覚化してみてください。
明るい未来を手に入れるための最後の障害が今日の通院であると認識できれば、重かった腰を上げるエネルギーが内側から湧いてくるはずです。
まとめ
歯科クリニックでの虫歯治療は、一度開始したら完全に治療が終了するまで通い続けなければいけません。
しかし、現在の環境でそれが難しいと判断される場合は、負担を軽減するための上記のような対策が必要です。
もっとも避けたいのは、無断キャンセルが続いて歯科クリニックに迷惑をかけるだけでなく、治療中の歯にどんどん汚れや細菌が溜まってしまうというケースです。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。