普段皆さんが食べているメインディッシュは、肉料理もしくは魚料理が多いかと思います。
また虫歯を徹底的に予防したいのであれば、毎日摂取するような料理の内容についても、深く考えるべきです。
今回は、虫歯予防の観点からおすすめしたい魚料理について解説します。
虫歯予防の観点からおすすめしたい魚料理4選
以下の魚料理は、ある程度の虫歯予防効果が期待できるため、おすすめです。
・ししゃもの唐揚げ
・イワシのつみれ汁
・カツオのタタキ
・アジの南蛮漬け
各項目について詳しく説明します。
ししゃもの唐揚げ
ししゃもは頭から尻尾、そして内臓や小骨にいたるまで丸ごとすべて食べられるため、歯や骨の主成分となるカルシウムをもっとも効率的に摂取できる理想的な魚です。
虫歯菌の酸によって一度溶け出したエナメル質を修復する再石灰化には、唾液中に十分なカルシウムが含まれていることが絶対条件になります。
ししゃもを少量の衣でカリッと香ばしく唐揚げにしたり、グリルでじっくりとホイル焼きにしたりすることで、小さな子どもでもおやつ感覚で無理なく食べ進めることができます。
独特のプチプチとした食感と適度な硬さがあるため、自然と噛む回数が増え、子どもの健全な顎の発達や、大人の年齢とともに低下しがちな唾液分泌機能の促進に大いに貢献します。
また、ししゃもにはカルシウムの定着を助けるマグネシウムもバランス良く含まれています。
塩分が元々含まれているため、調理時に調味料を追加する必要がなく、余計な添加物や糖分を排除した状態で、歯を内側から強化できる優秀な予防歯科メニューです。
イワシのつみれ汁
イワシは歯を構成するカルシウムと、それを身体に定着させるビタミンDの両方を最高クラスのバランスで併せ持つ、まさに天然の歯のサプリメントです。
イワシの身を骨ごと細かく叩いてつみれに加工することで、普段の調理では硬くて残してしまいがちな小骨のカルシウムまで、無駄にすることなく摂取できるようになります。
このつみれを大根やゴボウ、ニンジンやレンコンといった根菜類をたっぷりと入れた具だくさんの味噌汁仕立てにするのが、虫歯予防において最強の組み合わせです。
根菜類に含まれる不溶性の食物繊維は、咀嚼する際に歯の表面のプラークを削ぎ落とす咀嚼清掃効果が非常に高く、歯ブラシが届きにくい隙間のケアを助けます。
また温かい汁物は口の中全体をしっかりと潤し、乾燥による細菌の増殖をブロックするとともに、唾液の流れをスムーズにします。
つみれに生姜や大葉を多めに練り込むことで、魚特有の臭みを消すだけでなく、これらが持つ天然の抗菌・殺菌作用が口内の虫歯菌の活動を抑制し、口内を清潔な状態に保ちます。
カツオのタタキ
カツオには、歯を支える歯周組織の土台を強固にする良質なタンパク質と、口腔粘膜の免疫力を高めて細菌感染を防ぐビタミンB6が非常に豊富に含まれています。
カツオのタタキは、外側を強火でさっと炙ることで、生身のやわらかさに香ばしい外皮の歯ごたえが加わり、刺身で食べるよりも自然と咀嚼の回数が増えるのが大きな特徴です。
この料理の虫歯予防効果を極限まで高めるポイントは、上に山盛りに乗せる薬味の存在にあります。
ネギや大葉、生姜やミョウガ、ニンニクといった日本の伝統的な薬味には、強力な抗菌作用や殺菌効果を持つ特有の成分が含まれています
そのため、口の中の虫歯菌や歯周病菌の増殖を物理的に抑制します。
さらにさっぱりとしたポン酢醤油で食べることで、柑橘類に含まれる有機酸が唾液腺を刺激し、食後に大量の唾液をジュワッと分泌させます。
これにより、食後の口内が酸性に傾いて歯が溶け出す時間を最小限に抑え、素早く安全な中性へと引き戻してくれます。
調理に砂糖を一切使わず、清涼感に満ちた美味しさで口内をリフレッシュできる、非常に優れた夏場にも最適な虫歯予防メニューです。
アジの南蛮漬け
アジは必須アミノ酸が完璧なバランスで含まれる極めて高タンパクな魚であり、歯を支える歯肉の健康維持に大きく貢献します。
このアジをカラッと揚げて、お酢をベースにした甘酸っぱいタレに漬け込む南蛮漬けは、予防歯科においてトリプル効果を持つ傑出した料理です。
まず、じっくりと揚げることで頭や小骨までサクサクとやわらかくなり、歯の結晶構造を強くするためにもっとも重要なカルシウムを丸ごと余すことなく摂取できます。
次にタレと一緒に漬け込むタマネギやニンジン、ピーマンなどのシャキシャキとした生野菜が、食べる際のカサを増し、噛む回数を劇的に増加させます。
野菜の繊維質が歯の表面を掃除しつつ、よく噛むことで唾液が溢れ出ます。
そして最大の特徴は、お酢の酸味です。
お酢は口に入れた瞬間に反射的に大量の唾液を分泌させるため、食中の口内洗浄効果が極めて高くなります。
ちなみに南蛮漬けは作り置きをしても味が落ちにくく、むしろ骨まで味が染みてやわらかくなるため、冷蔵庫に常備しておけば手軽に骨と歯を強化し続けられる合理的な一品です。
まとめ
魚料理は、ある程度魚の持つ栄養素により、虫歯予防に貢献してくれるものが多いです。
また他に使用する材料や調味料、調理方法などを工夫すれば、さらに高い虫歯予防効果を手に入れられます。
もちろん、食後はブラッシングをすることが前提ですが、これまであまり意識してこなかった方は、この機会に前述したような魚料理にチャレンジしてみましょう。
この記事を監修した人
ふたば歯科クリニック 川崎本院
理事長 大木 烈
昭和大学歯学部卒業後、昭和大学附属病院での臨床研修を経て歯科医師としてのキャリアをスタート。現在は医療法人社団雙葉会ふたば歯科クリニックの理事長として、医院を統括する。
インプラント治療においては国際インプラント学会専門医の資格を持ち、米インディアナ大学インプラント科客員講師として海外での学術活動にも従事。矯正・補綴など多岐にわたる分野の認定資格を有し、さらに歯学博士の学位を取得するなど、臨床・研究の両面で高い専門性を発揮している。また、厚生労働省認定の臨床研修医指導医として後進の育成にも力を入れており、昭和大学歯科病院および歯学部解剖学教室にも所属し、大学との連携も継続している。
患者一人ひとりに最善の医療を届けるため、年中無休・通し診療という体制を実践。「患者様の生活の質の向上を使命とする」という姿勢のもと、予防から高度な専門治療まで幅広く対応している。